脚本:長谷見沙貴氏、漫画:矢吹健太朗氏の学園ラブコメディ 「To LOVEる ダークネス」 の第4巻です。
掲載誌は 「ジャンプスクエア」 。
【収録話】
第13話 : 「Adhesion〜離れない?離さない?〜」 | 第16話 : 「The right thing〜生き方って何?〜」 |
第14話 : 「Past〜明日につながる記憶〜」 | 番外編 : 「Body touch?〜ニャンダフルライフ〜」 |
第15話 : 「Refrain〜ぬくもり〜」 | 番外編 : 「Room〜乙女の想い〜」 |
4巻は、今まで隠されていたヤミの過去が解き明かされ、ヤミが過去の自分を受け入れた上で、今の 「金色の闇」 として
生きていることを実感させる内容になっています。ほぼ全編ヤミが主人公です。
3巻で御門から名前が出た 「ティアーユ・ルナティーク」。10代で既に宇宙生物工学の分野で並ぶ者がなかった天才科学者。
実は彼女こそヤミにとっての 「生みの親」であり、「姉」 であり、 「友達」 のような存在であったようです。
ティアーユが "変身能力" などというものを持つ人工生命体を、どんな目的で使うと考えて 「機関」 の研究に協力したのかは
わかりませんが、ヤミを "人間" として扱うティアーユは、機関にとって邪魔な存在となり、遂には追放されてしまいました。
それまでは、ティアーユという "光" によって照らされることで、人間としての感情も育んで来たヤミ(イヴ)でしたが、
"光" を失い、"闇" に閉ざされてしまったことで、感情を失い、生体兵器 「金色の闇」 として生きるしか道を持たなかった。
それが、リトやララたちに出会うまでの 「金色の闇」 であり、地球で二人に出会ったことで、再び "光" を取り戻す事が出来た。
つまり、ララ (とヤミは認めたくないでしょうけど、リト) は、ヤミにとって "光" と言える存在だったのではないかと。
だからこそ、"闇" に覆われていた自分が地球に来て変われたように、今は "闇" に覆われているメアの心も、"光" に
照らされることによって、変わることが出来るかもしれない。人と関わることを苦手としていたヤミが、同じ道を歩いてきた
者として、そして 「姉」 としてメアを "光" に導こうとするのは、そんな想いがあってのことなのかなと。
そして、ずっと不遇な人生を託って来たヤミのために、本気で怒りを見せるリトは、普段 "ラッキースケベ" だけが目立っていて、
本人には何の取り得も無いモテない少年のように思われがちですけど、実際は顔も悪く無いし、他人のために体を張れる
度胸と優しさがあるし、美柑を助けてくれた凛に対してわざわざ礼を言いに行くような、礼儀もわきまえてる。
春菜やララや唯や…まぁその他数多が(笑)、リトに惹かれるのもそれがあるからでしょうし、実はラッキースケベが無ければ
もっと女の子にモテるんじゃないかと思ったり思わなかったり。
メアに 「マスター」 と呼ばれるネメシスも、ヤミやメアとは別の "変身兵器開発計画" から生まれた "変身<トランス>兵器"。
昔のヤミと同じように、"人間" では無く "兵器" として生き、何も持たなかったメアを、自分と同じ "光の無い道" に導いた。
ネメシスからこの世の全てを教わって来たメアにとって、ネメシスの言葉が絶対であるというのはある意味当然のことなのかも
しれません。だって、他の道はネメシスに提示されなかったから。他に選択肢があることすら知らなかったのだから。
それでも、ヤミという "家族" を知り、自分と同じ "兵器" である筈のヤミが、自分とは違う "人間" として生活していることを
知り、ナナに出会うことで、"友達" を知り、そして人間の "心" を知り始めた。だけど、"心" なんてそんな簡単に変えられる
ものじゃないことも理解はしていて、だからこそヤミの "心" がどうして変わったのかが、不思議で仕方ないんでしょう。
メアの心を変えたいヤミと、ヤミの心が変わった理由を知りたいメア。二人の目的は実は近い部分で一致してるんだと思います。
そして、当初はメアを 「ハーレム計画」 の障害くらいに考えていたであろうモモの心も、また変わってきたように見えます。
メアと 『心からのお友達になりたい』 という言葉に嘘は無いでしょうし、モモの心を変えたのもまたリトたちなのかなと。
こうして見ると、物語的には結構中盤〜終盤に差し掛かってるように見えなくもないですけど、今後どうなっていくんでしょう。
今回は、「ハーレム計画」 に動きは無く、「ダークネス計画」 側のストーリーが続いていたように、エロとシリアスを交互に
進めていくのだとすると、次回は 「ハーレム計画」 の番としてモモが暗躍していくのかもしれませんね。
今回は番外編に春菜の話が入りましたが、相変わらずララや春菜の出番は少ないです。意外なところでお静が念力を使って
メアに対抗するバトル要員として、活躍し始めています。…まぁ役に立ってるか立ってないかは別にして(笑)。
個人的に、唯の出番が少なかったのが残念でしたが、よく考えると今の 「ToLOVEる-とらぶる-ダークネス」 で、一番まともに
ラブコメ (恋愛) しちゃってるのが唯なので、「ダークネス計画」 のストーリーには絡ませづらいかもしれません。
まぁ唯に限らず、「ダークネス計画」 ではストーリー上、使えるキャラが一部に限られるのかもしれないですねぇ。
―― ToLOVEる-とらぶる- ダークネス 第4巻 (了)
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