2010年3月に公開された劇場用アニメ 「東のエデン 劇場版 II Paradice Lost」 です。
これまた完全に劇場版1作目からの続きもので、さらにTV版の内容も補完していないとさっぱりわからないと思います。
そういう意味でも見る人を選びますし、敷居もかなり高いので、あまり劇場用アニメには向いてない気がしなくもないです。
※ネタバレ全開です。ご注意ください
セレソンは一応亜東才蔵も含めて12人居たわけですが、劇場版になってからはほとんど滝沢と物部の2人の戦いでした。
辻は裏で何かやってたみたいですけど、効力を発揮してたのかが今ひとつ伝わって来ないし、結城は最後のシーンだけが
見せ場だし、白鳥も前回滝沢のジュイスを守ったところで役目は終わりでしたし。
直元に至っては結局何しに出てきたんだって感じで、今回はオチだけつけられてフェードアウトしてしまいました。
まぁこれはこの物語の核となるのが、「滝沢の考え方」 と 「物部の考え方」 を対比させることだったんでしょうから、
この構図になること自体はわかるんですが、最後に答えは出さずに全員が勝者という形で終局させてしまったのは残念。
安直に答えを出せる問題では無いのは当然ですが、それじゃあ何のためにTV版からずっとセレソンゲームなんかを
続けて来たのかなぁと思います。とりあえず問題提起だけしておいて、これを見た 「アガリを決め込んだおっさんたち」 と
「自宅で座り込んでるニート諸君」 に対して 「行動を起こせ」 ってことで、それこそ丸投げしちゃったんでしょうかね。
そのセレソンゲームですが、まずセレソン同士の直接対決がほとんどない情報戦になるので、見た目にかなり地味です。
以前はミサイル発射だの爆弾だのといった派手な依頼もありましたが、今回はありません。ほとんどの場合は
人を動かしたり、移動したり、何かを買ったりといった内容が、携帯画面とそれを見た台詞によって進行して行くだけです。
しかも、その依頼によって起こることが、さして期待感を煽る内容でもない為、見てる側としてはただ内容を追ってるだけで
その結末がゲームとして成立したのかしてないのかあやふやでは、消化不良と感じても仕方ない気もします。
まぁ一応滝沢が亜東才蔵を 「ぶん殴る」 という当初の目的を果たした部分は、良かったと思いますが。
まだ1回視聴しただけなので、ちゃんと咀嚼しきれてない部分もあると思いますが、とりあえず感じたのはこんな所です。
最終回を映画にしたこと自体は別に良いと思いますが、劇場版らしくもう少し視聴者を惹きつけるような展開があっても
良かったんじゃないかなぁとは思いました。
―― 東のエデン 劇場版 II (了)
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