ToLOVEる-とらぶる- ダークネス 第6巻 矢吹健太朗/長谷見沙貴



脚本:長谷見沙貴氏、漫画:矢吹健太朗氏の学園ラブコメディ 「To LOVEる ダークネス」 の第6巻です。
掲載誌は 「ジャンプスクエア」 。


【収録話】

第21話 : 「Rain〜また、今までのように〜」第24話 : 「The door of fate〜そしてこれから〜」
第22話 : 「After a storm comes a calm〜ともだち〜」番外編 : 「Anxious(1)〜これで大丈夫?〜」
第23話 : 「Summer festival〜祭りの始まり〜」番外編 : 「Anxious(2)〜悩める乙女と兄〜」

※エロ画像はありません


遂に “トランス兵器” としてのメアの正体を知ってしまい、さらにメア本人からは 『友達ごっこ』 を終わりしようと言われ、
かなりショックを受けてしまった様子のナナ。そんなナナの心情を慮ったリトは、ナナと話をするため、そして “あの事” を
伝えるために、ナナ達の部屋へと向かいました。


しかし、いつも通りのラッキースケベに遭遇して、シャワーを浴びて真っ裸のララにダイブ。しかも 『なじみ深い感触』 …って、
手に感触が馴染むくらい、普段からララの胸を揉んでるってことですか (笑)。


そして、ナナを元気付けに来たリトに 『ありがとう』 と言うララは、普段は能天気なように見えますが、いつも妹達のことを
気にかけている優しいお姉さんです。以前も、ケンカしたナナとモモを仲直りさせるために、発明品を暴走させてたという話が
ありましたが、今回もナナの態度からメアとの間に何かあったことを察して、でもそれをナナに聞いていいか悩んでいたようです。


それでも、リトがナナと話をしに来たと聞いて、安心しきった笑顔を見せるララは、本当にリトを信頼しているんだということが
わかりますし、リトの方もそんなララの期待に応えて、見事にナナを立ち直らせてみせます。



泣きじゃくるナナを抱きしめて、“あの事” ―― メアの心の中が、不安と孤独でいっぱいだったということを伝え、メアに隠し事が
無くなった今なら、前よりもっと仲良くなれるとアドバイスし、ナナに 『もう一度メアと話してみよう』 という勇気を与えました。


普段は奥手なように見えて、泣いている女の子を躊躇せずに抱きしめてあげられる辺りが、春菜やララや唯を惹きつけたリトの
優しさだと思いますが、後になって自分の行動を思い出して、恥ずかしさに身悶えしてるところも、リトらしいと思います。


今回の件で、今まで以上にリトを意識することになってしまったナナは、系統としては唯と同じツンデレに属すると思いますけど、
そこに子供っぽい甘えたがりな部分が加わる感じかな、と。でも、リトの温もりが忘れられなくて、すぐにリトのベッドに潜り込もう
とした積極性は、やはりララやモモの姉妹と言うか、血は争えない感じですかね。


自分を “兵器” だと自覚した上で、それを受け入れてくれたナナと 「もう一度」 友達になることを選んだメア。しかし同時に、
ナナ達の居る世界と自分 (とヤミ) が居る世界の間に、“壁” があることを再認識することにもなり、兵器はこの町 (彩南町)
に居るべきではない…という思いを強くしてしまったようでもあります。



そして、そんなメアの考えを否定しなかったヤミもまた、自分が “兵器” であり、殺し屋 「金色の闇」 であることから未だに
抜け出せていないことを示唆しています。モモも 「ハーレム計画」 を推進する上で、それが障害になることを危惧しており、
ヤミが今でもリトのことを “標的” と呼んでいるのが本心だとしたら…と警戒しているようです。


その 「ハーレム計画」 ですが、今回はリトからモモに対して、一歩踏み込んだ質問がありました。
それは、本来リトの恋路には無関係の筈のモモが、積極的に 「ハーレム計画」 を推し進めている “真意” について。


