輪廻のラグランジェ 第六話 「風と火と水と鴨川と」



「輪廻のラグランジェ」 の第6話。
原作・制作協力:Production I.G、総監督:佐藤竜雄氏、監督:鈴木利正氏、シリーズ構成・脚本:菅 正太郎氏


「風と火と水と鴨川と」 シナリオ:菅正太郎氏、絵コンテ:吉川博明氏、演出:近藤一英氏




まどかの行動原理はいつでも単純明快。「困ってる人が居れば必ず助ける」 のジャージ部魂です。だから、“同志” である
ムギナミが泣かされて黙っていられる筈もなく、ヴィラジュリオを 『ぶっ飛ばす!』 と曇天の中を飛び出していきます。


ランの方も、ムギナミは立場上 “敵” とはいえ、さすがにヴィラジュリオの言葉には怒りを感じたようで、珍しく 『ぶっ倒そう!』
と、強い意思表示を見せています。しかし、その意気込みは 「鴨川エナジー」 に吸い取られ、出撃前にダウン状態に(笑)。


千葉県で激甘な飲み物というと、「マックスコーヒー」 が思い浮かびますけど、あんなイメージなんでしょうか。相変わらず
キリウスが大真面目にバカなコメントをしてるところは笑えましたが(笑)、まどかとヴィラジュリオは鴨川エナジーを平気で
飲んでる辺り、案外この二人は似たもの同士かもしれません。



ファロスが戦闘配置に入った時に流れてたギター曲は格好いいなぁと思いました。ラグりんの曲は好きな曲が多いですけど、
戦闘シーンなんかで流れる曲は、特に良いのが多いと思います。それとこのシーンは、いつもの鴨川の青空と違って、嵐を
予感させるような空の下、光の軌跡を描いて2機のウォクスが発進して行くのが格好良かったです。


そして今回は、モイドがメモリアについて、意味深なことを言ってます。『メモリアは誰にでも出来るというものではないのに』、と。


まどか、ラン、ムギナミ、それとスピンオフの 「暁月のメモリア」 に出て来る、デ・メトリオの王女ユリカノもメモリアしてるみたい
ですが、この四人に共通することは 「若い女性」 ということくらいです。他に何か、メモリアするための条件があるのかどうか。



『人のためとか何とか偉そうなことばっかり言って、ジャージ部も何もかも、あんたのやってることは全部、自分のためなのよ!』


まどか自身は、人のためとか自分のためとか、そんな小難しいことを考えずに 「ジャージ部」 をやってるんだと思いますが、
“同志” だと思っていた相手から、まどかの “心” に従って活動する 「ジャージ部魂」 を否定されたことには、少なからず
ショックを受けたでしょうね。


ムギナミのヴィラジュリオに対する気持ちが、異性への愛情なのか、家族への愛情なのかはわかりませんが、まどかから
見れば、殺されそうになってまで、ヴィラジュリオをかばう気持ちもわからないでしょうし。


ただそれは、ムギナミが言う通り、まどかがムギナミのことをまだよく知らないということでもあるでしょうし、またヴィラジュリオ
のことを知らないということでもあります。逆を言えば、ムギナミもまどかのことをよくわかっていなかったからこそ、勢いとはいえ
これだけ辛辣な言葉を浴びせてしまったんだと思います。


まぁ、そのくらいムギナミとヴィラジュリオの繋がりが、強いものだということなんでしょうけど、それだけにヴィラジュリオの
行動には、解せない部分があることも否めません。



ヴィラジュリオは、ムギナミを戦いから遠ざけるために、わざと悪役になって突き放したような言葉をかけたのかと思ったん
ですが、今回の攻撃は完全にムギナミを狙ってましたし、たとえムギナミを殺してでも、ウォクスの破壊を優先しようという
ことなんでしょうか。ただそれなら、アウラの暴走を見て 『それでいい』 と言ったのが何なのかな、と。


モイドも 『これが、ヴィラジュリオの狙い』 と言ってるので、むしろウォクスを暴走させることが目的だったかのような感じにも
見えますが、モイドも 『まさか、何のために…』 と言ってるように、ヴィラジュリオが “輪廻” を開いて何をするつもりなのか、
この辺の目的が今ひとつ不明ですね。


そしてモイド自身も、 『輪廻が開いた!』 と珍しく狂気に近い感情を見せているように、レ・ガリテの目的もまた 「輪廻を開く」
ことと関係あるんでしょうか。



結局ウォクスの暴走を招いたのは、まどかの感情の変化と無関係ではないようですが、単純に 「怒り」 の感情に反応するなら、
ムギナミのイグニスも同じことになりそうですし、そもそも今回の暴走は、アウラ以外では起こりえない現象なのかどうか。


“萌葱の大鬼” がアウラならば、「天を裂く= 輪廻を開く」 ことになるのかもしれませんけど、伝説には浅葱の大鬼(リンファ)と
柑子の大鬼(イグニス)も出て来ているので、暴走したウォクスが1体だけであれば、2万年前と同じような破壊は起こらない
ということなのかもしれません。


とりあえず今回は、かなり重要な伏線になりそうですね。



まるっ。



―― 第六話 「風と火と水と鴨川と」 (了)




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