戦極姫3 〜天下を切り裂く光と影〜 【 PS3 】



Playstation3で発売された、戦略シミュレーションゲーム 「戦極姫3 〜天下を切り裂く光と影〜」 です。
過去にこのシリーズのプレイ経験はありません。発売元はシステムソフト・アルファー。


元はげーせん18が発売したアダルトゲームのようですが、2012年3月にPSPに移植され、同年12月にPS3、2013年には
PS Vitaに移植されるようです。これは、PS3版の感想になりますが、他機種版を持ってないため、比較などは出来ません。


とりあえず毛利と上杉の2回クリアした時点での感想となるので、よく理解せずに書いている部分があるかもしれません。
あまり攻略などに役立つ情報はありませんし、多少ネタバレになる部分があると思いますので、ご注意下さい。




舞台は戦国時代。プレイヤーは選択した勢力の軍師・天城颯馬となって、天下統一を目指していくシミュレーションゲームです。
登場人物の性別が史実と入れ替わっているのは、他の戦国物アニメやゲームでも、よく見られるケースですね。


【 ゲームモード 】


シミュレーションの合間に、特定の大名家のストーリーが展開していく 「シナリオモード」 と、シミュレーションパートのみを
好きな勢力の中から選んでプレイ出来る 「群雄モード」 があります。またPS3版には、史実に沿ったストーリーで複数勢力
が絡んだシナリオを見る事が出来る 「外伝モード」 も用意されています。


「シナリオモード」 で選択出来る大名家は全部で10。足利、伊達、上杉、武田、織田、三好、毛利、大友、龍造寺、島津。
1回のプレイ時間を考えれば、これを全部見るだけでもかなりのボリュームになると思います。


「群雄モード」 では全国60の勢力の中から、好きな勢力を選択して天下統一を目指します。このモードには主人公の軍師が
存在せず、合間のアドベンチャーパートが無いので、純粋にシミュレーションパートのみをプレイすることになります。


難易度は 「普通」 と 「易しい」 が選択出来て、開始時の所持金とアイテム数が違うようです。アイテムはともかく、資金が
少ないと序盤は思うようにやりたいことが出来ずに苦労しますが、難易度によって敵の戦略が賢くなったりということは特に
無さそうですので、時間をかけて資金の問題さえクリアしてしまえば、それ以外の部分はそれほど難しく感じませんでした。



【 ゲームシステム 】


基本的にターン制で、5つのフェイズを繰り返すことで進行して行きます。


フェイズは、「更新フェイズ」、「軍備フェイズ」、「政略フェイズ」、「作戦フェイズ」、「合戦フェイズ」 の5つ。
行動はCP (コマンドポイント) を消費して行ない、これが尽きるとそのターンでの行動は出来なくなります。


全ての勢力が、ターン毎に独自に思考して行動しているようなので、必ずしも決まった展開にはならないという自由度の高さは
ありますが、その分対戦相手が決まっていないために、敵武将とのやり取りや、勢力ごとの強制イベントなどが発生しないので、
ドラマチックな展開や天下統一に近づいていく上での盛り上がりには、少し欠けているきらいはあります。


【 登場人物 】


登場する武将キャラクターは117名。女性キャラは各勢力ごとにデザイナーが違っているため、絵柄にはバラつきがあります。
男性キャラはほぼ京作氏/黒田んぼ氏の二人が、デザインを担当しているようです。以下は女性キャラの主なデザイナーです。


【 伊達家、織田家 】 :雪月竹馬、【 武田家 】 :井藤ななみ、【 上杉家 】 :雛咲、【 毛利家 】 :神吉、【 大友家 】 :秋野すばる
【 島津家 】 :N島、【 龍造寺家 】 :屑、【 三好家 】 :碧野グンジョウ/ごばん、【 足利家 】 :ぽ〜しょん/碧野グンジョウ など


個人的に好きなデザインは、北条氏康、織田信行、高橋紹運、円城寺胤、松永久秀、江姫、陶隆房あたりですが、戦国物の
ゲームとしては、か弱い感じやほんわかしたキャラや幼女系などはあまりイメージに合わないので、凛々しい感じのデザインの
方がしっくり来ます。あとは、裸同然の痴女みたいな衣装も、「武将」 として見るとちょっと違うかなと。


