咲-Saki- 第84局 「開門」 



悪石の巫女・薄墨初美が動く時、艮 (うしとら) の鬼門は開かれ、坤 (ひつじさる) の人門へと凶鬼は集う。
吹き荒れし嵐を鎮め、鬼門を塞ぐ者 ―― 『見つめた相手の手を塞ぐ』、宮守女子副将・臼沢塞。




トシさんの解説によると、北家におけるハッちゃんの特性は、鬼門な牌 を鬼門 (東家と北家の間) に置くことで、
手牌の中に次々と が入ってくる、ということのようで。


これが、鹿児島県予選決勝で大沼プロが言っていた、『残りの手牌が裏鬼門』 というヤツですね。


この形で和了るとなると、ハッちゃんは毎回北家では四喜和を和了る可能性が高い…ということになるんでしょう。
県予選でも役満で相手をトバしてましたし、そりゃあ鹿児島県予選の地区大会記録を、大きく塗り変えるのも当然かな、と。



そのハッちゃんの 「ウラキモン」 という手を “ 塞いだ ” のは、1回戦で去年の個人戦6位、「ニライカナイ」 の銘苅を
完封したという、宮守女子の臼沢塞。塞が持つ特性は、マークした相手の手を塞いで、和了ることが出来ないように
してしまう…というもののようで、銘苅だけでなく県予選で対戦した相手も、一度も和了らせなかったと言われてます。


「ニライカナイ」 というのは、沖縄や奄美群島に伝わる異界の伝承。海の彼方に存在するとされる、神々の住まう理想郷。


銘苅が 『ニライカナイの……』 何なのかはわかりませんが、永水女子と同じように巫女的な存在であるならば、"九面" を
降ろす姫様と同じように、ニライカナイの神を降ろすシャーマン的な性質を持っているのかもしれません。


ニライカナイを信仰する琉球神道では、神に仕えるのは女性とされており、霊力を持つ女性 (神官・巫女) は、 "ノロ" や
"ユタ" と呼ばれ、神々と交信する役目、または神をその身に憑依させて、神そのものになる存在とされているようですし。



ハッちゃんの 『私が北家で和了れないなんて…ないない!』 という言葉通り、「北家では必ず和了れる」 という確信と、
塞が確実に 「ウラキモン」 を止められるかがわからないという状況であれば、親への振り込みによる北家継続という
真っ当に考えればとんでもない手を使うのも、ハッちゃん側から見て決して悪手では無いとも言えそうです。


たとえ今回親の絹に11900点振り込んでも、次に四喜和を32600点で和了れる "ならば" 20700点の大幅プラスになります。
ただ、巴からは銘苅が半荘2回で一度も和了れてないという情報は得ていたので、この場面でいえばかなり危険…というか
無謀な作戦でしょうね。


そういえば、インハイは1回戦から半荘2回だったんでしょうか。



そんな東四局も、絹のノーテン作戦 (違) によって、ハッちゃんは一回目の北家をマイナスで終えてしまいました。


2本場 (?) も流局まで行ったということは、意外ですけど塞はハッちゃんの手も完璧に “塞げる” ってことらしいですが、
防御はともかく攻撃力を持っているのかはまだ謎です。永水のはるるもそんな感じでしたが、相手に和了らせないことが
第一で、自分が和了ることは二の次って考えなんでしょうか。


点差をこれ以上広げないようにして、あとは "怪物" である大将・姉帯豊音に託す…という作戦かもしれませんね。



―― 第84局 「開門」 (了)




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