ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第三話 「隊ノ一日・梨旺走ル」
アニメノチカラプロジェクトのオリジナルアニメ「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」の第3話、 「隊ノ一日・梨旺走ル」です。
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冒頭の朝食シーンではカナタが郷土料理として味噌汁を紹介してましたが、味噌汁を飲むのにリオとフィリシアはスプーン、クレハとノエルは箸を使っているところに、4人が育って来た環境の違いが垣間見えます。それに、日本人っぽい名前を持つキャラが4人居るのにカナタ以外は味噌汁を知らないみたいですし、やはり現実の日本的な文化を知っているのはカナタだけのようですね。カナタは一人だけベッドじゃなくて布団で寝てますし。
しかし1話を見た時にカナタは戦災孤児かと思ったんですが、カナタが 『母が作ったお味噌』 と言ってるので少なくとも母親は生きているようです。
そして、フィリシアがお茶請けにしていた辻占煎餅に入っていた御神籤には、運勢が日本語 (イデア文字) で書かれているのに、それ以外がフランス語で書いてあったりします。前回カナタはイデア文字が読めないと言ってましたし、この世界では日本語は日常的に使われているけど意味まではわからないという感じなんでしょうか。
カナタが倒れた時のリオの回想から見るに、どうやらリオの母親は子供の頃に病気で倒れてそのまま帰らぬ人となってしまったようなのですが、この時に病気の治療を頼んだのが小悪党ヅラしたエセ神父っぽい男のようです。
この神父が、恐らく病気を治す力もないのに信仰心だの教義だのと言って、金をせびれるだけせびっていったとかそんな所だと思いますが、そのせいでリオは教会を目の仇にしているようで、『役立たずの迷信をかざして金をせびるようなやり口はどこでも一緒だ』 と言って、教会関係者のユミナにもきつく当たって来たようですね。
ただ、それでも教会にカナタのことを頼みに来たということは、そもそもこの世界には医療機関が存在してないのかもしれません。母親の時も普通に考えれば医者に頼みそうなものですし。しかしリオがホットラインを見た時に、一瞬迷ってから 『最後の手段』 と言って使わなかったのはどういう意味だったんでしょうか。一兵卒の為にホットラインは使えないというだけではなく、何か他にも理由がありそうでしたけど。
今回登場した新キャラのユミナは教会の修道女ですが、教会と言っても 『八百万の幸』 と言っているので、信仰しているのは神道っぽい感じです。但し、教会の入口には壊れた鳥居の柱のようなものがあったり、辻占煎餅を売っていたり、ユミナの着てる修道服が巫女装束っぽい作りになってたりで、教会堂を除くとほぼ神社神道と言われても納得しそうです。
子供の頃、カナタのためにイリアが演奏したのは 「Amazing grace」。イリアはリオにトランペットを教えた人物であり、リオは 『私が一番憧れて、一番尊敬する人』 だと言っていますが、二人の関係はまだわかりません。リオは軍隊に入った理由をカナタ (音楽を習いたかった) の逆と言ってましたが、これをそのまま捉えると音楽をやめたかったからになりそうです。
タケミカヅチに記録されている 「Amazing grace」 を 『二度と聞かない』 と言っていたのもそれに関係するのだと思いますが、恐らく音楽を 『やめたかった』 ではなくイリアが奏でていた音楽を 『聞きたくなかった』というのが理由になるのかな。それならなぜラッパ手をしているのか、という疑問は残りますが。
今回は、最初に食事に登場させた味噌をカナタのコンプレックス(味噌っかす)とかけて、その悩みをかつてイリアが奏でた曲の「音の調和」に準えて解消する流れが、綺麗にまとまっていたと思います。リオの過去とイリアとの関係については徐々に明かされて来ましたが、まだわからないことが多いですね。前回から小隊の隊員を掘り下げながらの日常的な話が続いていますが、この先軍隊らしく戦闘になったりすることはあるんでしょうか。
―― ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第三話 「隊ノ一日・梨旺走ル」 (了)
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