「Angel Beats!」 第9話はネタばらし回と言っていいんでしょうか。まずは続きがあった音無の記憶について。
そして見えなかったカナデの本心については、公式サイトの 「ストーリー&テーマ」 の言葉そのまんまだったようです。
『どうか、彼らが、彼らの物語を終えられますように。手を振って、見送れますように。よかったね、と』
まず、第7話で思い出した記憶の中で死んだと思っていたら、さらに続きがあった音無。
今回初めて登場人物が息を引き取った瞬間が描かれたことで、「死後の世界」 であることは確定したのかなと思います。
まさかこのあと音無が奇跡的に生還してたなんて展開は無いと思うので、これは間違いないでしょう。
そして今まで曖昧にされて来た、音無たちがこの世界に来た理由について。
カナデ 『だって、ここに来るのはみんな青春時代をまともに過ごせなかった人たちだもの』
音無 『そうか、ここは若者たちの魂の救済場所だったんだ』
とりあえず青春時代をまともに過ごせなかった人間が来る世界というのが正解らしく、そういう連中が青春を謳歌する
ために用意された 「魂の救済場所」 がこの世界、ということのようです。
五十嵐 『あれだけ絶望してた連中がみんな誰かに希望を託そうとしてる。お前がみんなの人生を救ったんだぜ、音無』
音無 『俺の体は、誰かを助けてあげられた筈だ。そう信じる』
カナデ 『きっとその誰かは、見知らぬあなたにありがとうって一生思い続けるわね』
ただ、明らかになった音無の過去を聞くと、最後に 「誰かを助けてあげられた筈だ」 と信じられる自分の人生にそれなりに
満足していたようなので、必ずしも 「理不尽を与えた神に抗いたい」 と思う人間だけが集まっている訳ではないのかなと。
実際、音無は全ての記憶を取り戻しても、自分の人生を 「理不尽だった」 とは感じていないようですし。
「神」 が居るかどうかはまだ不明ですが、結局直井が言った 「ここが神を選ぶ世界」 というのは単なる妄言で終了?
直井は何の確証も無しにあれだけの事件を起こしてたってことで済ませちゃうんでしょうかね…。
しかも生徒会長代理を解任されてもいなかったようなので、あの事件は反抗勢力(SSS)を粛清する 「正義の行い」 とでも
扱われてるってことなのかなぁ。それで事件後にSSSのメンバーとつるんでたら明らかにおかしいと思うんだけど…。
カナデ 『結弦、ならもう思い残すことは無い?』
音無 『そうだな。誰かを助けられたなら、俺の人生はそう悪いものじゃなかった。そう思えるよ』
音無 『…もしかして、俺は消えるのか?』
カナデ 『思い残すことが無ければ』
自分の人生に納得して 「消える」 かどうかは、ある程度自分の意志で決めることが出来そうな感じです。
そうすると、満足したように見えた直井が消えなかったのも、カナデがこの世界に留まっているのも、一応納得出来ます。
そして 「消える」 条件も結局のところ 「思い残すことが無くなった」 というひとつだけで、模範的に学校生活を送って
消えた人間も、「楽しい学校生活」 に満足してしまったことで 「成仏」 したようです。
それをゆり達が 「天使に消された」 と曲解したことで、話をややこしくしてただけみたいですね。
ゆり 『果たして…神は誰に味方するのか』
今までゆりはこの世界の仕組みについて多少詳しそうに見せてきましたが、結局は全てゆりの推論に過ぎなかったって
ことになるのかなぁ…?NPCと人間の区別もつかないし、「消える」 条件も正確には知らないし、この学校の存在理由も、
「Angel Player」 についても、本当は何も知らないけど自分の推論だけを元にして行動して来たのかなと。
狂言回しとして世界設定を説明しているように見せて、実は真相を隠すために全部ミスリードしてたってことなのか。
もしかしたらそう思わせること自体が既にミスリードかもしれませんけど。
音無 『あいつらも俺みたいな報われた気持ちになってさ、みんなでこの世界から去れればいいなって』
カナデ 『でしょ』
音無 『は…?お前はもしかして、この気持ちをみんなに知って欲しかったのか?』
カナデ 『知らなかった?』
カナデがゆり達を消そうとしていた、 というのはある意味間違ってはいなかったようで。
ただ、このまま消えたら 「報われない」 と思っているゆり達と、気持ちが 「報われて」 消えて欲しいと思っている
カナデとの間にある決定的な解釈の違いが、事態を硬化させてしまっていたと。
とりあえずカナデがどうして他人のためにそこまでしているのかは、核心部分になるだろうから置いておくとして、
どうやってこの世界の仕組みを理解したかについては 「見てて気づかなかった?」 と言うとおりなんでしょうね。
見てて気づかないゆり達は、 「神に抗いたい」 と思う気持ちがこの世界を色眼鏡で見させてしまったってことなのかなと。
そしてカナデは誰かの指示で動いているわけではなく、自分で世界の仕組みを理解した上で行動していそうに思えます。
そうなると気になるのは 「Angel Player」 を誰が作ったか、ですね。
前回スキルに 「howling」 が追加されていたのを見ても、今でもスキル開発が続いているのは間違いないはずだし、
スキルを開発するソフトがカナデのマシンにインストールされてるなら、開発もあの部屋で行われてると考えるのが妥当。
カナデが作ったんだとしたら、「物を生み出すためには、構成する仕組みと作り出す方法を知っていることが必要」 とした
ゆりの理論が間違っていたか、そもそもカナデが人間では無いのか、そのどちらかでしょう。
他の誰かが作ったんだとしたら、どうしてそれをカナデが使ってるのか。カナデは作成者を知っているのか。
「魂の救済場所」 なんてものが用意されてるくらいだから、「神」 が登場して来ても不思議ではない状況だと思いますが、
だとしたら 「神」 は既に登場している人物のうちの誰か?
音無 『わかったよカナデ。卒業させよう、ここから、みんなを』
音無 『全てが終わったら……。終わったら、その時俺たちはどうなるんだろう』
さすがにここまで来てカナデの言ってることも間違いでしたとは言わないと思うので、あとは音無の言うとおりにSSSの
メンバーを 「卒業」 させて行くだけになるんでしょうか。
しかし、「absorb」 によって分身の意識まで吸収してしまうという仕様は一見意味が無さそうに見えましたが、
これによってカナデが 「攻撃的な意識に飲みこまれた」 として、今後もSSSの 「敵」 として存在出来ることになりました。
これが無ければカナデはSSSの仲間として戻るしかない筈なので、音無の考えた作戦も不可能だったでしょう。
「Angel Player」 の作成者は、この結果まで予見して 「absorb」 を作っていたんでしょうか。
そして古い 「敵」 が居なくなるタイミングに合わせて、次々に新しい 「敵」 が現れるのは果たして偶然なのか。
ここから数話を 「理不尽告白」 と 「成仏」 だけで進行するとも思えないので、もう一波乱くらいありそうですが…。
―― EPISODE.09 「In Your Memory」 (了)
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