少年エース8月号で新連載 (再開) となった、新感覚!ガチンコ剣道バトルアクション!!
「竹刀短し恋せよ乙女 (しなこいっ)」 です。月刊コミックラッシュからの移籍第一回目となります。
冒頭から、ジークムント・フロイトの心理学、精神医学から入るあたり、連載再開にあたって以前とは少し趣向を変えている
様子です。今までも、剣術に関する解説などは随所に入れ込まれてましたが、「非局所性」 などの量子力学を解説に
利用したり、サブタイトルとなっている 「雲耀入門」 について長めに理論展開したり、今回が初見の読者に小難しくて
取っ付き難いという印象を与えなければ良いんですけど…。
序盤は 「しなこいっ」 一本目での榊辰子と鳴神寅の対決を再現。あの日に何が起こったのかが、明らかになりました。
サカキの示現流 ”蜻蛉” に対して、鳴神は薬丸自顕流。2巻のカバーなどで虎春が見せていたのと同じ ”右蜻蛉”。
薬丸自顕流は防御の技が一切存在せず、先制攻撃を重視した超実戦的な剣術とのことで、虎春のイメージにはぴったり。
そして今回初めて鳴神寅の魔剣、雲耀 【迅雷】も描かれています。先制攻撃を仕掛けたのは、雲耀 【疾風】を持つ辰子の
剣であり、その剣は寅の眼前まで届いていたようですが…その剣ごと辰子を切り裂いた 【迅雷】 とはどんな太刀なのか。
たぶん寅は攻撃を躱してもいないし、受けてもいないと思いますが、「後の先」 というより、完全に後手に回っているように
見えて、剣速で龍神を上回る…。【疾風】 はあくまでも高速の 「移動技」 であり、剣を打ち込むスピード自体は、普通より
少し早い程度ということなのか。結果的には、「風」 よりも 「雷」 の方が早いという結論になっちゃうのかな。
続いて先代・跳ね馬の遠山荒馬を、鳴神忠勝が訪ねて来た場面…なんですが、ここは 「しなこいっ」 では忠勝と寅の2人で
やって来て、荒馬を 『借りていく』 と桜に言ったのは寅の方でした。これを忠勝1人にしたのは何か理由があるんですかね。
そして、桜にとっては相性が悪いといわれている、長物対策の稽古。指南役は、超長竹刀 ”オロチ” を操る北河和巳。
一応、”番号持ち” の棒使い、八番・八寝間齊天を想定した稽古でしたが、前日の稽古から何の進歩もしていない状態
では、同じ結果になるのも当然…ということで、北河和巳の ”オロチの結界” を前に再び返り討ち。
桜が荒馬から受け継いだ 「跳ね馬」 は、文字通りの 「跳躍」 であるために、軌道が山なりの上に、途中で軌道を変える
ことも出来ない。そこで桜が目をつけたのは、地を滑るような龍之介の雲耀 【疾風】 の動き。目指したのは超低空飛行の
”跳ばない” 跳ね馬。
雲耀 【疾風】 の理論は…なかなか理解が難しいです。現実的に再現可能な足さばきなのか、トンデモ理論なのかも、
素人なのでわかりません。以前、桜が鯨と戦った時に、鯨の 「無拍子」 の動きが龍之介に似ていると言ってましたが、
「無拍子」 が後ろ足の膝を ”抜く” のに対して、【疾風】 は前足の膝を抜くところからスタートするようですね。
違うのは、「無拍子」 が抜いた後ろ足に全体重をかけて右足を運ぶのに対して、【疾風】 は重心を身体の外に出して、
両足に全体重をかけずに浮かせる…でいいのかなぁ。ちょっと理解出来てるんだか自信が持てません。
さて…。メイドが日本でロンドン橋を唄ってるってことは、遂にご主人様もBRDでの ”バカンス” から帰国でしょうか。
ここまで虎春のバトルは、1巻で ”右蜻蛉” を見せた以外に出て来てないので、ここらで一発見せて欲しいところです。
今回は待望の連載再開(新連載)ということで、普段読んだこともない少年エースを買ってみましたが、予想以上に
読むものが無いです。やっぱり二話目以降は、今までどおり単行本を待とうかなと思います。
そういえば、既刊分を再発売するようですが、新装版ではなくて完全版と言ってますね…。何か追加があるのかな。
―― 一話目 「雲耀入門」 (了)
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