咲-Saki- 第85局 「防塞」 



今回で副将戦の前半が終了。永水女子の薄墨初美と、宮守女子の臼沢塞が、水面下で激しいオカルト合戦を繰り広げる中、
そんな 「見えないもの」 とは無縁の二人、姫松・愛宕絹恵と清澄・原村和の上位二人が、点差を広げにかかっています。


【防塞】 ―― 敵の攻撃や侵入を防ぐために設けられた、砦や柵。




さすがに "塞(さえ)" という名前自体が、その能力を体現しているとは思いませんでしたが、ここまで永水女子・薄墨初美の
手を完璧に 「塞いでいる」 、宮守女子の臼沢塞。


"塞" という文字には 「塞ぐ」 という意味以外にも、「境界」 という意味もあり、常世と現世の境目、神々の往来する岐に祀られ、
悪神・悪霊の侵入を防ぐ守り神は、「岐の神」、「道祖神」、または 「塞の神 (さえのかみ)」 などと呼ばれているそうです。


日本神話では、黄泉の国から追い縋る伊邪那美神を退ける為に、黄泉比良坂で伊邪那岐神が黄泉路の入口 (門) を大岩で
"塞いだ" と語られていますが、この大岩が塞の神 (道祖神) の始まりとの説もあるようですし、塞がハッちゃんの手を塞ぐ時、
イメージとして 「大岩」 が現れるのも、神話に準えているからなのかなと。



副将戦開始前にトシさんが、ハッちゃんが副将だったことに対して 『塞にはちょうどいい』 と言ってましたが、塞の特性が
「門を塞ぐ」 ことにあるならば、「門 (鬼門) を開く」 薄墨初美が相手なのは、確かに 『ちょうどいい』 と言えそうです。


宮守和了形       ドラ :


七対子A、ドラA   25符4飜1本場 : 6700


副将戦 前半戦終了時点

順位選手名学校名学年得点得点差
1愛宕絹恵姫松2138700
2原村和清澄1106900-31800
3臼沢塞宮守女子390800-42900
4薄墨初美永水女子363600-75100

ただ、塞はモノクルをかけないと単なる凡人なのかと思ってましたが、モノクル無しでもトシさんが来訪する気配を
感じ取っているので、元々オカルト的な素質は持っていたということのようですね。


対局の時だけモノクルをかけることに、どんな意味があるのかはわかりませんが、この辺は塞が持つモノクルの元の持ち主
だと思われる、トシさんとの昔話で明らかになるんでしょうか。



『ブレなく強い』 筈が、意外な脆さを見せてしまった薄墨初美。暗槓と違って暗刻は自力で鬼門に晒せない以上、他家からの
副露 (ポン) が頼みの綱になる筈ですが、相手から見れば 「ポンさせない」 という分かり易い対処方法があるにも関わらず、
ハッちゃんが鹿児島県予選で地区大会記録を大きく塗り変える程の活躍が出来たのは何故なのかな、と。


まぁ、ハッちゃんが大会などに参加するのは今年のインハイが初めてっぽいので、予選の段階では対戦相手がハッちゃんの
特性を掴みきれていなかったのかもしれませんが。


そして、副将戦の面子を考えると意外な健闘を見せている…というか、実は一番稼いでいる姫松の愛宕絹恵。
ハッちゃんからの振り込みもあったにせよ、『なんとかしてくれると信じます』 と言った末原先輩の期待に応えています。


今の所、絹が何か “持ってる” ようにも見えませんし、末原先輩がハッちゃんの北家さえ凌げば、『副将戦は絹ちゃんのもんや』
と言ってた理由も分かりませんが、塞のお陰で 「ウラキモン」 が炸裂していない現在は、確かに副将戦が 『絹ちゃんのもん』 に
なっているので、末原先輩の予想はそれなりに正しかったとも言えそうです。



清澄の原村和は、他家の苦労など何処吹く風で、『いつも通りのことを、いつも通りに』 した結果の2位キープ。


普段からオカルトの代表格である咲と打ってるくらいですから、今さらハッちゃんの 「ウラキモン」 を見た程度で、和の考えが
『悪い方にブレる』 とも思えませんが、まだ和が鬼門牌をポンさせたことによって、ハッちゃんに役満を和了られるという因果を
一度も経験していない状況ですからねぇ…。


もし塞が居ない状態で、東場と南場でハッちゃんに二回役満を和了られていたとしたら、和の考えにも微妙な “ブレ” が出て
いた可能性が無いとは言い切れません。そういう意味では、塞は図らずも姫松と清澄のアシストをしちゃってるとも言えますね。



―― 第85局 「防塞」 (了)




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