輪廻のラグランジェ Season2 第六話 「鴨川にも届け、この声」



「輪廻のラグランジェ Season2 」 の第6話。
原作・制作協力:Production I.G、総監督:佐藤竜雄氏、監督:鈴木利正氏、シリーズ構成・脚本:菅 正太郎氏


「鴨川にも届け、この声」 シナリオ:野村祐一氏、絵コンテ:吉川博明氏、演出:うえだしげる氏




実験の影響で、体が入れ替わってしまったまどかとユリカノ。人格が入れ替わってしまうと、メモリアがあってもウォクスには
契約したパイロットとして認識されないようで、アウラはメモリアを持ったまどかの “体” (心はユリカノ) ではなく、まどかの
“心” を持ったユリカノの体を助けに行きました。


但し、ウォクスをまともに動かすためには、ユリカノが言っていたように、“心” と “器” が一致している必要があるようです。


ユリカノは、自分が本物だと信じさせるために、イゾに恥ずかしい過去話を聞かせたり、自分からヴィラジュリオしか知らない
事実を捲くし立てるところが面白かったです。この、裸でイゾにしがみついた話とか、目分量で料理をするところなんかは、
「暁月のメモリア」 を読んでるとよくわかるエピソードかなと。


でも、ランに痛々しそうな目で見られて、頭を抱えたりする行動は、まどかにそっくりな気がしなくもないです。



3話のラストで、ヴィラジュリオが見上げていたオービッドが、アルヴィリウムと違うように感じたんですが、配色が変わってる
せいで、そう見えたみたいです。公式サイトによると、外見も結構変わってますし、名前も 「アルヴィリウム・セペラ」 となって
いるようで、12話でレ・ガリテに蜂の巣にされた機体を改修した、ということのようです。


レ・ガリテ艦内の異変について、ユリカノ (見た目はまどか) が 『この異変は、私がこちら側の世界に現れてしまったのが原因』
と言ってますが、本来 “輪廻の向こう側” に在る筈のユリカノの “心” がこちら側に在ることで、輪廻の向こう側とこちら側の境界
が、強制的に開いてしまってる状態…という感じなんでしょうか。


ユリカノが “輪廻の向こう側” から “こちら側” に戻って来ようとしないのは、それも理由のひとつとしてありそうですが、一番の
理由は、やはり自分の持つ力のせいで争いが起きることに心が耐えられなかったからでしょうし、自分が愛する人 (ディセル)
に思いを伝えることが許されない、という苦しみもあったのかな、と。



デ・メトリオを破壊しようとしているディセルマインに思いを伝えてしまえば、デ・メトリオの王女という立場を捨てて、兄である
ヴィラジュリオと戦うことになってしまうし、逆にディセルマインを否定してしまえば、ディセルを止めるために、戦わなければ
ならなくなる。


それならば、いっそ自分の力を封印するのと同時に、“輪廻の向こう側” に引き篭もってしまった方が、心を痛めなくて済むから
…ということなんでしょうか。


しかし、こんな健気なユリカノの事を愛しているにも関わらず、ユリカノの抜け殻にまどかを押し込めてしまえとか、それだけ
“王” としての責任感が強すぎるにしても、ディセルマインはどこまでが 「表」 で、どこまでが 「裏」 なのかが分かりにくいです。


これで、ユリカノの心は “輪廻の向こう側” に戻ってしまったんでしょうけど、体も一緒に消えたのをどう捉えればいいのかな。
それに、4話までユリカノの器に入っていた幼い精神は、どこに行っちゃってるのかな、とか。



デ・メトリオとレ・ガリテの問題に関しては、結構長引きそうでしたが、これで一旦停戦して講和会議の流れになるんでしょうか。
まぁ、実際には千年問題は何一つ解決してるわけではありませんが、ユリカノの涙を見てもまだグダグダ言う気なら、二人とも
まどかに粛清されて目を覚ました方が良いでしょう、ということで。


さて、ここからはいよいよ “輪廻” に関する謎解きが始まるのかな、と。二万年前に暴走はあったのか、ウォクスとは何か、
輪廻とは何か、そしてラグランジェとは何か。ようことアステリアが活躍しそうな感じですが、モイドが不気味な存在ですかね。



まるっ。



―― 第六話 「鴨川にも届け、この声」 (了)




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