まぁ、これは元々がエロゲということで、仕方ない部分もありますし、重要武将はかなりの確率で女性化されてますが、もう少し
無骨な男性武将とかも居た方が、全体的にはバランスが取れて良い気がします。考え方としてはマイノリティでしょうけど。



【 ボイス 】


プレイしている範囲では、見た目のイメージとかけ離れてるキャラは居ませんでしたが、やはり戦国武将ということで、やたら
のんびりした喋り方や、幼い喋り方、変に狙った喋り方をしてキャラ付けさせるよりは、普通に喋ってくれた方がいいかな、と。
それと、気合の入った掛け声や叫び声があったりしますが、この辺はかなり演者によって上手い下手が出てしまいますね。


また、演技とは別のところですが、「与さない」 ⇒ 「よさない」 と誤読したりというのは、興が醒めるので注意して欲しいです。


【 クリア条件 】


ゲームクリア条件は、山城国 (現在の京都府南部) を支配していることと、所属大名家の総石高が1400万石以上であること。
「シナリオモード」 では、所属大名家のイベントが十分進行していることも必要で、「群雄モード」 では、総石高の条件に若干の
違いがあるようです。条件を満たした段階で、ゲームを終わらせるかどうかの選択肢が出てきます (そのまま続ける事も可能)。


ただ、ゲームクリアといえば一番達成感が得られる瞬間の筈なのに、メッセージで 「天下統一を宣言しますか? 決定/中止」
と聞かれて “決定” を選べばゲームクリアというのは、少し味気ないです。システムの所でも書きましたが、シミュレーション
部分が面白いだけに、イベント的な盛り上がりが今ひとつなのは勿体無いですね。


ゲームオーバーは、999ターン経過しても天下統一出来なかった場合と、ストーリー上必要なキャラが死亡した場合です。
1回目のプレイでは120ターンほどでクリアしていますので、余程のことが無い限り999ターンを超えることは無いと思いますが。



【 チュートリアル 】


キャラクターによる解説を見るだけで、実際に操作しながらというやり方ではないので、これだけで全部覚えるのは困難かと。
とりあえず、ここではゲームの流れだけ掴んで、後は実際にプレイしながら、説明書を見て進めるのが良いのだと思います。
チュートリアルは三好家のキャラクターが担当してますが、ここをフルボイスにする必要は、特に無かったように思いました。


【 ストーリー 】


【 1周目:毛利家 】 シナリオに天下統一に関する内容はほとんどなく、「三本の矢」 で有名な毛利隆元、吉川元春、小早川隆景
の毛利三姉妹 (三兄弟) の不仲の問題や、毛利元就を含めた4人による主人公争奪戦が繰り広げられる感じです。


それもあって、あまり戦国の世を天下統一を目指して戦っている…という感じにはなりませんでした。シミュレーションパートと
シナリオパートが、それぞれ独立して進行しているような感じで、もう少し両方のパートがシンクロしてる方が良いと思います。


結局主人公のお相手は、特に選択肢などを選んだ記憶も無いのに、毛利元就 “お母様” (笑) になったのですが、どうやら
三姉妹にも個別のルートが用意されてるらしいので、どこかで読み飛ばしてる内に、選択肢を押しちゃったのかもしれません。


キャラクターとしては、三姉妹と秀包が見た目も性格も、少し幼すぎるように感じました。


【 2周目:上杉家 】 毛利に比べると、ゲームの進行状況にに合わせ、支配地域が広くなったことで発生した問題の解決や、
良い領主であろうとして、重圧が大きくなっていく上杉謙信の葛藤などを描いていて、ゲームと物語がシンクロしてるように
感じられました。


それと主人公の素性を上手く使って、謙信が天下統一を目指すきっかけを作り、主人公と共にそれを達成することに意義を
持たせていましたし、また謙信を支える主人公との恋愛関連の展開もエピローグまで上手くまとめていたと思います。最初に
エピローグを見始めた時は、何かの条件を満たしていなくて、バッドエンドを引いたのかと思いましたが (笑)。


キャラクターはデザインも良い感じでしたし、謙信の中性的な感じも良かったです。声優の方も上手かったんじゃないかな。



【 更新フェイズ 】


ターンの始め (季節が変わる時) に、所属する勢力の収入、支出などが計算され、条件が整っていればイベントが発生します。
また、新しい武将が登場してくることがあるので、気に入れば家臣に迎えることが出来ます。


