原作:岩井恭平氏、作画:刻夜セイゴ氏のSFアクション漫画、「Oz-オズ-」 の第1巻。
掲載誌は 「月刊コミックアライブ」 。
【収録話】
#01 : 「GAIA」
#02 : 「Girl」
#03 : 「銀の靴 I」
【プロローグ】
環境汚染、資源枯渇、人口増加、先進国と発展途上国の格差などあらゆる問題が浮かび上がり、現実的な解決策が
見つからぬまま各国間によるエネルギー争奪戦が熾烈を極めた頃、日本政府によるある計画が世界の注目を集めた。
超巨大規模の感覚接続電子空間 「GAIA計画(ガイアプロジェクト)」
「GAIA」 は電子情報のやり取りによって全てが成立する、究極の省エネルギー空間。
誕生から十数年が経過した現在、世界中の経済と教育の中心として進化を続けている。
人間は感覚再現装置、通称 「Bed」 からGAIAに接続する事で、現実世界に近い感覚をGAIA内で得る事が出来る。
しかし唯一 「痛覚」 だけは不必要と判断され、GAIA内では再現されなかった。
『この世界で、人は痛みを忘れてしまった ――』
【Ozカード】
規格の統一は不可能と言われていた 「三大マネー」 の統一規格を持った謎のカード。マネーの統一は世界中の金を
征服したようなものだと言われ、これ一枚で戦争が起こるとも世界がひっくり返るとも考えられる危険なカード。
「Ozカード」 の所有者として登録された人間は、「GAIA」 のシステムから逸脱した強力なプログラムを使用する事が
出来る代わりに、副作用としてGAIA内で 「痛覚」 が再現されるなど死亡する危険が生じることも想定されている。
この 「Ozカード」 をめぐって、カード所有者同士の熾烈な争奪戦が繰り広げられている。
岩井恭平氏、刻夜セイゴ氏共に、他の作品を読んだことはなく、この作品が初見となります。
「Oz-オズ-」 というタイトル通り、登場人物の一部や魔法の名称などは「オズの魔法使い」 から名付けられているようです。
『臆病なライオンは震えを毛皮で隠し――涙で牙を研ぐ――』
『迷子の少女は――還るべき場所を探し、銀の靴を鳴らす――』
舞台となるのは、仮想空間 「GAIA(ガイア)」。人間の生活基盤、経済産業基盤が、全てこの 「地球」 でも 「宇宙」 でもない
「第三世界」 に移行した世界。そこは 「痛み」 の無い世界。誰も人が傷つくことなど考えていない危険な世界――。
作中では 「現実世界」 の様子は一切描かれておらず、この 「仮想空間」 の中で全てが展開しています。
登場人物は、「痛みのない」 GAIAに慣れることが出来ない少年、大野結利(ユーリ)。
ユーリが手に入れて所有者登録することになるOzカード、 「Girl」 の元の持ち主、ドロシー。
Ozカード 「Lion」 を所有する、”復讐者” ハル。
Ozカードに関わるこの三人が軸になると思われますが、この1巻は特殊な世界観を理解させる為のプロローグ的内容で、
終盤からようやく物語が動き出したと言う感じです。
「Ozカードとは一体何なのか」
「ドロシーは何者なのか」
「ハルハルの復讐対象は誰なのか」
まだまだ散りばめられた情報の欠片から、色々と想像するしかない段階ですが、設定やキャラクター的には面白く
なりそうなので、2巻以降の展開に期待してます。
―― Oz-オズ- 第1巻 (了)
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