TABOO TATTOO 【タブー・タトゥー】 第4巻 真じろう



真じろう氏著のSFバトルアクション、「TABOO TATTOO」 の第4巻。
掲載誌は 「月刊コミックアライブ」。


【収録話】

#15 : 「遺跡」#17 : 「絆」#19 : 「大望」
#16 : 「再会」#18 : 「嵐」#20 : 「XX番外篇」



かなりペースアップして来た上に、情報が煩雑で整理されていないので、少し混乱して来ました。


まずはBB関連。元U.S.Armyの少佐で、イジーの元カレ。呪紋と遺跡の真の関係を掴んだことで、米軍を抜けて王国に亡命
…したようですが、BBが亡命した時点ではまだアリヤがクーデターを起こす前でしょうし、事前にクーデターの情報を掴んで、
アリヤの真意を探るべく敵地である王国に亡命して、ブラフマンになった…という感じでしょうか。


『オレは死なないさ。そのためにあのガキがいる』 という台詞からすると、何か企んでいるようにも見えますし、
BBについてはまだまだ謎が多いです。



米軍側は、遺跡の真実を知っているのが、BBから聞かされたイジーだけのようなので、いまだに呪紋の独占目的で動いてる
ってことでいいのかなぁ。目的からしても小物臭が漂ってますが、印者の実力的にも烏合の衆というか何と言うか…。


まぁカルが強すぎるだけにしても、イジーですら相手になってないですし、わざわざ乗り込んできた大佐も返り討ちですし、
陸軍にこれ以上の印者って居るんでしょうかね…?居なかったら、このままBBに倒してもらうしか他に手が無いのでは。
「主だったメンバー」 のうち、バーンズとリサは何をやってるんでしょう。



しかし、セーギは "正義" のためにイジーに協力してる筈ですけど、大佐の思惑も考えずにイジーに世話になってるという
理由だけで、米軍の作戦に参加してるというなら、ちょっと正義感が安すぎる気がします。アリヤと米軍の目的を比べれば、
より危険なのはアリヤの方なんでしょうけど、だからと言って米軍に "正義" があるようには思えませんからねぇ。


セーギは…バトルものでここまでまともな勝利が少ない主人公ってのも珍しいですね。今持ってる力も超古代文明からの
いわば "借り物" なので、「理法喰らい」 を使って勝ったところで、それはセーギの力じゃないような気がしますし。
カルとの間にある圧倒的な実力差が埋まるほどの時間があるとも思えないし、現時点では活躍する場が想像出来ないです。



カルに関しては、まぁラーカーと接戦だったイジーを一蹴してるくらいですから、ブラフマンの中でも別格の強さなんでしょう。
副隊長でこれだから、隊長のアジタはもっと強いのか、それとも実戦ではなく参謀役として優れてるということなのか。


しかし雑魚は容赦なく一刀両断にしたのに、大佐をすぐに殺さなかったことに意味はあるんでしょうか。
武士というくらいですから、加虐趣味があるとも思えないし、後々障害になりそうな相手こそ、殺せる時に殺しそうですけど。



そして、呪紋は "ただのパーツ" で、それを利用して "世界を書き換えるための中枢機構" が遺跡…ってことらしいですが。
つまり、遺跡と呪紋ってのは元から 「世界を書き換える」 なんて目的のために存在してるということ?それならそれで、
「無鍵の呪紋」 以外の呪紋が存在する必要はあるんだろうか。物語の核なんだから、もう少し説明が欲しいところですね。


今巻では、アリヤがイルの呪紋の回路を一時的に制御下に置くとか、力の流出を止めておくとかして、イルが 「完全同化体」
とやらになってますけど、起源体との同化は死と同じということではないのか…。アリヤの制御下に置かれて起源体の支配
が可能になってるから、一時的に同化体になっても大丈夫ってことなのかなぁ。この辺も唐突でちょっとよくわかりません。



アリヤの目的は 「世界の改竄」。セーギの "正義" を、『幼稚で漠然とした倫理観を大仰にも正義と掲げ上げる』 と
揶揄してますが、アリヤの望みも整然と語られてるわけでもないので、どうも言葉が薄っぺらく感じてしまいます。


「世界を書き換えた」 結果どうなるかも説明されてませんし、そもそも、何故 「より良い人の世」 なんてものを作りたいと
思ったのか、そのために 「世界を書き換えて」 どうしたいのか、そこをまず明確にしないのでは、アリヤも 「夢見がちな中坊」
の域を脱することは、永遠に無い気がするんですけど。


現在、日本に主要なメンバーがほぼ揃ってるので、かなりクライマックスに近づいてるっぽい気もしますが、「遺跡」 が
あとひとつあるということなので、最終決戦はそちらでしょうね。現在の戦いが 「ソロモン攻略戦」 だとしたら、第三遺跡の
グランドキャニオンは、「ア・バオア・クー」 ってところでしょうか。


しかし相変わらず人物の作画が不安定に感じます。たまに名前が出ないと、誰なのかわからないことがあったり…。
というか、髪型ひとつ変わっただけで判別不能になります。まぁ、自分に見る目が無いだけなんでしょうけど。



―― TABOO TATTOO 第4巻 (了)




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