ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第一話 「響ク音・払暁ノ街」



アニメノチカラプロジェクトのオリジナルアニメ「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」の第1話、 「響ク音・払暁ノ街」です。



「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」 の画像の著作権は全て著作権者に帰属します : © Paradores・Aniplex/第1121小隊




物語は、志願兵の主人公・空深彼方(そらみかなた)が所属する、1121小隊内の話が中心となるみたいですね。


カナタは15歳で絶対音感を持つ通信士見習いの新米兵士。回想から見ると恐らく戦災孤児のようで、子供の頃に出会ったラッパ手の軍人に憧れて軍隊に志願したのかと思ってたら、単に音楽が習いたかっただけのようなことも言ってます。リオの持っていた鈴を見ても「懐かしい音」としか言わなかったので、音は覚えてるけどこの鈴をイリアが持っていた事は忘れてるってことなのかな。


舞台となるのは 「湖とガラスの街・セーズ (Seize)」 という架空の町ですが、公式サイトによると背景などはスペインの城壁都市・クエンカがロケ地となっているとのことです。隣国との戦争は現在休戦中で、欧州的な街並みに反して登場人物が漢字交じりの日本人名だったり、印鑑を使ってたり、通貨が 「\」 だったりと日本的な部分が多く見られます。


また、ラッパのマニュアルや辞令書を見ると、フランス語 (?) が使われていたり、辞令書の中に書かれてる 「HELVETIA」 という国名がスイスのラテン語名だったりで、世界観はかなり混沌とした感じに描かれているようです。



カナタ以外の小隊メンバーは4人。先輩ラッパ手の和宮梨旺(かずみやりお)17歳。イリアの持っていた鈴がリオの父親から送られて来たということで、恐らくリオとイリアは何らかの関わりが有るんでしょう。


ガンナーの墨埜谷暮羽(すみのやくれは)は最年少の14歳。台詞などからツンデレキャラっぽい感じを受けます。どうやら先輩のリオに憧れているようなので、リオに指導されるカナタに一方的に絡んでいきそうな感じ。


小隊長のフィリシア・ハイデマン18歳。見た目通りのおっとりお姉さんでしょうか。でも、裏工作でリオに祭りの乙女役をやらせてたみたいなので、おっとりに見えて実は策士とかそんな感じかもしれません。


寒凪乃絵留(かんなぎのえる)15歳。整備士兼ドライバー。大人しい無口キャラ・・・かな?ただ、戦車の整備中に 「しあわせ」 とか言ってたので、戦車フェチとか機械フェチな気配もあります。



水かけ祭りの元となった 「炎の乙女」 の言い伝えは、架空の神話なのかと思ってましたが、カナタが水中で見た化石 (?) が現実の物なら、 「羽の生えた悪魔」 は何かを比喩した表現では無く、この世界に実在したとも受け取れそうです。


それに、リオの語りの部分の映像で転がっている残骸が、ノエルが整備している多脚砲台の部品に似てるようなので、「巨大な蜘蛛」 と言うのがそのまま多脚砲台を比喩していて、「羽の生えた悪魔」 と戦った史実がある…という事でしょうか。


話の流れからすると、現在は砦の小隊の軍人が「炎の乙女」の象徴として扱われ、町の人々から慕われているようです。ちょうど壁画 (?) と同じ5人みたいだし、「巨大な蜘蛛」 らしき多脚砲台も有るし、水かけ祭りで人々が 『ありがとう』 と言ってるのも、炎の乙女に対して 『(町を救ってくれて) ありがとう』 と言ってるんでしょうしね。


そう考えると、物語的にはもう一度 「羽の生えた悪魔」 と戦う事になったりするのかもしれませんが、現在の所はそんな流れになりそうな気配は無く、まったりとした雰囲気で始まりました。



舞台として軍隊を選んだという事で、戦争は避けて通れなさそうなんですが、このまま平和でまったりした展開が続くのか、一転してシリアスな展開になったりするのか、オリジナルならではの先が読めない楽しみはあります。日本と西ヨーロッパが混在したような世界観も面白いですし、城壁都市を舞台にした街の雰囲気も好きです。


キャラクターも、5人それぞれ違った個性がありそうでデザインを含めて好みですし、「羽の生えた悪魔」 のような空想だか現実だか判断出来ない伏線も張ってあったりで、掴みとしてはなかなか面白そうだと思いました。



―― ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第一話 「響ク音・払暁ノ街」 (了)



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