輪廻のラグランジェ Season2 第九話 「白い鴨川」



「輪廻のラグランジェ Season2 」 の第9話。
原作・制作協力:Production I.G、総監督:佐藤竜雄氏、監督:鈴木利正氏、シリーズ構成・脚本:菅 正太郎氏


「白い鴨川」 シナリオ:待田堂子氏、絵コンテ:吉川博明氏、演出:鳥羽聡氏




今回は、キャラクターそれぞれが決断した進路の話が中心になっています。


てっきりイゾ・キリウス・アレイは、三人一緒にデ・メトリオに帰るのかと思いましたが、イゾだけは地球に残ることを決めたそうで。
しかも理由は料理の修業ということらしく、イゾなりに自分のやりたいこと、「楽しいこと」 を見つけた、ということですね。


思えばイゾは、デ・メトリオの将軍の息子であり、アカデミーに入学した時から既に、卒業後の進路が全て決まっているという
状態で、常に斜に構えて周りの人間を見下し、退屈しのぎでアカデミーに通っているような、ひねくれた性格でした。


しかし、ユリカノによって自分の考えの甘さを思い知らされ、決められたレールの上を歩いていくだけのつまらない人生から、
たとえ地球の片隅で平凡な料理人になったとしても、自分の 「楽しいこと」 見つけられたのだとしたら、それだけユリカノが
イゾの人生に影響を与えたという証でしょうし、イゾが人間的に成長した証でもあるんでしょう。



そして、デ・メトリオに帰るキリウスやアレイも将来の希望を見つけ、ランやムギナミも卒業後は地球を離れて、それぞれの
故郷のために何かしたいと考えているようです。そんな中、未だに一人だけ自分の進むべき道を見つけられないまどか。


と言っても、別にやりたいことが見つけられないわけでは無く、たぶんこれからもまどかのやりたいことは、困った人を助ける
「ジャージ部」 なんだろうと思います。まちこに進路を聞かれた時、進学でも就職でも無く、『書く場所が無い』 と言ったのは、
たぶんそういうことなんだろうと。


但し、今までまどかの世界は “鴨川” という狭い地域で終わっていましたが、ランやムギナミと出会ったことで、その世界に
広がりが生まれました。だから、これからは鴨川だけでなく、レ・ガリテやデ・メトリオもひっくるめて、全ての人に対して助っ人
したいと思ってるんじゃないかな、と。


宇宙を舞台にした 「ジャージ部」 を作ってしまえば、ディセルマインやヴィラジュリオの手助けも含まれるので、ランやムギナミ
とも別れる必要が無くなりますし、Season2のキャッチコピーにも 「宇宙(まる)ごと助っ人しちゃう」 というのがありましたしね。



そして、ファロスのメンバーに自分が二万年前に輪廻を開いたレ・ガリテの女王、メイクンであることを告白したアステリア。


アステリアの消えた記憶に、どんな意味があるのかはまだ謎です。でも、アステリアがユリカノと出会うまで 「輪廻の向こう側」
に居たということは、二万年前に輪廻を開いたのがアステリアというのは、間違い無いんでしょう。


しかし、ヴィラジュリオとの会話にヒントを得た、『ノイエンキルヒェンの橋渡し』 のアルゴリズムというのは、何なんでしょうね。
「ノイエンキルヒェン」 自体はドイツの地名にあるようで、リューエ川に面しているようですが、ここに橋が架かっているのかは
わかりませんでしたし、橋に纏わるエピソードなども見つけられませんでした。これは実際の地名などとは関係ないのかな。



そして、ポリヘドロン国際会議での和解劇から一転して、ヴィラジュリオに裏切られたと疑心暗鬼になっている、ディセルマイン。
昔ヴィラジュリオをウ・ゴー送りにした時も、ヴィラジュリオに裏切られたと勘違いしたのが原因と言われてます。その時一体何が
あったかはわかりませんが、今回はモイドに何か暗示でもかけられている状態なんでしょうか。


それに、モイドの体に刻まれていたメモリアが、ディセルマインの体に移されているのも気になります。メモリアが他人に譲渡
(コピー?) 出来たりするものなら、アステリア (メイクン) もディセルマインと同じように、モイドに操られた上でメモリアを移植
されて、輪廻を開いてしまった可能性も考えられますけど、そもそも何でモイドは自分でウォクスを使わないのかな、と。


ということで、遂に物語もクライマックスに突入した感じで、シリアスさも増して来ましたが、まちこがペア宿泊券を当てても
ようこ以外に行く相手が居なかったり、ランがオルカの着ぐるみで芸を披露して自己嫌悪に陥ってたり、キリウスとアレイの
お別れ会で真っ先に浩が号泣したりと、シリアス一辺倒にならないところは、このアニメらしくて良いと思います。


今回のジャージ部魂は、やはりムギナミバージョンで、映像も3話の時と差し替えられてます。あまり本編では、胸が揺れたり
という演出は多くありませんけど、エンディングではめっちゃ揺らしてますね。リンゴの筏に乗る三人が、ほのぼのしてて可愛い
のですが、「ジャー」 と 「ジ」 のところの絵は、他の二人のバージョンと比べて、ちょっとわかりにくいかな。



まるっ。



―― 第九話 「白い鴨川」 (了)




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