ただ、プレイして思ったのは、意外と武将を増やしても使いどころが難しいということです。徴兵して兵数を上げた武将でないと
合戦には参加させづらいのですが、徴兵出来る回数や人数に限りがありますし、やはり武将キャラクターを優先して使いがちに
なるので、余程能力が高い武将か兵数が多い武将でなければ、何もさせずに持て余してしまう可能性が高そうです。


政治や智謀が高い武将ならば、合戦に参加させずに国に常駐させて政略に使う道もあるんですが、統率が少し高いだけの
武将は、遊ばせておくのも俸禄の無駄になりますし、無理に家臣に加える必要はないのかな、と。あとは、しばらく攻め込む
つもりのない敵勢力と経路で結ばれている城に置いておいて、攻め込まれた時に篭城して守り役に徹してもらうとか、かな。


【 軍備フェイズ 】


俸禄、徴兵、鉄砲購入の3つのコマンドが実行可能です。俸禄は忠誠心の低い武将の忠誠心を上げるためのもの。
忠誠心が低いと謀反や引き抜きが起きやすくなるそうですが、どの程度まで上げると安全圏なのかはわかりません。
1回目のプレイでは、謀反が起きたのは一度だけでした。


徴兵は領国の支配率、住民感情、石高によって人数が変わり、領国内に居る武将の兵数を最大50まで増やすことが出来ます。
兵数の表示は1=100人なので、武将一人が抱える最大兵数は5000人。徴兵すると住民感情と石高が下がります。


鉄砲購入は文字通りですが、CPをかなり消費します。敵に隣接しなくても攻撃出来るメリットはありますが、1回目のプレイでは
ほとんど鉄砲を購入せずに終わらせているので、戦局を変えるほどの威力があるかは疑問です。



【 政略フェイズ 】


城の普請、治水開墾、楽市楽座、臨時徴収、武将移動、同盟、引き抜き、武将に会うの8つのコマンドが実行可能。


城の普請は城のレベルを上げることが出来ます。城のレベルは攻城戦で篭城した時に、そのまま城の耐久値となります。
落城させたばかりでレベルが落ちている城などは、普請させた方が良いと思いますが、敵の方から攻めて来るということが
意外と少なかったですし、野戦で勝ち切ってしまう自信があれば、あまり実行する必要は無いコマンドかもしれません。


治水開墾は石高と住民感情を上昇させ、楽市楽座は町の規模と住民感情を上昇させますが、石高の上限を低下させます。
石高や住民感情は、徴兵出来る兵数に関わって来るので、特に石高の高い町はマメに住民感情を上げた方が良さそうです。


臨時徴収は強制的に徴税して軍資金を得る代わりに、住民感情が低下します。序盤で軍資金が少ない時などに使いそう
ですが、やってみた感じではあまり多くの資金は徴収出来ませんでした。武将移動は、城から城へ武将を移動させられます。
移動は経路で結ばれている城に限り、複数の城からの移動や複数の城への移動を、一度に行なうことは出来ません。


また、一つの城に配置出来る部隊数の上限が6部隊までと決まっているので、それを超える部隊数は移動させられません。
この部隊数の上限というのは、プレイする上で色々な制約になって来ます。


同盟は他の大名家と同盟を結ぶこと。最大3勢力まで同時に同盟可能。引き抜きは、同じ国内の城に居る他勢力の武将を、
引き抜くことが出来ます。同盟と引き抜きを成功させるには、武将の智謀能力が影響します。周りを敵国で囲まれている場合
などは、いずれかの勢力と同盟を結んで、少しでも安全なルートを確保しておくのも良いかと思います。


武将に会うは、武将キャラクターのイベントを見ることが出来ます。合戦で捕縛した当主クラスの武将が居る時は、座敷牢で
会話して正しい選択肢を答えることで、仲間に引き入れることが出来ます。また、このコマンドで最後まで会話を見た武将は
絆が生まれ、謀反を起こしたり引き抜かれたりということが無くなります。


ただ、武将キャラクターが増えてくると、全員と会話するだけで1ターンのCPを全て使ってしまうくらいになるので、なかなか
会話を進められませんでした。そこは割り切って、絆が生まれるまで進軍を止めて、会話に専念するくらいの方が良いのかも
しれませんが、途中から同じ会話が続いたりすることがあり、イベント進行させる条件もわからないので、非常に困ります。


