ヤングガンガン月イチ連載中、緑のルーペ氏(原作協力:フジワラキリヲ氏)の描く、最先端ボーイミーツガールストーリー。
「ブラパ THE BLACK PARADE」 の第4話です。
「ウェザーリポート」 ――
今回は冒険者たちのベースキャンプであるブラックパレードを離れ、久しぶりに "日常" である学校生活に戻って参りました。
それに合わせて、サブタイトルもブラパ(マイケミ)絡みのものから 「天気予報」 へと様変わり。
これが、40年前に結成されたジャズバンドの名前から取っているとも思えないので、バンプの曲名からでしょうかねぇ。
さて。ブラパを離れたということで、残念ながらフジノの出番はありません。扉絵で可愛い寝顔を見せているのみです。
今回フジノの代わりにヒロインを務めるのは、留美の小学校からの幼馴染みだという、篠原雛。そして内容も、フジノの性格を
反映したエンターテインメントから、甘酸っぱいラブコメテイストになっています。
フジノとは正反対に内気な性格の雛ですが、彼女なりに何とか留美と一緒に居ようとする努力は見て取れます。
補習対策にと一緒の勉強会を提案してみたり、放課後の教室で、眠り込んだ留美が起きるのをずっと待っていたり…。
でも、勉強会の提案は素気無く断られ、眠りから目覚めた留美は、一緒に帰るどころかすぐにフジノの元へ向かってしまい、
誰も居ない教室にひとり取り残されてしまうという、残念な結果に終わっています。
しかし、今回は二人の距離を縮める最初の登竜門とも言うべき 「相合傘」 のチャンスが訪れました。
ここで留美が雛の代わりに傘を持ってやるとか、雛が濡れないように気を遣ってやるくらいの甲斐性があれば、雛も苦労は
しないのでしょうが、そこまで期待するには留美の経験値がまだまだ不足しているようです。
しかも、『一緒に帰るのも面倒くさい』 などと、心無い言葉を返して無意識に雛を傷つけてしまう辺りは、さすがにデリカシーに
欠けている…と言わざるをえませんね。
そんな留美の前に突然現れて、いきなり名前で呼び合う仲になっているフジノに対して、感情が揺れ動く雛。
自分も留美のことを名前で呼んでみたい…。でも、呼んでしまったら、今までの二人の関係が壊れてしまうかもしれない。
それを考えると、最後の一歩が踏み出せない。自分を変えられるだけの勇気も無い。だから―― 今はこのままで…。
『ううん、大丈夫。 追試がんばろうね、 河野 』
人を好きになるのに時間は関係ないのかもしれない。でも、思いの深さはたぶん時間に比例するものだと思う。
でも ―― どれだけの時を刻んだら、ただ相手のことを思って名前を呼ぶだけで、涙が溢れるほど人を好きになれるのだろう。
もしもそれだけの "思い" が行き場を失ってしまったなら、迷子になってしまった "思い" は、どこへ向かえばいいの…?
自身の迷乱を押し隠し、いつもと変わらぬ笑顔で振る舞おうとする少女の心は、いつになったら晴れるのだろうか。
ラジオから流れるウェザーリポートは、今日も曇り空だった ――。
―― 4.「ウェザーリポート」 (了)
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