「デート・ア・ライブ DATE A LIVE」 原作:橘公司 |
第10話 「炎の精霊 (イフリート)」。脚本:白根秀樹、絵コンテ:古川順康、演出:高林久弥、作画監督:澤田譲治
「富士見書房40周年記念アニメ」 と銘打たれた、「デート・ア・ライブ」。原作は未読です。
前回、狂三が発生させた 「空間震」 を、同規模の揺らぎをぶつけて消滅させ、大空に舞い降りた “炎の精霊” 五河琴里。
その身に燃え盛る炎を纏い、その手に戦斧 ―― 天使 “カマエル” を携えたその姿は、紛れも無く “精霊” に見えますが、
しかし琴里は “人間” として五河家に生まれ、5年前に突如として精霊の力を宿したのだということです。
果たして5年前、琴里の身に何が起きたのか。
『精霊は人間ではない。人間もまた、精霊ではない。だがしかし、なのに何故 ―― 五河士道は、今、混乱していた』
今回のナレーションでは、思いもよらない姿で現れた妹、琴里を目の当たりにした、士道の胸中を代弁しています。
でも、このアニメで普通のナレーションをされると、少し物足りない気持ちになっている自分が居ます (笑)。
5年前と言えば、確か25年ほど起こらなかった 「空間震」 が、天宮市で再び発生したと言っていた頃なので、この時に琴里を
“精霊” (の力を持つ者) に変えた存在が、「空間震」 を伴って天宮市に現れた…ということなんでしょうか。
しかし、琴里は自分が精霊の力を得た時の出来事を覚えていないといい、5年前には既に五河家の養子となっていたらしい
士道は、琴里が精霊化していたことすら覚えていませんでした。作中で士道の記憶に関しては特に触れられていませんけど、
“実妹” の真那の事も覚えていませんでしたし、いつ頃からかの記憶が抜け落ちているのは間違い無さそうです。
これに対して琴里が、『あるいは、二人とも誰かに記憶を消されたとか』 と言ってるのが、かなり核心に近いのかなと思います。
今の段階で怪しいのは、ラタトスクかDEM社辺りだと思いますが、もしかしたら真那の記憶を消したのも同一の存在なのかなと。
「ラタトスク」 は琴里 (というか五河家) が作った組織なのかと思ってましたが、琴里は 『見出された』 と言ってるので、別の
“誰か” によって作られた組織みたいですね。士道に精霊の力を封印する能力があることを知って、精霊との対話役に選んだ
のもラタトスクだということですし、どうやってそんな事を調べたのかも含めて、ラタトスクにはかなり謎が多くなってきました。
士道の 「再生能力」 については、「精霊の力を封印していたから」 再生出来たわけではなく、 「琴里の力を封印していたから」
再生出来たというのが正しいようです。今回、狂三の 「zayin」 で時間を止められて、あれだけ銃で撃たれても、すぐに傷を再生
してしまう程の琴里の能力を封印していたからこそ、『1回くらい死んでも、すぐにニューゲーム』 が出来たわけですね。
しかし、十香は今まで士道のピンチに何度か自分の力を取り戻そうとして、一部だけしか取り戻すことは出来ませんでしたが、
琴里は 『ほぼ100%の力を引き出した』 と言っているので、士道に 「預けた」 霊力を自分の意思で引き出す方法を知っている、
ということになるんでしょうか。
ただ、十香のように引き出した力が一部だけであれば、士道に自然に力が戻るようですが、琴里のようにほぼ全ての力を
引き出してしまった場合は、「再封印」 するしか無くなると。そして、あと2日で 「再封印」 が出来ないと、令音が言ったとおり
『琴里はもう、君の知っている琴里ではなくなってしまう可能性がある』 ということになるようです。
これは恐らく、狂三との戦いで見せた “暴走状態” のまま、琴里の人格が固定されてしまうってことになるんだと思いますが、
あれは何なんでしょうねぇ。琴里が 「精霊の力」 を持たされた時に、別の人格も植え付けられたということなのか、それとも
琴里は精霊の力を 「持たされた」 のではなく、精霊そのものが琴里の体に入り込んで、その人格が現れ始めてるということ?
それに、現在 “精霊” として認識されている十香や四糸乃や狂三も、「元は人間」 という可能性が出て来たという風に考えて
いいのかどうか。まぁそれだと、どうして琴里だけ人間だった時の記憶が残っているのか、という疑問も発生してしまいますが。
前回は、天敵の真那に対して力の差を見せた狂三でしたが、今回は琴里の圧倒的な攻撃力を前に、為す術もなく敗れました。
狂三の天使ザフキエルは、「alef」 から 「yud-bet」 まで12の能力があるのかと思いましたが、今回も前回から使っていた3つ
「alef」 、 「dalet」 、 「zayin」 しか使いませんでしたし、他に能力は無いということなのかな。
そして、カマエルの “メギド” から身を守るために、「履歴」 の自分を盾として使っていたように、やはり今戦っている狂三が
殺されてしまうと、二度と生き返ることは出来なくなりそうです。
しかし、真那が今までに 『何度も殺して続けて来た』 と言っていた狂三が、全て 「履歴」 だったように、滅多に表舞台に出て
来なかった (と思われる) “本物” の狂三が、殺されたら終わりのリスクを負ってまで、今回士道の前に姿を現したというのは、
士道を 「食べる」 という目的が狂三にとって、リスクに見合うだけの価値を持っている…ということになるんでしょう。
そんな中、狂三とは別の意味で本能の赴くままに行動する、 「攻めの姿勢」 の折紙さん。十香が無事と聞いて舌打ちしたり、
士道の気を惹くための猿芝居やおんぶまではともかく、指チュパまではさすがにやりすぎだと思いましたが、その後の5年前の
出来事の告白で、それまでの空気を一変させました。
前回、琴里を見上げる折紙の表情で予想は出来ましたが、やはり折紙の両親を殺したのが琴里らしいということ。本来ならば
何かの誤解だろうと考える所ですが、琴里自身が精霊化すると 『自分が制御出来なくなる』 と言っているのを聞いた後では、
否定出来る材料が乏しいのも事実です。
今回は久しぶりに出番があった四糸乃ですが、目を覚ました士道にお医者さんごっこ (?) をしている所を見られて、慌てて
よしのんを後ろに隠すところとか、令音が士道を落ち着かせるのを指の隙間から見てるのが可愛かったです。でも、その後は
ずっとつまらなそうにしてたので、士道にはもっと四糸乃を構ってあげて欲しいところです。四糸乃の 「ヒーロー」 なんですから。
これで次回は琴里の再封印として、最終回は逃亡中の狂三を封印することになるのかな。原作を読んでないので、ストーリー
的に全体のどの辺まで進んでるのかがわかりませんが、結構伏線も回収されずに残ってますので、どんな終わり方になるのか
ちょっと想像しにくい展開になってます。
とりあえず、現在登場している精霊を全員封印して、「俺達のデートはこれからだ!」 で終わる感じでしょうか。
出来れば、早めに続編の制作決定とか発表してくれると嬉しいんですけど。それと、四糸乃の出番を増やしてください (笑)。
―― 第十話 「炎の精霊 (イフリート)」 (了)
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