原作:黒神遊夜氏、作画:神崎かるな氏の新感覚剣道活劇 「しなこいっ」 第4巻です。
掲載誌は 「月刊コミックラッシュ」 。
【収録話】
二十二本目 : 「ラブコール」 | 二十六本目 : 「三千世界の烏を殺し主と朝寝がしてみたい」 |
二十三本目 : 「待人来たる」 | 二十七本目 : 「めざせ魁星旗」 |
二十四本目 : 「Time Limit」 | 二十八本目 : 「天敵」 |
二十五本目 : 「病院へ行こう」 | 二十九本目 : 「オロチの結界」 |
カバー絵が初の男キャラになりましたが、主人公格の龍之介と和巳を差し置いて、乱歩とは意外でした。
今回冒頭で、龍之介と祥乃の駆け引きについての解説がなされていますが、剣道用語については造詣が無いので、
「先々の先」 とか 「後の先」 などなかなか理解は難しかったです。でも例として龍之介と桜の稽古(先々の先)と、
龍之介と安吾との戦い(後の先)の絵を載せてくれたおかげで、大体のイメージはつかめました。
「先々の先」 とは、相手の懸かり (仕掛け?) の動作を察知した上で、相手が仕掛ける前に自分から仕掛けること。
「後の先」 とは、相手が先に仕掛けてきた動きを読んで、応じ技、抜き技を使って応戦すること…って感じでしょうか。
龍之介の雲耀は、これらの 「先」 を取ることで優位に立つ技なのに、祥乃はその仕掛けの 「起こり」 を見せない戦法で
あるために、龍之介が雲耀で 「先」 を取ることが出来ない、というのが龍之介と祥乃の攻防のようですね。
それでも龍之介は、体感速度が書き換えられたことで、本来 「見えない」 筈の祥乃の攻撃を見切ってしまっていると。
龍之介は虎春の雲耀を見切る可能性を秘めているということですが、今まで謎だった鳴神の雲耀に関しては今回 「迅雷」
と呼ばれていることが明かされました。これは龍之介の 「疾風」 に対なる雲耀として、この名前が付けられてるのでしょう。
そして1巻で龍之介が安吾と戦って血を流した時に、『自分のなら気にならない』 という台詞があって、誰の血なら気になる
のかちょっとわからなかったんですけど、今回龍之介の子供の頃に、母親(辰子)が寅に倒されて龍之介に手を伸ばした時
らしきイメージが出て来たことで、母親の血がトラウマになってるんだろうこともわかりました。
「番号」 については、鳴神忠勝 (虎春の父) が作ったランキングであること、そして一番がトップランカーと呼ばれている
ことから、番号が若い方から強い順になっているということ。それと 「上位11人」 ってことは、九番と十番になるまでの
乱歩や鯨のように、番号を持っていない 「控え」 のメンバーが他にも居るってことでしょうか。
ただ 「ランキング」 というからには上下したりもするんだと思いますが、そもそも寅が辰子を倒して二番を奪ったり、
”番号持ち” 同士がどういう間柄になるのかが、よくわかっていません。
ついでに出てきた新しい番号持ちの情報、桜の天敵と呼ばれる棒使い、八番 「八寝間齊天(はぬませいてん)」。
虎春の派閥に属しておらず、ぶつかることは無い…という言葉は、逆に今後ぶつかる可能性があることを感じさせます。
その齊天(長物使い)対策として、今回は北河と桜の稽古もありました。
素人考えだと、長竹刀と短剣道用竹刀では北河が圧倒的有利とも考えてしまいますが、長物使いにとって機動力の高い
短剣使いも、天敵と言えるようですね。特に桜のような高速の足技を使う相手は、厄介ということになるんでしょう。
桜の祖父、先代の跳ね馬を忠勝と寅が訪ねてきたというエピソードも出て来ましたが、荒馬はこの二人に倒されたという
ことなんでしょうか。以前荒馬は病に倒れたと安吾が言ってたので、この二人の来訪と荒馬の死は無関係なのかな…?
そして龍之介の父親についても話題にあがりましたが、こちらは玲子と美子の追求をかわすための嘘も交えてるのか、
龍之介が実際に母親を捨てた父親を捜してるのかが微妙なところです。
とまぁ、ガチな剣道部分や伏線ぽい部分もありましたが、今回はどちらかというとギャグとラブコメ要素が強かったですね。
特に同棲ネタのギャグは、桜の 「つけてない」 とか石田彰さんおススメ(笑)の、「龍之介クンの実践講座」 とか、よくこんな
こっぱずかしいシチュエーションを考えるもんだと妙に感心してしまいました。
個人的に、今巻のギャグで一番笑えたのは 「シャチホコ!」 でした(笑)。舞台が名古屋(?)だからか、名古屋ネタは
ちょこちょこ入りますね。ミーコと玲子は、ギャグ要員としていいアクセントになってます。
しかし展開の突飛さは相変わらずで(一応褒め言葉)、突然出てきた美咲優の剣道部員紹介と桜の勧誘が始まったので、
そのまま桜が剣道部に入部して本格剣道部活漫画に移行していくのかと思ったら、あっさり断られてるし。雑賀に関しても、
『あの事件』 とか意味深なことを言いかけてそのまま投げっぱなしにするしで、ホントにペースがつかめない漫画です。
今後は、番号持ちバトルと学園ラブコメが並行して展開していくんでしょうか。読み始めた当初は 「萌え」 の要素はあまり
感じていなかったのですが、最近はだんだん桜が可愛く見えてきたから不思議です。
CRコミックがなかなか売ってなくて、たまたま売ってる書店で買ったら、巫女桜のペーパーが貰えました。
ただ、印刷状態があんまり良くないですねぇ。
―― しなこいっ 第4巻 (了)
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