インターハイ二回戦第3試合が遂に決着。準決勝進出は、長野県代表・清澄高校と南大阪代表・姫松高校に決まりました。
そして、前回は不可解な行動を見せた咲でしたが、その行動の狙いが明かされます。全ては、宮永咲の思惑通り ―― か。
個人的には平凡な予想ながら永水女子が勝ち上がるだろうと思っていたので、今までの感想もその前提で書いてましたが、
通過は厳しいだろう思っていた姫松が準決勝進出という結果。南大阪の皆さん、姫松の皆さん、申し訳ありませんでした(笑)。
確かに永水女子の面子も、実力を出し切ったとは言いがたいところですが、考えてみれば姫松もそれほど回想シーンなどが
描かれてませんでしたし、スズが爆発してなかったり、赤阪郁乃が監督らしいことを何もしてなかったりで、まだまだ見せ場を
作れる要素は残されてるとは思います。さらにここに来て、郁乃カントクが意味深な発言をしていますし。
まぁ先鋒戦の控え室での会話を見ると、永水女子に慢心があったことも否めませんけどね。
インターハイ団体戦 二回戦第3試合大将戦 最終結果
対局 | 半荘 | 学校名 | 選手名 | 点数 | 順位 | 収支 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
大将 | 前半 | 姫松 | 末原恭子 | 106000 | 1位 | -21600 | − |
清澄 | 宮永咲 | 105100 | 2位 | +5500 | − | ||
宮守女子 | 姉帯豊音 | 97800 | 3位▲ | +12100 | − | ||
永水女子 | 石戸霞 | 91100 | 4位▼ | +4000 | − | ||
後半 | 清澄 | 宮永咲 | 109700 | 1位▲ | +4600 | +10100 | |
姫松 | 末原恭子 | 101700 | 2位▼ | -4300 | -25900 | ||
永水女子 | 石戸霞 | 101200 | 3位▲ | +10100 | +14100 | ||
宮守女子 | 姉帯豊音 | 87400 | 4位▼ | -10400 | +1700 |
前回咲が行った、大明槓から嶺上牌ツモ切りという行動の趣意。和了るためでもなく、手を進めるためでもなく、かと言って
ツモをズラしたり、末原先輩の手に槓ドラを乗せたりというのは、咲の目的に到達するための手段でしかありませんでした。
そこまでして咲がやろうとしたことは、プラスマイナスゼロ ―― 単なる点数調整だったという真実。
二回戦を見ていて、咲は力をセーブしているというか、本気で打っていないんじゃないかと思うことがありましたが、これは
実際に半荘を通して本気で打っていたとは言い難い結果に見えるかもしれません。咲の点数調整に、最初に自分で設定
した点数以上は稼ぐことが出来ない、というような制限があるならまた別の話ですが。
それに咲は、点数をプラマイゼロにするという、一見すると勝利とは何の関係も無いように思える点数調整をするためだけに、
他家の和了点数にも介入していることになります。南三局の和了りはもちろん末原先輩の実力ですが、倍満になったのは
咲が点数調整の一環でカンしたからですし、結果論として槓ドラが乗らなければ、2位抜けは永水女子になっていた筈です。
準決勝進出を懸けて必死に戦っている他家からしてみれば、咲の気まぐれに見える行動で、順位が変動する可能性がある
…というのは、自分達の想いを踏みにじられるように感じても、おかしくないんじゃないかという気がして来ます。末原先輩が
真実を知って涙を浮かべたのも、結局自分は咲の手のひらで踊らされていただけだと感じて、悔しかったからでしょうし。
アニメだけで描写された地区大会の個人戦で、咲は団体戦で全国出場という自分の目的を果たしたことで、個人戦で戦う
意義を見つけることが出来ず、3年生の部長に花を持たせるために、4戦連続プラマイゼロで流すということをやってました。
今回の末原先輩の言葉を聞くと、原作の個人戦でもあの手抜きはやっていたようですが、アニメと同じ内容で原作も進んで
いるのなら、咲は和と 『もう決して手加減しない』 という約束をしていることになります。だとすると、今回プラマイゼロにして
終わらせたのは、咲が全力で戦った結果…ということになるんでしょうか。
前半から本気を出せば、もっと圧倒的な差をつけて勝てそうな気がするんですけど、プラマイゼロで終わらせるようにしないと、
この相手に勝てないという理由があったのか。それが明らかにならない限り、咲の真意は理解出来そうもありません。
大将戦の経過を表にしてみましたが、全チーム1位〜4位まで全ての順位を経験しているという、稀にみる大混戦となりました。
そして後半戦は見ての通り、半荘全てがツモ和了りという一種異様な結果になっています。
一時はトップに立ったものの、霞と咲の麻雀に対応出来ず、副将戦から順位を上げられなかった、宮守女子の姉帯豊音。
豊音の特性が 「六曜」 ならば、試合で見せた以外にもいくつかあったと思いますが、それらが見られなかったのは残念です。
和了6回、放銃1回と守りが堅いように思えますが、これは大将戦の4人全員に言えることで、ほとんどツモ和了りによる点の
奪い合いになっていました。和了は 「先負」 と 「友引」 によるもので、和了の平均点は5000点台でしたが、それでも前後半の