もちろんそれは、モモがリトに 「愛されたい」 という、個人的欲求からなのですが、モモは、ララや春菜の気持ちを知っている
ために、自分がリトの寵愛を受けることで、二人の障害になってはいけないことも理解していますし、また独占欲も無いので、
「リトのハーレムの中の一人」 として紛れ込めればいいと考えている。


でも、その真意をリトに知られてしまったら…リトはきっと 「ハーレム計画」 に反対するだろうという不安もある。だから、ララや
春菜や 「皆のため」 という大義名分をかざして、リトが迷っている間に、リトの逃げ場を無くしてしまおうと思っているようです。


そして、モモの思惑通りに、唯もルンもナナも今まで以上にリトを意識するようになり、「ハーレム計画」 は順調に推移している
かのように見えます。モモの想像するハーレムの中に美柑が入っているのが、どういう扱いなのかは気になりますが (笑)。



しかしそこに現れたのは、「ハーレム計画」 の最大の障害となる 「ダークネス計画」 を進行させる、メアのマスター・ネメシス。
意外にも美柑とあまり変わらない年齢に見える、褐色のロリ娘でしたが、ツリ目の美人さんで言葉使いも不遜な感じなので、
見た目よりだいぶ大人びています。まぁネメシス自身も、『変身能力の前では、外見など何の意味もない』 と言ってますが。


ネメシスが残した言葉 『"闇" 【ダークネス】』 とは、以前ネメシスが 『変身 "闇" 【トランス・ダークネス】』 と言っていたように、
やはりトランス形態の一種のようです。ティアーユが 「禁断のトランス」 と呼んでいるそれは、ヤミの心が完全にダークサイドに
堕ちた時、発現するようなもの…なのでしょうか。


今までメアを使ってヤミの “心” を探ってきたネメシスでしたが、ヤミが今でも自分を “兵器” だと自覚していることを知って、
ネメシス自身が直接導かなくても、ヤミはいずれ "闇" に目覚める…との考えに至ったようです。


それを阻止するためには、ティアーユが言う通り、ヤミを想ってくれる人々とヤミ自身が、今まで以上に心を通じ合わせることが
必要なのでしょうけど、今までララやリトや美柑と一緒に過ごして来て、それでも自分が “兵器” だという考えが変わらなかった
ヤミの心を、果たして変えることが出来るのか。


まぁそれはともかく、個人的にネメシスは外見も性格も好みだったので、楽しみな存在になって来ました。



今回は、ララ・ナナ・モモの母親 (デビルークの女王) が確か初めてシルエットとして登場しましたけど、遂にリトのハーレムに
人妻が入るんでしょうか (笑)。“女王” ってことは、デビルークは武力のギドと、政治の女王という二頭制なのかな。


そして、「ダークネス計画」 のストーリーでは出番の少ない唯ですが、今回は浴衣を披露してくれたので、良しとします。
リトに 『浴衣いいな!』 と言われた時の、嬉しいけどその感情を素直に出せない微妙な表情が、唯らしくていいですね。
しかし、『は…』 ってのは何を言おうとしたんでしょう。『ハレンチな』…、『恥ずかしい』…、それとも引きつった笑いなのかな。


おまけイラストでは、セリーヌによってリトと二人でマフラーを共有させられているのが幸せそうで、もう美柑を入れて四人で家庭
を作っちゃえばいいじゃない。でも、ダークネスを読んでると、リトの恋人に一番近い存在が、唯に見えてくるから不思議です。
但しこれには、個人的願望が多分に含まれていることも否めません。


番外編は、リトが美柑のパンツになる話です。これだけ書くとまったく伝わりませんが、事実なんだから仕方ありません。
『今はパンツになりきるんだ、オレ!!』 …… って、どうやったら 「パンツになりきれる」 のか、教えて欲しいです (笑)。



―― ToLOVEる-とらぶる- ダークネス 第6巻 (了)




画像の著作権は全て著作権者に帰属します : © Kentaro Yabuki 2012 / © Saki Hasemi 2012



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