輪廻のラグランジェ 第三話 「鴨川にランの花咲く」



「輪廻のラグランジェ」 の第3話。
原作・制作協力:Production I.G、総監督:佐藤竜雄氏、監督:鈴木利正氏、シリーズ構成・脚本:菅 正太郎氏


「鴨川にランの花咲く」 シナリオ:野村祐一氏、絵コンテ:佐原亜湖氏、演出:飯村正之氏




まずは前回の続きから。キリウスの登場で一時的に二対一の状況になりましたが、イゾはアレイの救出に向かったようで、
戦闘はキリウス対まどかの一騎打ちとなりました。


キリウスの言葉によると、目的はウォクスの奪取だけではなく、まどかも一緒にデ・メトリオに連れて帰るつもりだったようです。
これはさすがに、ウォクスがメモリアした当人でなければ動かせないということを知っていたんだと思いますが、レ・ガリテとの
戦いにまどかを参加させるつもりでいるってことなんでしょうか。


強力な兵器であるウォクスの力を手に入れたいのはわかりますけど、そこに何の関係もない地球人の力を借りて…というのは、
戦ってる当人達からしてもどうなのかな、って気はするんですが。それとも、何か別の目的があって、ウォクスとまどかを連れて
帰るつもりなんですかねぇ。



まどかとキリウスの戦いは、ギャグ交じりで面白かったですね。白刃取りを失敗したりとか、オービッドに首締めしたりとか。
それを見たキリウスが、あさっての方向に全力で深読みするのが笑えました(笑)。それと、まどかが突然歌いだした変な歌。


「ジャージ部の歌」


アカペラでこれを歌いながら、ホームランを打ったりとか、アウラで 「まるっ」 をやってさちとみちに正体がバレたりとか、
まどかがパイロットとしては素人なのをいい方向に利用して、動きにも面白さが出ていると思います。



それはいにしえの古物語


萌葱の大鬼 天を裂き、浅葱の大鬼 星を喰い、柑子の大鬼 闇を吐き、数多の贄で地に納む
心の淀みを与うれば、まなしに目覚め 鬼は立つ、放つはならぬ、決してならぬ ――


ウォクスの言い伝えが何を意味するかはまだわかりませんが、ランはまどかがその言い伝えを知らないから、ウォクスを上手く
扱えるんだと言ってますが、それはたぶん違うんじゃないかな、と。


まどかはたとえ言い伝えを知っていたとしても、同じようにウォクスを動かしてみせるような気がします。


『出来ることは無くても、やらなきゃならないことはある』


そして、何も知らないまどかを自分が恐れるウォクスに乗せてしまったランは、今さらながらに自分のしたことの重さに気づき、
まどかを助けるために立ち上がります。たとえウォクスに乗せる詭弁だったとしても、ランはまどかの同志になると約束しました。
同志とは、同じ志を持って歩んでゆく仲間のこと。その言葉に従うなら、まどかと共に戦うことが自分がやるべきことなのだと。



この辺りからまどかとランが絆を深め、ランが覚醒してリンファを起動させる流れは格好良かったです。
そして最後にまどかが三度目の正直で、白刃取りを成功させるかと思ったら、ランが成功させちゃうところも面白かったですね。


エンディングの前に、海辺に椅子が並んでるのが出てきますが、これってまどかの椅子とランの椅子で、二人の距離感を
表現してるっぽくて、なかなか面白い演出だと思います。


二人 (の椅子) が夜の海に向かって、寄り添っている姿が何とも印象的でした。



まるっ。



―― 第三話 「鴨川にランの花咲く」 (了)




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