コードギアス 亡国のアキト 第2章「引き裂かれし翼竜」


「コードギアス 亡国のアキト」


原作:サンライズ/大河内一楼/谷口悟朗
監督:赤根和樹
脚本:浅川美也/大野木寛/赤根和樹
キャラクターデザイン原案:CLAMP
キャラクターデザイン:木村貴宏
総作画監督:島村秀一
ナイトメアデザイン原案:安田朗
製作:サンライズ・コードギアス 亡国のアキト製作委員会


第2章 「引き裂かれし翼竜」


劇場公開:2013年9月14日


劇場公開版を鑑賞した時点の感想です。自分の中で勘違いしてたり、把握出来てない設定などがあるかもしれません。


 spoiler warning (ネタバレ注意) 



第2章では、wZERO部隊に入隊させられたリョウ、ユキヤ、アヤノの三人が、レイラやアキトと共に戦場に出撃することで、
少しずつ二人の考え方や生い立ちを知ることとなり、徐々に心境の変化が見られるようになって行きます。


また、ユーロブリタニアでは、マンフレディを自害させたシンが聖ミカエル騎士団の総帥に選ばれ、部下のアシュラ隊と共に
アキトたちワイヴァン隊と一戦交えると同時に、シンとアキトの兄弟再会が戦場で実現します。


弟にその命を捧げるよう求める兄・シンと、今度こそ兄を殺すと宣言する弟・アキト。二人の過去には一体何があったのか。



―― と言ったところまでが、第2章の簡単な流れです。



シンは望み通り聖ミカエル騎士団の総帥に任じられたようですが、あの状況でよくマンフレディ殺害の容疑がかけられなかった
ものだな、と。返り血も浴びてましたし、マンフレディが 「東洋の武士の血が流れてる」 と言ってたように、シンがイレヴンである
ことはたぶん知られてるんでしょうから、シンが容疑者にされてもおかしくない状況でしたけどね。


まぁ、どうやってブリタニア貴族の養子になったのかはわかりませんが、シャイング家がよほど信用のある名家なのかな。


シンがギアス能力者で、ルルーシュと同じ 「絶対遵守の力」 っぽいのはわかりますが、シンにこの力を与えたのは誰になるん
でしょうか。C.C.やV.V. (この物語の時点ではまだ生きてる筈) 以外に、コード所有者が居るのかもよく知りません。


最後に登場したシンのKMF、ヴェルキンゲトリクスは……黄金色に輝くボディとゴテゴテした装飾、そしてケンタウロスモードと、
成金趣味なKMFとでも言うのか、はっきり言って趣味が悪いです。いきなり四足で駆け出した時は、冗談かと思いました。


「亡国のアキト」 に登場するKMFは、個人的にあまりカッコいいとは思えません。アレクサンダも、「インセクトモード」 とか
這いつくばって歩くロボットに魅力を感じませんし、ランスロットや紅蓮弐式、ガウェインなんかに比べると、見た目が今イチ
に思えます。ただ、戦闘シーンを見ると、動きとか戦い方が面白いので、実戦で活きるタイプのデザインだとは思います。



新キャラのアシュレイ・アシュラとアシュラ隊は、一応隊員全員がグロースターに乗ってるくらいですから、エリート部隊っぽい
んですけど、アキトとシンクロしたワイヴァン隊の力がチート過ぎることもあって、隊長のアシュレイですら強さがあまり伝わって
来なかった気がします。戦闘シーン自体は、飛んだり跳ねたりと動きが凄かったですけど。


特に、アシュレイの乗るグロースターが、スラッシュハーケンを使って壁を上ったりする戦い方をしてたのが、「進撃の巨人」 の
立体機動装置みたいだったので、見てる時にちょっと笑っちゃいました。アシュレイのグロースター・ソードマンは、今のところ
唯一カッコいいと思えるKMFですが、今回は完全にシンの登場まで場をつなぐ、引き立て役的な役目で終わっちゃいました。