収支の合計は1700点と高くはありません。放銃しなくても、ツモで点数を削られる場なので、もう少し攻撃力が欲しかったかな。
宮守女子全体としては、先鋒のシロはトップでしたし、ハッちゃんを抑えた塞と、咲や霞が相手だった豊音は仕方ない部分が
あると思うので、エイスリンと胡桃がもう少し頑張れれば違った結果になったかも、という感じでしょうか。
シード校の力を見せつけることが出来ず、3位敗退となった永水女子の石戸霞。但し、霞個人としては大将戦のトップです。
和了3回、放銃0回で、『守りは得意』 の言葉通り、途中から “攻撃モード” に入っても放銃は一度もなしという結果。そして、
姫様の形代として宿した力によって、和了平均点は11000点台とさすがに高め。
しかし、後半戦はほとんど霞が支配していた筈なのに、その中で二回しか和了ることが出来なかったことが、想定外の結果
として表れてしまったかなと思います。これは、霞の絶一門は副露でツモをズラせば、一時的に崩れるようなものらしいですし、
王牌や山の深いところまで支配が届かないことも含めて、カンと嶺上牌を使う咲との相性は最悪だったのではないかと。
永水女子としては、マイナスが巴とはるるだけだったので、そこは想定内だと思いますが、やはり姫様とハッちゃんで大きく
稼ぐことが出来なかったのが誤算でしょうか。本来の 「勝ちパターン」 を崩して、霞が 『苦手分野』 である攻撃に出ざるを
得ない状況になってしまったことを考えると、臼沢塞の働きが最後になって効いてきた、と言えるかもしれません。
大将戦唯一の 「凡人」 かつ、一人負けという状況ながら、怪物二人を尻目に2位で通過したのは、姫松の末原恭子。
和了5回、放銃5回と一人だけ放銃率が2割を超えてますが、結果的に放銃したのは豊音の 「先負」 と、咲に大明槓
されての責任払いだけなので、やはり守りも堅いと言えるのではないかと。和了平均点も6000点台と悪くないです。
ただ、豊音の性質を確かめるために4回も放銃したのは、勝ち上がったから笑い話で済ませられますが、これで敗退してたら
完全な過失扱いにされたでしょうね…。どうやら郁乃カントクによって、何らかの策か力が与えられそうな流れですが、さすがに
「凡人」 が短期間でオカルト能力を得るとは思えませんし、 『咲より強くなる』 ために何があるのか…興味深くなって来ました。
姫松は、やはり絶対的エースの力が大きいです。それに由子や絹も地味に頑張ってましたし、末原先輩も試合中にイメージを
修正して対応出来るようなので、全国五指に入る名門校の底力は見せたかなと。あとはスズの爆発待ちですか(笑)。
そして、王の力 (王牌) を用いて、2戦連続プラマイゼロという離れ業をやりつつ、1位通過を決めた真の怪物、清澄の宮永咲。
和了6回、放銃1回は豊音と同じで、和了平均点も5000点台とほぼ変わらず。放銃は末原先輩に対してですが、県予選から
通して咲が不用意に振り込むということはほとんど無かったので、ちょっとだけ驚いたりもしました。
最後の和了りも嶺上開花なら、6回中5回が嶺上ということになりますが、これだけ偏重しててもトシさんや末原先輩が止める
手段を見つけられないのですから、やりたい放題にもなるでしょうね。今までカンはするけど槓ドラは乗せられないと思って
いましたが、もしかしたらそんなに点数が必要ないだけで、乗せようと思えば出来るんじゃないか…という気もして来ました。
清澄は、部長が中堅戦最下位になったのが想定外だったとは思いますが、それ以外のマイナスはタコスの-100点だけという
安定した強さ。県予選決勝ではやらかしてしまったまこが、次鋒戦トップいう結果で汚名を返上して見せたのも大きそうです。
これで、4つの内3つのブロックの準決勝進出校が決定。でも、さすがにまだ一度も麻雀描写がされていない臨海女子が、
二回戦で敗退するとも思えませんので、Bブロックの準決勝は清澄、姫松、臨海女子までは決まりと見て良いでしょうか。
残る1校は八桝か有珠山かと思いますが、ベスト16に残ったという初出場2校のうち1校についてはまだ触れられていないので、
この2校のどちらかが初出場なんじゃないかと思います。もし京都の八桝が勝ち上がれば、ベスト8の半分が関西勢となります。
個人的には北海道から来て欲しいところですが、有珠山という名前からして、あまり上がって来そうにないかなぁ…?
白糸台は阿知賀編に登場して来たことで、宮永照の麻雀も徐々に見えてきましたが、臨海女子はここまで一度も麻雀
シーンを見せていないどころか、会話シーンすら 「冷たい透華」 の時に、辻垣内とダヴァンが出てきただけですからねぇ。
ネリー・ヴィルサラーゼ、郝慧宇、雀明華らがどんなキャラなのか早く見てみたいところですが、臨海女子も現在二回戦の
試合中なので、早ければ次回にも見れる可能性があるかもしれませんね。
二回戦にかけた実時間は、約30局分で1年10ヶ月くらいでした。ただ、かなり休載も多くなってきてのことですので、
それが無ければ1年半くらいで終わらせられた可能性もあります。準決勝も同じくらいの時間がかかると仮定すれば、
準決勝終了は2013年末くらい。決勝はさらに時間をかけるでしょうから、2015年中に終われば御の字かな、と(笑)。
―― 第99局 「真実」 (了)
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