デート・ア・ライブ 第五話 「凍て付く大地」


「デート・ア・ライブ DATE A LIVE」


原作:橘公司
原作イラスト:つなこ
監督:元永慶太郎
シリーズ構成:白根秀樹
キャラクターデザイン・総作画監督:石野聡
メカデザイン:明貴美加
アニメーション制作:AIC PLUS+


第5話 「凍て付く大地」
脚本:白根秀樹、絵コンテ:元永慶太郎/岩畑剛一、演出:元永慶太郎、作画監督:新野量太/草間英興




「富士見書房40周年記念アニメ」 と銘打たれた、「デート・ア・ライブ」。原作は未読です。


前回の一件を引きずって、未だに落ち込んでいる十香。久しぶりに聞けた 『ばーか、ばーか!』 にも、以前のようなツンデレ成分
が不足してます。一方、士道と出逢った神社の境内で、一人雨に打たれる四糸乃の手には、「友達」 の姿がありませんでした。


『雨は、少女に似ている。 時に優しく、時に儚く、時に苛烈に降り注ぐ』
『たかがH2O、されどH2O、今夜の雨は ―― 少し、冷たい』


今回のナレーション。前半部分がまともだったので油断していたら、『たかがH2O』 と聞いた瞬間思わず吹き出しました (笑)。



士道は雨の中、必死に 「よしのん」 を探す四糸乃を見かけて声をかけます。どうやらあのパペットの名前が 「よしのん」 で、
本体の方にも既に 「四糸乃」 という名前があるんですね。これは前回も思いましたけど、同じ精霊でも十香は名前を持って
いませんでしたが、四糸乃の名前は誰かに付けてもらったものなんでしょうか。


前回はほぼ 「よしのん」 が喋っていたので、「四糸乃」 がどんな喋り方をするのかよくわかりませんでしたが、想像通りに
気弱な感じのか細い喋り方でした。士道に傘を貸してもらって、『あ…りがとぅ…ござ…』 とお礼を言う声が可愛かったです。


それと、意思表示する時に頭を上下に振ったり、左右に振ったりするところとか、恥ずかしくなるとフードをかぶって赤くなった
顔を隠すところなんかも可愛いですね。しかも、ASTに攻撃されても、相手の痛みを考えて反撃しないという優しい娘でした。



「よしのん」 は、四糸乃の理想であり憧れの自分、そして “ヒーロー” ということですが、あれはASTに攻撃される 「恐怖」 や
「痛み」 から逃げるために、四糸乃から乖離した別の人格が表に出たりとか、そういう難しい話になるのかなぁ…。


まぁ “精霊” が居るんだから、“喋るパペット” が居る世界だとしても、別に不思議じゃない気もしますけど、「よしのん」 が自我
を持って会話してるってことでは無いんでしょうし、やっぱり四糸乃が 「憧れの自分」 や、一人ぼっちの自分に必要な 「友達」 を
作り出してしまってる…ってことになるんでしょうか。


そんな、自分の弱さを否定してしまう四糸乃でしたが、士道は 『今の四糸乃の方が好きだ』 とナチュラルに口説き文句を呟き、
十香への 『俺はお前を否定しない!』 に続く、『俺がお前のヒーローになる!』 という殺し文句で、四糸乃の好感度を高める
ことに成功します。これを計算じゃなくて本心で言ってしまうところが、士道……おそろしい子っ!



折紙は、士道が自宅に来るのを待ち構えて、間髪いれずに扉を開けて招き入れたり、変な色のお茶 (強壮剤?) を強引に
飲ませたり、突然シャワーを浴びに行ったり、「YES/YES枕」 が置いてあったりで、やる気満々なところが笑えました (笑)。
でも、士道の言葉に耳を傾けずに、四糸乃を攻撃するようなところは、融通が利かなくて意固地な性格だな、と。


まぁ、両親を精霊に殺されたという折紙の過去を考えれば、確かに気持ちもわからなく無いですし、「空間震」 の発生で人類が
損害を被ってるというのも確かなんでしょうけど、その憎しみを精霊全てに向けるのは筋違いですし、折紙は 「空間震」 を発生
させずに十香がこの世界に存在している、という実例も目の当たりにしてるんですから、ASTの命令を口実にして個人的な恨み
を晴らそうとしてるようにしか、現状では見えないんですよねぇ。


それに折紙以外の隊員も、ザドキエルに攻撃されようとしている士道を目の前にしながら、全く助けようともしない所に、物凄い
違和感を感じます。3話で十香の狙撃命令を出した時も思いましたけど、ASTは人命を守るために戦っているという大義名分の
筈なのに、人命に対しての意識が低すぎる気がします。



そして士道の 「回復能力」 についても話が出てましたが、琴里がヒントらしきことを言ってました。『あの時とは状況が違う』
とか、『霊力を感知されたら凍らされる』 とか。それに対して士道が、 『俺の回復能力ってのは精霊の力なのか』 と言ってます。


これは、士道に精霊の血が流れているとかそういうことなんでしょうか。そういえば、士道の名字の 「五河 (いつか)」 って
「十香 (とうか)」 と似た響きですけど、これは単なる偶然なのかな。


最後は、四糸乃の心を表すように、空を覆っていた厚い雲が晴れ、青く澄み渡る空が広がり、二人で虹を見上げるエンディング
への入り方も綺麗でしたし、最終回かと思うような余韻を感じられる終わり方でした。それと、今回もエンディング曲が変わって、
「ストロベリーレイン」 になりましたが、今までの中では一番好きな歌です。


今回は、とにかく四糸乃が可愛い回でした。優しい娘ですし、野水伊織さんが演じる声も可愛かったですね。
エピローグでは私服の四糸乃が出て来ましたが、個人的には精霊の時の服の方が好きかな。



―― 第五話 「凍て付く大地」 (了)




画像の著作権は全て著作権者に帰属します : © 2013 橘公司・つなこ / 富士見書房 / 「デート・ア・ライブ」 製作委員会



【関連記事】 デート・ア・ライブ 第四話 「不機嫌な雨」
【関連記事】 デート・ア・ライブ 第六話 「恋する温泉」



月 奏 ページの先頭へ ▲