もう一人のシンの部下、ジャン・ロウについてはまだよくわかりませんね。少しコーネリアっぽいタイプに見えますが、さらに
人間味を無くしたような感じに見えますし、今回は戦闘にも参加してないので実力もわかりませんでした。



リョウたち三人は、アキトの精神に同調しちゃったせいで、パイロットとしての元々の資質がどの程度かがわかりませんでした。
ただ、リョウは前章ではKMFに乗った状態で生身のアキトに制圧されちゃってますし、ユキヤはどう見ても頭脳労働向きでしょう。


唯一、小太刀の使い手というアヤノには期待しましたが、アヤノも誘拐事件を起こした時に、レイラの合気道で倒されちゃって
ますから、この三人にスザクやカレンのような変態的なパイロット技能は、望めそうもありませんかね。


ただ、あの 「ブレインレイド」 ってのは、アキトが使ったギアスではなく、アレクサンダに搭載されてる機能なんでしょうか。
ソフィは脳科学の権威らしいので、あの機能の開発に携わってそうなんですが、パイロットを使って脳の実験をしてるとか?
寝たきりの旦那 (?) を壁に収納してるのといい、ソフィにはマッドサイエンティストな雰囲気も少し漂って来た気がします。


しかし、1章の将軍誘拐事件の時といい今回の反乱未遂といい、リョウたち三人はKMFを手に入れるつもりだったらしい
ですけど、手に入れた後のことを全く考えてないように見えるんですよねぇ。それに、事前に作戦は立ててるみたいなのに、
その作戦が穴だらけに見える上に、三人の連携も全然取れていないので、どうにも間が抜けて見えてしまうというか。


降下作戦開始直後にも、いきなりレイラとアキトを襲撃してましたが、敵地で味方戦力を削ったら、その後のブリタニアとの
戦闘で勝ち目が無くなるのは目に見えてますし、後先考えずに行動してるようにしか見えません。



少しは頭が切れるところか、戦闘で戦えるところを見せてくれないことには、「ブレインレイド」 でアキトに操られる駒としての
役割しか無さそうに思えてしまいますが、今回の戦闘中にアキトの過去を見ていたようなので、今までアキトに対して持って
いた敵愾心みたいなものは薄れて、今後は普通に仲間として戦っていけるようになるでしょうか。


アヤノは日本人の女性キャラってことで、どうしてもカレンと比べちゃうんですけど、KMFの訓練で乗り物酔いしてたり、出撃
する時にコックピットの扉が閉まるのを不安そうに見てたり、思ったより 「弱さ」 を持ったキャラなのかなと。それに、リョウと
ユキヤに不満を漏らしてるシーンでは、身振り手振りが大きくて少し子供っぽい性格に見えました。


ロケットで成層圏まで上がったところから地球を見て、「きれい」 と言えるような純粋さもあるみたいですし。


年齢などの設定はわかりませんけど、カレンと同じ高校生くらいでしょうか。でも、レイラよりグラマーらしいんですよね。
パイロットスーツを着替える時のインパクトが凄くて、レイラの方がかなりグラマーに感じたんですけど (笑)。



レイラは、どうして軍人になってブリタニアと戦ってるかとか、イレヴンに対してあそこまで人道的な立場が取れる理由とか、
よくわからない部分は多いです。まぁ、軍人になったのは父親の影響っぽいですけど、元ブリタニアの貴族だというレイラの
立場では、E.U.の民だろうとイレヴンだろうと人種に貴賎は無いでしょうから、元々そういう性格なのかな、と。


司令官にしては、ちょっと熱くなり易いのが玉に瑕ですが、「必ずみんなで帰る」 という言葉を有言実行して見せましたし、
リョウたちのレイラに対する反発も、少し抑えられるかもしれません。ただ、アキトに守られていたにしても、最前線に出て
いながら敵とほとんど交戦せずに切り抜けたというのは、“運” のひと言で片付けて良いものなんでしょうかね。


