しなこいっ 第2巻 黒神遊夜/神崎かるな



原作:黒神遊夜氏、作画:神崎かるな氏の新感覚剣道活劇 「しなこいっ」 第2巻です。
掲載誌は 「月刊コミックラッシュ」 。


【収録話】

八本目 : 「オロチ」十二本目 : 「GIRL MEETS BOY AGAIN」
九本目 : 「六番」十三本目 : 「一点豪華主義」
十本目 : 「だって私 お母さんだから」十四本目 : 「ENCOUNTER」
十一本目 : 「もうひとつ」



1巻は伏線張りまくりながら突っ走っていましたが、だいぶ落ち着いて進行し始めたので、整理出来て来ました。


構図としては、雷神・鳴神虎春(二番)を頂点とする 「番号持ち」 と呼ばれる組織(?)があって、榊龍之介(四番)や
北河和巳(五番)も番号持ち。さらに、遠山桜の師範であり "予備番" (十一番) を持つ猪口安吾が、桜を番号持ちに
させない為に、桜が受け継がされようとしている番号(六番)を兼任している状況…と。


ただ、そもそも 「番号持ち」 が何をするのかが不明なままですし、虎春と反目してる龍之介や和巳が同じ 「番号持ち」 と
なっている理由もまだわかりません。前巻時点では桜の立ち位置が分からなかったんですが、桜も仮の番号持ちであり、
龍之介達と安吾が同盟を結んだということで、虎春グループ vs 龍之介グループの対立という図式は、はっきりしました。



それぞれの剣術は、龍之介と和巳が示現流で、龍之介は足技(雲耀)使い、和巳は超長竹刀を得意とするようですが、
一点豪華主義ではなく、鳴神を倒すためにあえてスタイルを転向したようです。安吾は柳生新陰流で、力比べでは
和巳でさえ歯が立たないほどの怪力の持ち主。


そして桜は短剣道+サブミッションで、祖父の荒馬と同じスタイルならコマンドサンボの使い手でしょうか。
鳴神側は、トップの虎春、藤林祥乃や、今回登場して来た佐東鯨と面木乱歩も含めて、剣道スタイルはまだ不明です。



「雲耀」 は桜に 「不可視の魔剣」 と言われてましたが、龍之介の雲耀は 「疾風」 と呼ばれる足さばきで、地面スレスレを
飛ぶようなすり足。桜の 「跳ね馬」 も足さばきですが、見たところ跳ね馬は疾風と違って 「跳躍」 といった感じでしょうか。


虎春の雲耀は1巻で見せた構え(フォーム)から、足さばきでは無さそうな気がします。ただ、雲耀と呼ばれるものの特性が
「不可視」 ならば、何かしらの方法で視界から消えるのか、目にも止まらない速度を持つ剣さばき辺りかなと。



今巻は状況整理の意味合いもあってか、バトルは少なめで解説とギャグが多めに進行していました。


この辺は、単純明快な剣道バトルとして読む分には物足りないかもしれませんが、こまい設定とか伏線とか好きなので
個人的には良いと思います。ギャグとしても、この漫画最大の謎、安吾師範が女だという吹雪の爆弾発言から、安吾が
和巳に抱きついてキスする辺りはかなり笑えました(笑)。


そして、今巻の最後になって 「番号持ち」 同士の戦いも始まって来ました。既にバトル真っ最中の安吾と乱歩の他、
龍之介は祥乃と、桜は鯨と戦うことになりそうです。とりあえず、剣術に制体技を組み合わせる桜の戦い方が新鮮で
面白そうなので、次巻はバトル部分に期待出来そうです。



―― しなこいっ 第2巻 (了)




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