めいびい氏の美少女幽霊譚 「黄昏乙女×アムネジア」 第1巻です。
掲載誌は 「月刊ガンガンJOKER」 。
【収録話】
乙女心と夕の空
零ノ怪 : 「隠れ鬼」
一ノ怪 : 「夕子さん」
二ノ怪 : 「放課後のクイックシルバー」
六十年の歴史を持つ学び舎、私立誠教学園には数多くの怪談が存在する――
中等部一年の新谷貞一は、入り組んだ構造の旧校舎に迷い込んだ末、大きな鏡の前でひとりの女生徒と出遭った。
黒くて長い髪、白い肌、切れ長の目、背はすらりと高くて…ちょっと不思議な感じがする人だった。
彼女の案内で出口へと向かう貞一の脳裏に、ふと学園七不思議のひとつ 「旧校舎の幽霊」 の話が過ぎる。
旧校舎のどこかには古い大きな鏡があり、その鏡の前では何が起こっても絶対に振り返ってはいけない。
もし振り返ってしまったら、旧校舎の幽霊に引きずり込まれ、鏡の中を永遠に彷徨うことになる――
女生徒の存在に疑問を抱いてしまった貞一は、意を決して彼女に問いかける。『どうして旧校舎なんかに居たのか』 …と。
少女はまるでその問いかけを予期していたかのように、振り返って微笑みを見せると悪戯っぽくこう答えた。
『だってわたし、旧校舎の幽霊だもの――』
≪アムネジア≫ … 特定の記憶が欠落する現象。またはその状態
著者のめいびい氏は、成人向け漫画(エロ漫画)で見たことがあるかも?程度の認識しか無く、一般向けは初見です。
クセが強めの絵柄だとは思いますが画力は高く、ホラー色の強いジャンルにも十分適応出来ていると思います。
登場人物は幽霊の庚夕子、夕子の姿が唯一見える新谷貞一、そして学園七不思に興味を持つ小此木ももえ。
現時点での内容は、学園に多数存在する 「夕子さん」 の怪異を調査して、夕子の死の真相を探し出して行く。
「夕子の過去」 という最大の謎に興味を持たせつつ、学園モノとして怪異調査部の活動をコミカルに見せたり、
怪異を調査していく上で生徒達の内面をシリアスに描いたりと意外に奥が深そうです。
前述の通りエロ漫画でも活動している作家さんなので、やはりヒロインの夕子さんに力を入れて魅力的に描かれています。
ころころと変わる表情や時折見せる子供っぽい仕草などが可愛らしく、自然と夕子さんに興味が湧きました。
ただし 「エロ」 を連想させる描写はあるものの、直接的な描写はほとんど無いので、そちらに期待している場合は要注意。
個人的には、ただ夕子さんを見ているだけで、十分満足出来てしまうのでした(笑)。
―― 黄昏乙女×アムネジア 第1巻 (了)
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