既に裏切る心配が無い重要武将キャラクターとも会話が出来ますが、こちらはイベントのフラグを立てるためなんでしょうか。
但し、こちらもどこまで進めればイベントが発生するのかがわからないため、途中で会話をやめてしまいがちでした。まぁ、
会話した武将は必ず経験値が入るので、経験値稼ぎだと思って実行するのも、一つの手かもしれません。



【 作戦フェイズ 】


計略と作戦命令のコマンドが実行可能です。計略は経路で結ばれた敵城のレベルを落とせますが、失敗することもあります。
これも成功には武将の智謀能力が必要とされますが、敵勢力から計略を仕掛けてきたのは、見たことがありません。


作戦命令は、経路で結ばれた敵勢力の城に攻撃を仕掛けます。参加出来るのは6部隊までですが、敵城と経路で結ばれた
城が二つ以上あれば、それぞれから数部隊ずつ攻撃させることも可能です (城1から3部隊、城2から2部隊など)。


せっかく経路という概念があるので、敵城を挟む形で城が配置されていれば挟撃で有利に立てるとか、敵の退路を断って
兵糧攻めにするとか、その辺の地形的な戦略も使えれば、面白かったかもしれませんね。


【 合戦フェイズ 】


合戦フェイズは野戦と攻城戦に分かれていて、城に居る側が野戦開始時に篭城か退却を選べば、そのまま攻城戦に入ります。
野戦の勝敗は大将が敗走した場合と、いずれかの部隊が相手陣営の一番奥まで進行した場合に決着します。


部隊の体力は士気として表され、武将の統率能力と兵数によって初期値が決まります。士気が0になると部隊は敗走します。
士気は相手の攻撃を受けるか突撃命令を出すと低下し、後退か待機の命令で少しだけ回復させることが出来ます。


部隊の攻撃力も武将の統率能力と兵数によって変わってきます。相手のスキルによって統率能力を下げられたり、攻撃を
受けて兵数が減ったりすることで、攻撃力も下がっていきます。逆に、味方のスキルで統率能力が上がることもあります。


野戦では、まず進軍して来た武将の中から大将を選びます。当主が参加している場合は、自動的に当主が大将になります。
大将は必ず戦場に配置する必要がありますが、大将の部隊が敗走すると、他の部隊の状況に関わらずその合戦では敗北と
なってしまいます。攻撃側の場合は退却、防御側の場合は無血開城となります。


このため、野戦になったら大将を敗走させるのが一番手っ取り早い手段になるんですが、気合を入れて相手より圧倒的に多い
兵数で攻めると、野戦を避けて篭城されるか退却するかになりがちです。特にレベルが高い城などで篭城されると厄介なので、
その場合は相手が野戦に応じる位の戦力差を保ちつつ、有利に立てるような部隊で攻めるのが良いのかなと。


敵陣の奥まで進んでも野戦では勝利になりますが、そのまま攻城戦に移るだけなので、やはりレベルの高い城に攻める時は
出来るだけ大将を倒して、無血開城を狙うのがセオリーかと思います。それに、ZOC (ZONE OF CONTROL) という概念により、
正面か側面に敵が居ると部隊を前進させることが出来ないので、奥まで進むには最低でも2部隊倒す必要が出て来ます。



武将には兵種が設定されていますが、3つの兵種は騎兵>弓兵>槍兵>騎兵と三竦みの関係になっています。戦場に部隊
を配置する際に、それぞれの相手に有利になる兵種を正面に配置させられれば良いと思います。但し、相手の配置を確認して
から配置を決められるのは、自分が攻め込んだ時だけっぽい (?) ので、防御側だと相手の配置がわかりません。


戦場に配置出来る部隊の数は、野戦場の広さによって5部隊、3部隊、2部隊と3段階あるので、6部隊参加していたとしても、
配置出来るのは2部隊だけとなることもあります。但し、配置していない部隊が残っていれば、別働隊や交代として使うことが
出来ます。逆に、配置出来る最大数より少ない部隊しか居ない場合は、強制的に部隊が分割されてしまいます。


分割されると部隊が弱体化してしまうので、最低でも野戦場の最大配置数分は、部隊数を用意するのが良いと思いますが、
逆に配置数の上限を利用すれば、敵が6部隊で味方が2部隊しか居なくても、野戦場が上限2部隊までの広さであれば、
その2部隊だけ精鋭を揃えて勝つ可能性を見出す、ということも出来るかと思います。


