アイドル育成シミュレーション 「THE iDOLM@STER」 のTVアニメ第十三話。
今回は、遂に開催された765プロALL STARライブ。ここまでの道程を乗り越えてきた先に見えて来たものは――。
アイマスといえばライブ…ということで、待ちに待った1stライブ 「てっぺん目指すよ!」 が開幕。
しかし、気合の入る出演者サイドとは裏腹に、今ひとつ盛り上がりに欠ける観客席。その理由は、竜宮小町の不在。
正直、ここまで人気に差があるものだとは思ってませんでしたが、事実上今の765プロの人気のほとんどを背負ってるのは、
竜宮小町の3人だったようで、残りの9人は観客からも前座扱い。人気商売のヒエラルキーを目の当たりにさせられます。
そして、竜宮小町がなかなか来ない焦りと、観客のボルテージを上げられない不安は、思わぬアクシデントを生み出します。
普段の和気藹々とした雰囲気は消失し、響と真は些細なことで口論となり、真美は軽率な行動で雪歩のステージ衣装を
引き裂いてしまい、不安に耐えられなくなった雪歩は泣き出してしまう。止まらない悪循環。
しかし、負のスパイラルから仲間たちを救い出したのは、またしても春香でした。
『今は、お客さんにどう見られるかより、自分たちが何を届けたいかを考えることにしない?』
たとえほとんどが竜宮小町目当ての観客であっても、自分たちはそのお客さん達に見てもらうためにここまでやって来た。
どう見られるかは関係ない。少しくらい不恰好でも構わない。今まで必死にやって来た努力は、嘘をつかない筈だから――。
だから、自分たちの思いを届ければ、きっとそれは伝わるはず。一生懸命な気持ちを、歌を、心を。
思いを届けることが出来なくて、悔しい思いをしている竜宮小町の3人の分まで。それが今の自分たちに出来ること。
春香はドジっ子、慌て者というイメージがありますが、本番などでは誰よりも落ち着いて状況に対応する器用さを見せます。
雪歩の時も、千早の時も、そしてこのライブのレッスンの時も。決して自分から引っ張っていくタイプでは無いけれど、自然と
春香の言葉によってにみんなが落ち着きを取り戻し、ひとつにまとまっていく。
「みんなまとめてアイドルマスター」 の765プロに、決まったリーダーは居ませんが、ともすれば没個性として埋まりがちな
春香のポジティブさと、時折見せる自然なリーダーシップを、アニメ版では上手く表現出来ていると思います。
逆に、前向きキャラのイメージが強いやよいは、雪歩と共にネガティブな思考になることが多い気がしますけどね。
そしてアイマスもう一人のセンターポジション、美希の頑張り。元々才能があって、竜宮小町に入りたいという意欲があって、
それでも少し浮ついたところがあったのは否めないけど、それも前回の挫折を乗り越えたことで、真剣さが増して来ました。
『想いはきっと届く』 という春香の言葉どおり、『きっと竜宮小町以上に輝ける』 というプロデューサーの言葉どおり、
もっとワクワクしたい、もっとキラキラしたい、そんな美希の想いは観客の心にも届いて、会場の空気を一変させます。
美希が全てを出し尽くしたステージは、尊敬する歌姫・千早の心をも動かし、会場はさらに熱気に包まれていく。
そして疲労困憊で倒れそうになりながらも、満ち足りた笑顔を見せた美希は、やはり最高に輝いていたと思います。
ライブは遂にクライマックス。今まで懸命にレッスンを繰り返して来た新曲 「自分 REST@RT」。
作詞:佐々木宏人氏、作・編曲:田中秀和氏。作曲家の印象が強いさまんさんが作詞というのは、結構珍しいのかな?
イントロから一人ひと言ずつ言葉を繋いでいって、春香の号令から全員で鬨の声を上げるアイドルたち。
このシーンから、弥が上にもボルテージは最高潮に引き上げられました。「そして、彼女たちはきらめくステージへ」
● 真 | 『竜宮小町が!』 | ||
● 真美 | 『来るまで!』 | ||
● 雪歩 | 『私たち!』 | ||
● 千早 | 『歌って!』 | ||
● 貴音 | 『踊って!』 | ||
● やよい | 『最後まで!』 | ||
● 響 | 『力いっぱい!』 | ||
● 美希 | 『頑張るのー!』 | ||
● 春香 | 『行くよー!765プロー――…』 |
もちろんアイドル達の力だけで、これだけ大規模なステージが成功させられる筈もありません。プロデューサー、小鳥さん、
社長はもとより、裏方として働くスタッフたちの力があってこそ、ステージは進行できる。そんな大勢の心がひとつとなって、
アイドル達をステージ上で輝かせたいという思いの結晶として、最高の舞台というのは作られて行くのでしょう。
そして、それに応えるアイドル達もまた、成長した姿を見せてくれます。臆病だった雪歩は、カメラに向かってウインクし、
歌が歌えない仕事に不満を持っていた千早は、念願の晴れ舞台で満面の笑顔を見せ、亜美に追いつきたかった真美は、
やっと亜美に手が届くところまでたどり着き、子供の頃から憧れだったステージに立った春香は、精一杯の自分を届ける。
"輝いたステージに立てば 最高の気分を味わえる 全てが報われる瞬間 いつまでも続け 夢なら覚めないでいて"
「自分 REST@RT」 は、クライマックスを盛り上げるのに相応しいナンバーだと思いますし、歌詞もまさに今のアイドル達が
味わっているであろう気持ちそのままの歌詞で、CD化が待ち遠しい曲になりました。
そして今回は、 「マリオネットの心」 でもダンスがありましたが、「SMOKY THRILL」 に続くフルバージョンのダンスは、
やはり見応えがありました。9人のアイドルをこれだけアップテンポな曲にシンクロさせて、振り付け通りに動かすというのは、
想像以上に難しそうですが、それを完璧に仕上げたスタッフさんには、アイマスファンとして感謝の気持ちでいっぱいです。
"大空を飛ぶ鳥のように 翼を広げて羽ばたきたい どんなに遠くても行こう 憧れの世界 夢だけでは終わらせたくない"
今回は竜宮小町の不在という大きなアクシデントを設けた効果で、後半に進むに連れての気持ちの盛り上がり方が、
自分でも想像以上でした。その分竜宮小町は脇役に回されましたが、今回ばかりは仕方ないでしょう。
そしてエンディング曲の 「i」 と共に、今までの様々なエピソードを振り返る映像が流れる演出により、ここまでの12話分の
思い出が次々にフラッシュバックして、今日のライブをより感慨深いものにしてくれました。
最近は実際のアイマスライブにも足を運ぶことが出来ていませんでしたが、久しぶりにライブを見に行きたいという衝動に
駆られました。もし次のライブに行けたなら、今回の13話を見たことで、今までと違った一面を感じ取れるかもしれません。
―― 第十三話 「そして、彼女たちはきらめくステージへ」 (了)
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