パジャマな彼女。 第2巻 濱田浩輔 


お化けになった幼馴染みのまくらを、元に戻す手掛かりを探す計佑は、気になる
先輩・雪姫の実家へ。そこである事件をきっかけに、計佑と雪姫が急接近!?
その二人を見たまくらは!?三人の恋模様に急展開…!!


【収録話】

Vol.8 : 「ズキズキ」Vol.13 : 「“寝宮の花嫁”」
Vol.9 : 「そんな事ないよ」Vol.14 : 「俺とだったら」
Vol.10 : 「誰…?」Vol.15 : 「だったら俺…」
Vol.11 : 「何でもない」Vol.16 : 「卒業するよ」
Vol.12 : 「どうだったかな…?」


濱田浩輔氏の描く恋愛ファンタジー 「パジャマな彼女。」 の第2巻、「どーゆー事だよ!!!」 です。
「週刊少年ジャンプ」 H24年20号〜29号掲載分を収録。発売日は2012年8月3日。




1巻では、まくらの身に起こった事件の解決を目指すうちに、計佑がまくらに対する自分の気持ちに気づき始める…といった
ところで終わりましたが、2巻はほとんど雪姫のターンといった感じになってますね。


雪姫は1巻の頃から、計佑のことが気になってる風ではありましたが、今回ガラの悪い連中に拉致されたところを、計佑に
助けられたことで、完全に計佑が雪姫にとっての “白馬の王子様” 状態になったようです。まぁ、あの状況で助けられれば、
雪姫でなくても惚れてしまうのは無理からぬところだとは思います。


しかし、個人的にはああいう下種なキャラにヒロインを襲わせて、それを助けた主人公の株を上げるという展開は、あまり好きな
形ではありませんけど、計佑とまくらの関係が確定する前に雪姫に告白させたことで、とりあえず三角関係は成立したかな、と。


ただ、計佑もまくらもお互いに相手が他の人と付き合うことを考えると、モヤモヤした気持ちになることは自覚して来ているので、
二人が自分の気持ちに気づくのも時間の問題かなぁという流れにはなってます。まぁ、相変わらずどちらも 「何だろこの気持ち」
とか、 「なぜか俺は応援したくない」 とか、自分の気持ちを素直に認めようとしないので、じれったい気分にはさせられますが。


いくら今まで、相手をそんな風に見たことが無かったんだとしても、ここまで来て本気で恋心に気づいてないんだとしたら、
かなり鈍感だと言わざるをえないんですが…。でも、まくらは本当にわかってなさそうなのが、困りものなんですよねぇ。



2巻では、まくらが “幽霊” になった原因の解明は、それほど進展はしてません。ただ、まくらが自ら望んでホタル (美月芳夏)
に誓いを立てて、「いばらの呪い」 がかけられているらしいことや、「心の痛み」 が小指のアザに伝わっているらしいことなどが
わかってます。しかし、まくらは芳夏から 「誓い」 とやらの内容を聞いたんでしょうか。


芳夏からすれば、約束を交わした相手に誓いの内容を隠す必要など無いでしょうし、聞けば教えてもらえると思うんですけど、
聞いた上で計佑と雪姫の仲を応援しようとしてるなら、誓いの内容は計佑絡みではないということなのか、それとも計佑に
迷惑をかけないようにと、元の身体に戻ることをすでに諦めているのか。まぁ、単純に聞いて無さそうな感じに見えますけど。


しかし、「アザが指を一周するまでが約束の時」 という期限を設けているので、この状況は長く続かないということでしょうね。
今回のラストでまくらが計佑にキスしてますが、これで状況が変わるのか、それとも変わるのは二人の気持ちの方か。



雪姫は1巻時点では、お茶目なところのあるお姉さんタイプ…といった感じに見受けられましたが、2巻では結構弱いところ
とか怖がりなところを見せてくれたこともあって、随分と印象が変わって来ました。猫っぽかったのが犬っぽくなったというか。


個人的に、まくらより雪姫の方がキャラ的に好きなタイプなんですが、Vol.14で計佑が 「無意識に」 雪姫の気持ちに応えて
しまってるのも、 「実は間違いでした」 という展開になるのが見え隠れしているので、切ないところです。計佑はその直後に
平気でまくらにキスしようとしてますしね…。


この漫画の特殊なところとして、雪姫の目に 「ライバル」 となる筈のまくらの姿が “見えていない” というのがあるんですが、
雪姫からしたら文字通り 「見えない敵」 と戦ってるわけですから、勝ち目なんかある筈が無いんじゃないかな、と。それに、
告白された先輩と、付き合ってるわけでもない幼馴染を同列に考えてる時点で、計佑の気持ちは決まってるも同然ですし。



―― パジャマな彼女。 第2巻 (了)




「パジャマな彼女。」 の画像の著作権は全て著作権者に帰属します : © Kohsuke Hamada 2012



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