「輪廻のラグランジェ Season2 」 の第8話。
原作・制作協力:Production I.G、総監督:佐藤竜雄氏、監督:鈴木利正氏、シリーズ構成・脚本:菅 正太郎氏
「鴨川アドバルーン」 シナリオ:森田繁氏、絵コンテ:樋口香里氏、演出:駒屋健一郎氏、演出助手:矢野孝典氏
今回は色々と内容の濃い回でした。新キャラ…というか、今までモブキャラとして登場していた、三木れいこがジャージ部に
入部し、ようこやまどかにとって 「ジャージ部」 とはどういう存在なのかが語られ、最後にモイドの衝撃の告白が。
アバンで “椅子” が出て来た時、まどかの椅子だけ宙に浮いてるので、何だろうと思ってましたが、アドバルーンと一緒に
飛ばされることを表現してたんですね。椅子が置いてある場所も、棚田ですし。
久々に鴨女内がメインの日常回ですし、Season1の1話以来となるランの 『ぽむ』 も聞けてまったりとした雰囲気で進行。
それとは全然関係ないですが、教室でまどかが机を叩く時の 「ゴンゴン」 という音の響きがツボに入りました(笑)。
しかし、まどか達に近しい友人はともかく、一般生徒から 「ジャージ部」 がどういう目で見られてるかはわかりました。
れいこが知っていたくらいですから、まどか達がロボットに乗って鴨川の町を守っていたことは、知られている筈なんですけど、
残念ながらかなり奇異の目で見られてしまっているようです。まぁ、宇宙人は二人居ますけどね。
部員募集中に風が吹く演出で、世間の風当たりを表現してるところは笑えました(笑)。それと、チラシに描いてあった絵が
やたらと上手くて可愛かったんですけど、あれってまどかが描いてるんですかねぇ。ジャージ部が1人の時のチラシにも、
似たような絵が描いてありましたし。
そしてダメトリオの三人は、遂にデ・メトリオに帰る決心をしたようです。
まどか達との出会いによって、ユリカノの言葉 ―― 「命の尊さ」 を思い出し、 『全てを敵に回す』 覚悟で守った鴨川の町は、
居場所を失った三人を温かく受け入れてくれて、 『この町に救われた』 と言っています。
ヴィラジュリオが王になったことで、いつでもデ・メトリオに戻ることは出来たんだと思いますが、このタイミングで帰還を決断した
ということは、三人もまた、鴨川を守るために地球に残っていたんでしょう。そして、前回まどか達が誓ったように、もう戦う必要
が無くなったと判断したことで、帰る決断をしたのではないかと思います。
ジャージ部の新人三木れいこは、ようこやまどかに 「ジャージ部」 を見つめ直すきっかけを与えるためのキャラだったかな、と。
ようこにとってのジャージ部は、まどかの母親への憧れを具象化したものであり、母親を亡くして落ち込むまどかを元気づける
ための手段でもありました。それは、一人でジャージ部をやっていた頃のまどかも同様で、ジャージ部はようこへの憧れであり、
その先には亡くなった母親を想う気持ちと、寂しさを紛らわせる意味があったのかもしれません。
今までは、さちやみちなどまどかを見守ってくれる友達は居ても、まどかと一緒の気持ちを持った “同志” は居ませんでした。
でも、困っている人のために体を張って助けることが出来る、 “ジャージ部魂” を持ったランとムギナミの二人に出会えた。
ランはまどかを助けるために、ずっと恐れていたウォクスに乗り込んでくれたし、ムギナミはヴィラジュリオを助けたいという
思いで、まどかの前に立ち塞がりました。そんな二人がジャージ部に入部してくれたことで、まどかにとっての “ジャージ部”
のあり方が変化して来たのかなと。
自己犠牲とまでは言わなくても、常に他人を優先して、自分のことは二の次に考えて来たまどかですが、喜びを分かち合える
仲間が居ない今までのジャージ部は、やはり 『幸せ』 とは少し違う場所だったのかもしれません。でも、ランやムギナミが居て、
れいこがジャージ部に入部してくれた “今” を、まどかは 『幸せ』 と言いました。
それは、母親の居ない寂しさやようこへの憧れを超えて、やっとまどかが 「自分の幸せ」 を考えられるようになって来たという
ことかもしれません。
元々ようこが海洋考古学者を目指したのも、まどかがメモリアしたウォクス (アウラ) を調べるためですし、まどかをウォクスに
乗せないためにファロスに乗り込んだり、アステリアと組んで二万年前の 「輪廻解放」 について調べてるのも、やはり一番は
「まどかを守ってやりたい」 という、ようこなりの “ジャージ部魂” だったのだと思います。
しかしまちこが言う通り、まどかの母親が亡くなった時、まどかの母親に憧れていたようこにも、助けてくれる “ジャージ部” の
ような存在が必要だったんでしょう。でも、ようこの性格からして、弱音など吐く筈もないし、まどかを守ることで自分の居場所を
作っているようこを見て、まちこは 「助っ人の助っ人」 として、ようこのジャージ部活動を見守り続けていたのではないでしょうか。
そして、まどかが自分なりの 「幸せ」 を見つけて、ようこが始めた頃とは違うジャージ部に変化して来たのを見ていたまちこは、
ずっとまどかの母親の面影を引きずって、まどかを守り続けようとしているようこに対して、まどかはもう一人でも大丈夫だから、
『あんたもそろそろ自由になったら』 という忠告をしたのではないかと。
れいこはラン以上のドジっ子スキルの持ち主で、何をやっても失敗続き。でも、前髪ぱっつんで 「部活の後輩」 という響きが
ぴったりの、なかなか可愛いキャラでした。今後もモブキャラでいいので、顔を見せてくれると嬉しいですけどね。
棚田の夜祭りでは、アドバルーンが上がる時に流れた挿入歌、中島愛さんの 「Flower in Green」 が、Rasmus Faber らしい
リリカルでドラマティックな曲になっており、非常に印象的なシーンになりました。
そして、遂に動き出した黒幕。二万年前の遺跡 (たぶんウォクスコア) を知り、その身にメモリアを持つ男 ―― モイド。
ここまでにメモリアしたキャラが、全員若い女性 (メイクンの年齢はわかりませんが) だったことで、男性にはメモリア出来ない
のかと思ってましたが、出来たようですね。ただ、モイドのメモリアだけ、紋章がいくつも描かれてるのが気になります。
しかしそうすると、モイドは二万年前の輪廻解放にどう関わってくるのか。二万年前にウォクスに乗っていたのが、メイクンだけ
ではなく、モイドも乗っていたということなのか。「鬼の伝説」 には3体のウォクスが出てきますので、1体がモイドでもう1体が
メイクンということなら、三人目が居る筈ですけど…。
エンディングの 「ジャージ部魂」 は、何気に映像が少しずつマイナーチェンジしてますね。1話〜3話では、どのバージョンでも
同じ映像が使われてたと思いましたけど、今回はランが中心の映像に差し替えられてました。これは、次回流れるであろう
ムギナミバージョンも、変わってる可能性が高いのかな。
それと、エンディングの最後にまどかのジャージと一緒に置いてあるシュシュですが、「鴨川デイズ」 を見てあれが何なのかが
わかりました。でも、ここまで本編であれを付けてるシーンは無かった気がしますけど、どこかで付けることがあるでしょうか。
まるっ。
―― 第八話 「鴨川アドバルーン」 (了)
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