ブラパ THE BLACK PARADE 3.「Welcome to The Black Parade」



ヤングガンガン月イチ連載中、緑のルーペ氏(原作協力:フジワラキリヲ氏)の描く、最先端ボーイミーツガールストーリー。
「ブラパ THE BLACK PARADE」 の第3話です。




「Welcome to The Black Parade」 ――


『こんなこともあろうかと』 、秘密の七つ道具を入れた箱の中身を持ち出しておいたというフジノ。
…って、それじゃ最初から箱に入れる必要ないじゃん!という無粋なツッコミは無用です。それが世界の理なのだから。


二人の窮地を救うジョーカー、秘密の七つ道具。その一つ目は 『悪夢奏でる涙の旋律、"召喚の魔笛<サモンデーモン>" 』


敵のヘルマスターが魔方陣を描いて攻撃して来そうなネーミングですが、然に非ず。その正体は 「犬笛」 でした。


冥界から番犬ケルベロスを召喚して、敵を殲滅する……などということはなく、フジノがどう使うつもりだったのかは謎ですが、
今回は魔笛の高周波数を唯一聞き取れる留美が居たことで、フジノの 『素敵な作戦』 に大いに役立つこととなりました。



「ブラックパレード」 を荒らした連中は、制服姿の不良学生5人。


留美たちを 『地元のヤツ』 と言い、『ややこしい北区を出てここまで来た』 という言葉から察するに、北区の学生のようです。
逆に、「ブラックパレード」 のある場所は、北区では無いということになるんでしょう。


1話での身体能力を見て無敵にも思えたフジノですが、やはりそこは普通(?)の女の子。五対一では多勢に無勢。
一度は捕らわれの身となってしまい、留美が身を挺してフジノを助けに来たことで、窮地を救われました。


留美を傷つけたことに反省するフジノですが、それでもあの場所を失いたくないという思いから、もう一度闘いを挑むことに。
"一対一" なら決して遅れをとることはない。ならばあとは、その状況を作り出してやれば良いだけのこと。


フジノの 『素敵な作戦』 で ――


『始めるわよ留美。彼らを残らず打ち倒す、私の素敵な作戦をね 』



留美はフジノにとことん付き合うと決めてからも、自分が 「何をすれば役に立てるのか」 が解らなくて、それが怖かった。
でもフジノは言ってくれた。 "留美にしか出来ないこと" がある―― と。


たとえそれが面倒で無茶苦茶でも、フジノが留美に任せてくれたのなら、決して出来ない筈はない。やらなければならない。
二人にとって大切な場所を、思い出を踏み躙った下衆な連中を孤立させ、必ずやフジノの所までたどり着いてみせる。


それは、 "留美にしか出来ないこと" なのだから。



不良グループの一員として登場した遠藤祐希には、フジノによって選択肢が与えられました。
「一生に一度の奇跡」 に関わる機会を。ヒロインを救うヒーローとなって、大冒険に飛び出すチャンスを。


しかし結局祐希は、差し出されたフジノの手を取ることはせず、「奇跡」 に関わる機会を失ってしまったようです。
ただ、「ややこしいことになっている」 北区への案内役として、今後再登場する可能性が残されているかもしれません。


そして、1話以来の登場となる篠原雛。状況から見て、留美が起きるのをずっと待っていてくれたようなのに、そんな彼女の
気遣いも知らずに、留美は他の女 (フジノ) の元へ。残された篠原は今後、物語にどのように関わってくるんでしょうか。



覆水不返 ―― 。 一度死んだ 「ブラックパレード」 は、決して過去と同じ姿に戻ることはない。でも、多分それで構わない。
たとえ "昨日" までの思い出が失われたとしても、"今日" を頑張れば、それが "明日" には思い出になる筈だから。


「ブラックパレード」 はこれからも二人の大切な場所としてここに在り続け、新たな思い出を刻んで行くことだろう。


そして新しい冒険の始まりを、彼女はこう告げるのだ――



『Welcome to The Black Parade ―― ブラックパレードへようこそ 』



―― 3.「Welcome to The Black Parade」 (了)




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