Angel Beats! EPISODE.01 「Departure」



Keyの麻枝准氏脚本によるオリジナルアニメ、 「Angel Beats!」 の第1話です。


サブタイトルの 「Departure」 は、単純に物語の 「出発」 かとも思いますが、「離脱」 や 「背反」 の意味も持ってるので、
「(神の意思に)背反する」 の意味があるのかもです。



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【ストーリー】

舞台は死後の世界。運命に立ち向かう少年少女たちの物語


なんらかの理由で最後を遂げた少年・音無は、死後の世界の学校で、ゆりと名乗る少女と出会う。
彼女は神に反逆する 「死んだ世界戦線」 のリーダーで、天使と日夜激戦を繰り広げていた。
そして、立ちはだかるは神の使い・天使。それは、可憐なひとりの少女だった。
生前の記憶が無く、この死後の世界で何が起きているのかも分からず戸惑う音無。


彼は、ゆりたちと共に戦う道を選ぶことにしたのだが…。


【テーマ】

時に理不尽でも尊いもの、それが人生


今作品のテーマは、ひと言でいうなら“人生”。
自らの理不尽な運命を呪う少女たちは、神への反抗の末に何を見るのか。


これがミスディレクションでなければ、舞台は 「死後の世界」 で間違いないんでしょう。


とりあえず鍵になりそうなのは、少年・少女たちが死んだ 「理由」 と失われている音無の 「記憶」 あたりかなぁ…。
ゆり達がどんな人生の最期を迎えて 「理不尽」 だと感じているのか。生前の世界にどんな未練を残しているのか。



そしてテーマで言われてるように彼女らの人生を 「時に理不尽でも尊いもの」 だとわからせて送り出してやるのが
「天使」 の役目ってところかなぁと思います。「死後」 という世界観にどんな意味があるかはまだ分かりません。


主人公の音無は途中から天使側に付くか、天使と戦って最後の一人になるかの両極端で考えられそうです。



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ゆり 『あたし達がかつて生きていた世界では人の死は無差別に無作為に訪れるものだった。だから抗いようもなかった』
ゆり 『私たちの目的は天使を消し去ること。そしてこの世界を手に入れる』


「死んだ世界戦線(SSS)」 の連中は、死んだ事実だけは受け止めてるけど、その 「先」 に行くのが嫌で戦ってると。
そして 「消された」 後は人間になれるかどうかは別として、輪廻転生することだけは疑いを持っていないみたいですね。


ゆりの言っている無差別、無作為の 「抗いようのない死」 と言うのが、単なる比喩なのか現実とは別の世界観なのかは
わかりませんが、 「順応性を高めてあるがままを受け入れる」 なら天使に消される道を選択するんじゃないでしょうか。
あるがままを素直に受け入れることが出来ないから、ゆり達は抗おうとしてるんじゃないのかなぁ…?


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そして今回は 「トルネード」 と呼ばれる、生徒達から食券を巻き上げる 「オペレーション」 をしてます。
でも結局大掛かりなオペレーションを仕掛けて食券を巻き上げることに、どんな意味があったのかがよくわかりません。
単に世界の予定調和に抗ってることをアピールするための示威行動でしょうか。


どうせ食事をしなくても死なないんだし、目的が 「天使を消し去ること」 ならそれに集中すればいいと思うんですが、
出来ない理由でもあるんでしょうか。それとも、天使を消し去る方法は思いついてないとか…?この辺は謎です。


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『オペレーションとは無関係な一般生徒たちを安全な場所に釘付けにすることが、彼女たちの使命なのだ』 (公式)


「ガルデモ」 のライブには何の意味があるのかと思ってたんですが、公式サイトに陽動であると書いてありました。
でも一般生徒と言うのが 「NPC」 と呼んでる連中のことなのか、「SSS」 に入ってない人間も居るってことなのか…。


ライブシーンは曲がそれほど好みでは無かったので普通でした。ちょっとCGっぽい動きが目立ってる気もしますし。



そして天使が攻撃を弾くと 「0」 と 「1」 に変換されてますけど、これはわざと仮想空間っぽく見せてるんでしょうか?
例えば人間は全員 「アヴァター」 で、それなら死なないのも道理だしNPCが居るのも不思議では無さそうですが。


でもテーマは 「人生」 とまで言ってるので、仮想空間ってことは無さそうですけど 「死後の世界」 でも無さそう…?
それとも単なる演出として、「死後の世界」 を二進法で表現してるだけなのか…。


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正直言って1話だけではよく分からないと言うのが感想です。元々麻枝氏のゲームも序盤で登場する思わせぶりな伏線が
後半になって徐々に明らかになっていくという傾向があるので、もう少し見続けて行かないと何とも言えなさそうです。


一応ギャグが多めになってますが、個人的にはツボに入るギャグが無くてほとんど笑えませんでした。
しかし 「KEY COFFEE」 はネタのつもりなんでしょうけど、商標的に大丈夫なんでしょうか。



―― EPISODE.01 「Departure」 (了)




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