輪廻のラグランジェ 第九話 「勝浦発→鴨川行」



「輪廻のラグランジェ」 の第9話。
原作・制作協力:Production I.G、総監督:佐藤竜雄氏、監督:鈴木利正氏、シリーズ構成・脚本:菅 正太郎氏


「勝浦発→鴨川行」 シナリオ:大野木寛氏、絵コンテ:樋口香里氏、演出:孫承希氏




まずは若き好青年だった頃の、デ・メトリオ王子・ヴィラジュリオと、妹の王女・ユリカノの回想シーンから。


ユリカノはアニメ版でも名前だけは出てましたが、登場するのは初めてですね。以前ヴィラジュリオがまどかを見て、ユリカノ
みたいだと言ったのは、多分雰囲気的なものでしょうけど、こうして見ると顔も結構まどかと似てる気がします。


この頃のヴィラジュリオは、まだディセルマインと分かり合えると考えていたようですが、結局溝は埋まらなかったようで、
自身は辺境の監獄惑星に流され、ユリカノもディセルマインが計画したウォクスの実験に参加して死亡したとされており、
全てディセルマインの思惑通りになってしまったようです。



一方、勝浦に潜伏するダメトリオの三人ですが、やったこともない 『Be With Kiss!』 を、ヴィラジュリオに続いて何の躊躇も
なく復唱したのは爆笑でした(笑)。そして、アレイは何だかんだ言って、メイド服を気に入ってる感じですし、キリウスにカード
を持ってるのに 『何故、服を買わない…』 と突っ込まれてるのも面白かったです。


「暁月のメモリア」 を読んでると、アレイの性格が一番丸くなってますね。最初はやたらとプライドが高く、何かとユリカノに
突っかかる問題児でしたし、地球に来てからも独断先行するような協調性の無さを見せてましたが、アステリアとの間に
何があったのかはわかりませんが、今はすっかり従順なメイドとなっているように見えます。


イゾもアカデミーに入所した頃は、将来を約束された将軍の息子という立場もあってか、周りを見下した態度を取っていましたが、
ユリカノに出会ったことで、随分考え方にも変化が見えてきましたし、まどかの身上を聞いて戦意を喪失するあたり、情に厚い
部分もあるようです。みちやさちの話も、ちゃんと最後まで聞いてましたしね。


キリウスは一番変わらないというか…いや、最初はもっとまともなキャラかと思ってましたが、かなりの天然だったという意味
では、結構イメージは変わりましたが。溺れた子供をすぐに助けに行こうとする正義感を見せながら、つまずいてまどかに先を
越される辺りは、ランに通ずるドジっ子属性がありそうな気もします。



そして今回は、まどかの母親について語られましたが、まどかがいつも水着を着用して、溺れた人を助けられるように備えてる
のは、海で溺れた人を助けようとして命を落としたという、母親の意志を継ぎたいという思いの表れでもあるようです。


そもそも 「ジャージ部」 の元祖はまどかではなく、ようこと助っ人のまちこだったということで、まちこがジャージ部の活動に理解
を示しているのも、ようこが2話で泣き言をいうまどかに、『ジャージ部なんかやめちまえ!』 と喝を入れたのも、二人が先輩部員
だったと考えれば納得出来ますね。


母を亡くして落ち込むまどかに、優しく声をかけるでもなく、「魂」 で伝えようとするあたりは、何というかようこらしい気がします。



ディセルマインが攻略したという “センシミリア” は、イゾ達が通ったアカデミーのある場所なので、両国の戦争はかなり
逼迫した状態になっているようです。まぁ、後継者二人を失った状態にしては、デ・メトリオはよく持ちこたえていると言える
のかもしれませんが、それも時間の問題となってきていそうです。


キッスの方も、やはり本隊は地球に到着していなかったようなので、6話に出て来た大量の無人オービッドは、ヴィラジュリオが
1人で動かしてたって事でしょうか。しかし、ヴィラジュリオがウォクスをどうしたいのか、未だによく理解出来てなかったりします。


そして今回は、“椅子” を使った演出がありませんでした。あの椅子がジャージ部三人の関係性を表してるんだとしたら、
特に関係に変化が起こらない時は、椅子も出て来ないってことなのかな。



まるっ。



―― 第九話 「勝浦発→鴨川行」 (了)




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