または、部隊数の少ない敵に対して、広い野戦場で攻撃を仕掛けられれば、敵を分割させることも出来ますし。


野戦では天候の影響も受けますが、雨の場合は鉄砲が使えず、霧の場合は鉄砲の威力が下がるので、鉄砲に頼っている
部隊は天候に注意が必要です。また、霧の場合は別働隊を出すことも出来ません。


陣形は横陣、魚鱗、鶴翼、雁行(右頭)、雁行(左頭)の5種類がありますが、野戦場の広さによって選べない陣形もあります。
どの陣形が良いか悪いかは、はっきり言って全然わかりません。とりあえず横陣か鶴翼を選んでいます。


行動の順番は智謀の高さによって決まります。智謀を上げる能力や下げる能力を持つ武将も居るので、上手く発動すれば
先手を取ることが出来ます。また、稀に武将の能力によって順番がランダムに変わることがありますが、味方がこの能力を
使って相手の順番を早めてしまったりすると、非常にイラつきます(笑)。


ただ、この合戦システムの問題として、行動の順番がずっと変わらなければ、「先に敵に隣接した方が先に攻撃を受ける」 と
いうのがあります。これは、移動と攻撃が一つの動作として行なえないのが原因なんですが、先手を取った側が必ず不利に
なるという、意味不明な状況に陥るのはちょっと致命的ですね。


CPUもそれがわかっているので、両軍相手との距離が残り1マスの状態で前進をやめて、相手から近づいてくるのを待つという、
間抜けなにらみ合いが続いたりします。まぁ、そのために鉄砲やスキルがあるのかもしれませんけど、鉄砲隊だけで相手を倒し
きるのは難しいですし、都合よく先制攻撃を取れるスキル持ちの武将が参戦出来るとも限らないので、これに関してはもう少し
上手いやり方は無かったのかなと思います。



部隊の行動命令は、前進、後退、攻撃、鉄砲、突撃、特殊、待機、交代、別働、篭城、退却があります。


前進、後退、待機は文字通りの移動コマンドで、前にも少し触れましたが、後退と待機は士気を少し回復させることが出来ます。
攻撃、突撃は正面と左右に隣接する敵に対する攻撃命令。突撃は士気と兵数を下げる代わりに、相手の損害を大きくします。
鉄砲は隣接していなくても攻撃出来ますが正面に対してのみで、攻撃力は鉄砲隊の数と相手との距離によって変わります。


別働は、配置した部隊以外に予備部隊が居る場合、別動隊として行動させることが出来ますが、霧の場合と全ての部隊が
戦場に配置されている場合は、別動隊は出せません。このコマンドを使用出来るのは大将のターンだけで、別動隊が出来る
のは移動と攻撃だけです。1度攻撃すると自陣に戻ってしまいますが、再度別働コマンドを使えば同じ部隊を動かすことも可能。


交代は、配置された部隊と自陣に控えている予備の部隊を交代させます。部隊の士気が残りわずかな時などに使いますが、
士気が0になってしまうと、予備部隊が居ても交代は出来なくなります。当然、予備部隊が居ない場合は交代出来ません。


特殊は、武将の持つ特殊能力を1回だけ使用することが出来ます。発動するのは、コマンドを実行した次のターンの頭です。
スキルの種類は、味方のパラメータを上げたり、敵のパラメータを下げたり他にも色々ありますがで、コマンドで実行する以外
にも、戦闘中にランダムで発生する能力もあります。


篭城は、防御側の場合に野戦を避けて攻城戦に持ち込みます。相手より兵数が圧倒的に少なくて、城のレベルが高い時には
有効ですが、城レベルが低くて相手より戦力が多いのに篭城したりすると、かえって逆効果になる場合があります。


退却は、城を放棄して経路で結ばれた城に退却しますが、退却先の城に全部隊を受け入れるだけの空きが無い時や、経路で
結ばれた自分の勢力の城が無い場合は、退却出来ない部隊が出て来ます。退却出来ない部隊は強制的に篭城する事になり、
落城すると切腹となってしまうので、退路の確保は最優先事項です。



次に攻城戦ですが、防御側の時は何もすることが出来ません。城レベルが0になれば負け、残っていれば防衛成功です。
攻撃側は、強襲と包囲と撤退の3つのコマンドが使用可能で、3回まで攻撃することが可能です。包囲は、軍資金を使って
攻撃しますがダメージは少なく、強襲は兵数を減らして包囲より大きなダメージを与えることが出来ます。


