西尾維新氏原作の 「刀語」 第三話。原作は未読です。
今回の相手は、出雲の三途神社の長。「千刀・鎩」 を所有する千刀流の使い手、敦賀迷彩。
「千刀・鎩」 の所有者敦賀迷彩は、元・山賊で数え切れないほど人間を殺してきた罪人だったが、現在は自らが殺害した
先代・敦賀迷彩の意思を継いで、三途神社の娘たちの心を癒すために変体刀の 「毒」 を使っている。
山賊を辞めた今の迷彩は、人殺しではあるけれど根っからの極悪人では無いようで、とがめの話を聞くだけの理性も
持ち合わせているようです。もちろん善人と言えるはずもないのですが、憎めないキャラクターなので、今回は話し合いで
解決とまでいかなくとも、殺し合いにまでは発展しないのかも…とも思ってました。
でも迷彩の方は逆に変体刀から解放されることを望んでいたような部分もあったし、何より姉以外の人間と接したことのない七花の方に 「死生観」 と言えるほどのものが無く、それだけの感受性が育ってなかったんですね。
そして今回も出てきた真庭忍軍の頭領、真庭喰鮫。真庭忍軍って毎回やられ役として登場するんだろうか。
「お前は先月登場しとけ」 と言うのは、先月(第二話)の因幡の 「砂漠」 と 「鎖縛(さばく)の喰鮫」 をかけてるのかな?
剣士にとって刀は命とも言える存在なので、千刀流の 「刀を持たずに使い捨てる」 と言う発想が面白いなぁと思いました。
でもその千刀流と七花がどう戦うかが見たかったので、地形効果そのものから脱出するという破り方はちょっと残念。
剣戟自体も二話の時よりあっさりめで、七花の 「鏡花水月」 もどんな技かわかりませんでした。
今回一番格好良かったのが、喰鮫を倒した時の迷彩だったというのが何とも言えません。
迷彩を倒した後の虚無感と、それに対して何も感じていない七花に微妙な後味の悪さを感じさせます。
この七花の感受性を育てていく事が七実が七花を旅に送り出した目的であり、この物語の大筋として存在してるのかな。
それと自らの野望のために、迷彩のような人間を犠牲にして行かなければならないとがめの葛藤とか。
それにしても、七花が 「俺は親父を切り殺している」 と言ったのは、そのままの意味なんだろうか…。
―― 第三話 「千刀・鎩」 (了)
「刀語」 の画像の著作権は全て著作権者に帰属します : ©西尾維新・講談社 / 「刀語」製作委員会
【関連記事】 刀語 第二話 「斬刀・鈍」
【関連記事】 刀語 第四話 「薄刀・針」
copyright © 2009-2018 月 奏 | |