THE iDOLM@STER 第十二話 「一方通行の終着点」



アイドル育成シミュレーション 「THE iDOLM@STER」 のTVアニメ第十二話。
今回は、一方通行に思えた美希の心に、ようやく終着点が訪れます。ゴールはもちろん、765プロの仲間たちのもとへ――




キラキラ輝いていた竜宮小町に入ることが出来ないとわかり、アイドル活動への意欲を失ってしまったという美希。


当然プロとしてはあるまじき行動であり、無責任と言われても仕方の無い状況ではありますが、小鳥さんが言った通り、
若干15歳の少女に 「責任ある行動を取れ」 と言ったところで、なかなか難しいところはある筈なんですよね。


それを 『お前一人の問題じゃない』 とか、『他の人の迷惑を考えろ』 と言ったプロデューサーのファーストコンタクトは、
確かに 「大人の考え」 としては正論ですが、「子供の考え」 を持つ美希に対する説得の仕方としては、間違いなく
失敗だと思いました。バッドコミュニケーションです。


その辺りの考え方は、さすが2x歳の小鳥さんです。765プロにはプロデューサーより年上があまり居ないこともありますし、
同じ女性目線としてアイドル達の心情を考えることも出来るので、道を間違えたプロデューサーを正しい道に導く役目として、
小鳥さんの存在は地味に大きいと思います。まぁ、公式にPより年上だと明言されてはいませんけどね。



美希は 『やる気を失くした』 とは言ってみても、やはり自分が載った雑誌を見たり、新しいステージ衣装が届いたと聞けば
目を輝かせてしまいますし、みんなの前で歌を歌ってみせたりするのを、楽しいと感じる気持ちは忘れてはいないようです。


美希は確かにわがままではありますが、それは自分の気持ちに正直で素直だということでもあります。美希にとっての
アイドルは、「わくわく」 出来ることであり、 「きらきら」 輝ける場所であり、今の765プロの中でそれが出来るのは、
竜宮小町だけだと思っています。だからこそ、竜宮小町に入るために、普段はしない努力をしてみせたんでしょう。


しかし、竜宮小町に入れないとわかって、美希の願いが叶わないと "思ってしまった"。でも、本当は竜宮小町でなくとも、
「わくわく」 することは出来るし、「きらきら」 輝くことも出来るんだと。それを教えてやるのがプロデューサーの役目であり、
美希がそうなれるように育ててやるのがプロデューサーとしての仕事であり、「大人」 としての責任なんだろうと思います。



みんなが美希が来ないことを心配する中、唯一人レッスンが遅れないよう、自分たちの出来ることをやるだけだという千早。
確かにプロ意識に欠けた行動を誰よりも嫌いそうな千早ですし、ともすればかなり美希に対して冷たいという印象を受ける
かもしれませんが、これが千早なりに美希やプロデューサーのことを信頼している、ということなんでしょう。


美希が必ず戻ってくると信じているからこそ、プロデューサーが必ず美希を連れて帰ってくると信じているからこそ、
そして美希ならば、たとえ遅れて戻ってきても、それを取り戻せる実力があると信頼しているからこそ、美希が帰ってきた
時のために、自分たちは完璧に出来るように仕上げておく。それが千早に出来ることであり、千早なりの信頼なのかなと。


まだ、春香以外にはあまり心を開いているようには見えない千早ですが、大運動会での走りを見ても仲間意識は強く
持っているようですし、ゲロゲロキッチン以来着実に 「自分を変える」 ことが出来てきているのではないでしょうか



今までは誰かのメイン回でも、アイドル3人組くらいで話が進んで、悩みや障害などはアイドル同士で共有したり、
励ましあって解決したりということが多かったですが、今回は完全に美希ひとり(とプロデューサー)だけの回でした。


やはり今回の問題は、アイドル達だけで解決出来る問題では無いですし、プロデューサーが美希との信頼関係を築いて、
解決しなければならない問題だったということでしょう。


今回使われた曲は、 「ふるふるフューチャー☆」 と 「ショッキングな彼」 で、2曲とも恋愛ソングが来ましたね。
まぁだからと言って、さすがにプロデューサーに対して 「ハニー♥」 状態になったりはしないと思いますけど。


しかし、エンディングのおにぎり美希は、凶悪な可愛さでした。



―― 第十二話 「一方通行の終着点」 (了)




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