敵が退却した城でも、レベルを0にしない限りは落城させたことにはなりません。ただ、敵が居ない城への攻撃はより大きな
ダメージを与えることが出来るので、レベルにもよりますが3回の攻撃で落城させられる可能性は高いです。


敵城の攻略に成功すると、敵武将は逃げ出す、降伏、切腹のいずれかの行動をして来ます。敵も退却出来る城が無い場合は、
降伏か切腹を選択することになりますが、切腹は設定でOFFにすることも出来ます。


但し、降伏した武将は攻撃を仕掛けた部隊と一緒に、落城させた城に残ることになりますが、城に配置出来るのが6部隊まで
なので、4部隊攻撃に参加していれば、降伏を受け入れられるのは2武将までです。受け入れることが出来なかった武将は、
切腹してしまいますので、仲間にしたい武将キャラクターが居る場合は、攻撃に参加する部隊数にも気を配る必要があります。


最初はこれを知らずに、毎回6部隊攻撃に参加させていたため、切腹をOFFにしているのに敵武将が切腹するのを、バグかと
思っていました。ただ、落城させた城に敵の当主クラスが居た場合は、捕縛されて一旦座敷牢に入れらることがあります。
これを仲間にするには、政略フェイズで書いた通り、武将に会うコマンドを実行します。


【 外伝モード 】


最初に毛利家をクリアしたことで、外伝シナリオが2本 (続編を合わせて計5本) 見られるようになりました。外伝が全部で
10本だということは知っていたので、シナリオモードで選択出来る10大名家がそれぞれ1本ずつかと思っていたら、半分が
毛利だったというのには、少し驚きました。上杉家は、クリアしても外伝は追加されませんでしたし。


追加されたのは、「吉田郡山の戦い」 と 「厳島の戦い」 の2本。まぁ、こんなゲームをプレイしていて何ですが、あまり歴史
などに興味がある性質でも無かったので、それぞれどんな戦だったのかよく知りませんでした。でも、おそらく色々と脚色が
加えられているとはいえ、なかなか面白かったです。歴史好きの人たちの気持ちが少しわかるようになったかな、と。


特に 「厳島の戦い」 は、毛利元就が “謀神” としての手腕を遺憾なく発揮している戦いのようで、やっぱり歴史に名を残す
ほどの人物がやることは、下手な小説を読むより複雑で面白いと感じましたね。ただ、この外伝では毛利元就よりも陶隆房
(陶晴賢) の方が、主人公のように描かれています。


徐々に重責に押し潰されていく隆房の葛藤や、弘中隆兼との友情をスパイスに加えて、ドラマチックに仕上げていたと思います。



【 感想 】


シミュレーションとしては、もう少し本格的に戦略を必要とする要素も欲しいところですが、バランスは上手く取れていると思う
ので、時間をかけてやり込んでしまう位の面白さはあります。キャラクターデザインは勢力によって様々ですが、これだけ居れば
どこか気に入った勢力は出てくるのではないかと思いますし、勢力や武将数も多いのでボリューム的にも問題は無いかと。


ただ、慣れてくると作業的になってしまうのが、この手のゲームの宿命だと思うので、シナリオやイベントで単調にならない
ようにする工夫は必要だと思います。一応進行状況に合わせて、定期的にイベントは発生していましたが、やはりその時々に
自分達が置かれている状況と同調するようなイベントが見たいですし、対峙している勢力との駆け引きも見たいところです。


これは、プレイヤーの自由度と引き換えに失われているものなので、ある意味仕方のない部分なのですが、発生するイベントも
アドベンチャーだけではなく、突発的な合戦イベントとか、時限イベント、地域イベントなど色々考えようはあるのではないかなと。


あとは、斥候を使わなくても敵の陣容が確認出来たり、敵が (多分) 計略を仕掛けて来なかったり、あまりこちらの城に攻めて
来なかったりと、比較的難易度は易しめに出来ている気がするので、もうちょっと敵を強くしたり、プレイヤーに不自由な状況を
課したモードがあってもいいかな。まぁ元はエロゲなので、そこまでのやり応えを求められているかどうかはわかりませんが。


これを書いている時点ではまだ2周目なので、全ての要素を把握しているとは言えない状況ですが、エロゲという色眼鏡を
外して見れば、それなりに面白いと思いますし、ライトな戦国シミュレーションという感覚でやるには十分な出来だと思います。




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