アキトの精神に同調しなかったのは、レイラのアレクサンダに機能が付けられてなかったのか、それとも同じイレヴンでないと
同調しないなど別の理由があったのか。まぁ、もし本当に 「実験」 ってことなら、レイラの機体には付けてなさそうですけど。


今回はパイロットスーツを着た姿が色っぽくて、レイラが映るたびに胸がぷるんぷるん揺れてたのが、非常に印象的でした。
それと、市街地でアシュラ隊との戦闘に入った時、アキトに 「私から離れないで下さい」 と言われて嬉しそうにしてたのに、
「ドローンを使い切るまでは死なれると困りますので」 と続けられて、ぶんむくれてた顔が可愛かったです。


あと、髪型もお団子からツインテールにしてたのは、個人的に可愛いと思いました。



アキトは相変わらず考えが読めないし、敵と戦って 「死ね死ねモード」 に入るか、意味深なニヤリ笑いをする以外は表情も
ほとんど変わらないので、主人公としての魅力はこれまでのところあまり感じられません。


軍人としての能力が高いのは間違いないんでしょうけど、戦場ではかけられたギアスの力で能力が増幅されてる面もありそう
なので、何の補助も無しで戦った時にスザクやカレンといい勝負出来るくらい強いのかはわかりません。


アキトにかけられてるのはたぶんシンのギアスだと思うんですけど、かけられたギアスが 「死ね」 だとアキトが生きている筈が
ありませんし、戦闘時におけるアキトの異常な殺人衝動の理由にもならないので、何らかの “条件” を付与された上で、「殺せ」
とでも命じられてるのかな。


その場合、幼少期のシンとアキトの周りにあった死体は、全部アキトがやった可能性が高そうですけど。
ただ、アキトが 「自分は一度死んだ」 と言ってるのが、どういう意味なのかなと。



2章で一番の驚きは、やはりユーロブリタニアに招聘された軍師、ジュリアス・キングスレイの登場でしょうね。
スザクが登場することは、予告でわかっていましたけど、まさかルルーシュがブリタニアの 「軍師」 として登場するとは…。


これってシャルル皇帝に記憶を消された後なんですかねぇ。列車を降りた時の傲慢な態度は、完全にゼロでしたけど。


ただ、同じく予告に出ていたC.C.の出番が無かったのは残念でした。それに、リョウがアキトに銃を突きつけてるシーンとか、
アキトが刀を持ってるシーンも無かったし、アヤノがジャケット羽織るシーンも無かったなぁ。あれって予告だけの映像なのか、
この先の章で登場するシーンなんでしょうか。個人的には、カレンの出番が少しでもあると嬉しいんですけど。



来場者特典で貰った 「生コマフィルム付きオリジナルセット」。中身は、生コマフィルムと小冊子とカードゲームのカード。


生コマフィルムは主人公のアキトでしたが、ちょっとどのシーンだったかは覚えてません。たぶん部屋でユキヤと話してる
シーンか、最後にレイラと話してるシーン辺りだと思うんですが。


特典としては、主人公がちゃんと映ってる時点でアタリなんでしょうけど、欲を言えばレイラかアヤノが欲しかったです。
特に、レイラがパイロットスーツに着替えてるシーンなんか当たったら最高でした。



小冊子の方は、漫画などで展開している 「双貌のオズ」 と 「亡国のアキト」 の関係性の説明、「双貌のオズ」 でオルドリン編
の漫画を担当している東條チカ氏のショートコミック、そしてフィギュアなど関連商品の紹介って感じです。


ショートコミックは、アニメ1期ラストシーン直後の、C.C.のモノローグが描かれてます。色々と過去のギアス能力者について
回想してますが、スピンオフは全部追ってないので、「漆黒の蓮夜」 などはよく知りませんし、「双貌のオズ」 もオルフェウス
編は読んだことがありません。あんまり世界が広がりすぎると、設定が全て把握出来なくなることがあるのが、考えものです。



―― 第2章 「引き裂かれし翼竜」 (了)




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© SUNRISE/PROJECT G-AKITO Character Design © 2006- 2013 CLAMP




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