しなこいっ 第3巻 黒神遊夜/神崎かるな



原作:黒神遊夜氏、作画:神崎かるな氏の新感覚剣道活劇 「しなこいっ」 第3巻です。
掲載誌は 「月刊コミックラッシュ」 。


【収録話】

十五本目 : 「リミットカット」十九本目 : 「両上段十時の構え」
十六本目 : 「短剣道×短剣道」二十本目 : 「負けられないふたり」
十七本目 : 「噛み合い過ぎる!」二十一本目 : 「限界突破!」
十八本目 : 「私…経済的な忍者ですので…」



本格的に番号持ち同士のバトルが開始。遠山桜(仮六番) vs 佐東鯨(九番)、榊龍之介(四番) vs 藤林祥乃(七番)、
猪口安吾(十一番) vs 面木乱歩(十番)の三組。短剣道同士、足技同士、力技同士と、全て同タイプの対決となりました。


どうやらこの組み合わせの対決となったのは、虎春の意向が汲まれているようですが、今巻でも、「番号持ち」 についての
情報は何も明かされてないので、虎春の意図するところは不明です。祥乃が言うように同じタイプの番号持ちは二人も
必要ないので、負けた方を間引くのが目的ってことでしょうか。まぁ、祥乃と龍之介の二人は手放すとも思えませんけど。


虎春自身は乱歩の持つ特性に関する解説役といった感じで、バトルでの出番はまだまだ先みたいですね。



安吾 vs 乱歩は一撃必殺の剛剣対決。極限まで鍛え上げた肉体を駆使する安吾と、「リミットカット」 することで、限界を
超えた力を発揮出来る乱歩。二刀を使う乱歩は、宮本武蔵の兵法である 「二天一流」 を基盤としているようですが、
剣術自体は荒削りでどちらかというと 「リミットカット」 と 「痛覚麻痺」 による文字通り力技に頼った戦い方になってます。


龍之介 vs 祥乃は、高速の足技による死角からの攻撃を基本として、トラップを仕掛ける祥乃と、回避する龍之介という構図。
祥乃はクナイを使っているように忍者だったようで、正面からの戦いよりも策略を巡らせて相手を陥れるような戦法に秀でて
いるようです。龍之介は怪我の影響と祥乃のテリトリーでの戦いとあって、今回は専守防衛的な戦いを強いられてます。



桜 vs 鯨は、「跳ね馬」 と 「無拍子」 からの剣術と体術、そして返し技の応酬といった戦い。鯨の戦い方は、合気道の剣術
「合気剣」 で、使用武器は特殊警棒。「無拍子」 とは 「膝落」 と呼ばれる後足の膝の 「抜き」 から生じる運歩法(足運び)。
この足運びから繰り出される突きが、鯨の得意技となっているようです。


桜が 「噛み合いすぎる」 と言うように、お互いの手の内が読めすぎてしまうが故にジリ貧となるところを、桜が勝負勘と
思い切りの良さで強引に局面の打開を図り、鯨が驚きながらも余裕を残して受けている状況でしょうか。



3巻はバトル中心の展開ってことで、ギャグは少なめになってますが、この辺はメリハリが利いてて良いと思います。
結構剣道部分が(素人目には)本格的に描かれてるので、ここをギャグ交じりでやられると萎える気がするので。


現在進行中のバトルは三者三様で見応えがありますが、戦法ではやっぱり相手の返しまで見越して一手二手と先を
読んで仕掛ける、桜のスタイルが面白くて好きです。今のところメインキャラでは北河和巳の出番がありませんけど、
誰と戦うことになるんでしょうか。番号持ちでは三番と八番が静観中ですが、この二人のどちらかになるのかな…?


十九本目(19話)から三本連続で、扉絵が実在っぽい風景+キャラクターという、「咲-Saki-」 みたいな構図になってます。
この扉絵の場所にもロケ地があるなら、行ってみたいですね。舞台から考えると、尾張にあるってことかなぁ。



―― しなこいっ 第3巻 (了)




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