母校である県立北小町高校バドミントン部のコーチになった 「立花健太郎」 は、 現在の部員は 「荒垣なぎさ」 「泉理子」 「海老名悠」 「伊勢原空」 の4名 そんな中、校庭の大木を軽々と駆け上がる1年生 「羽咲綾乃」 に出会う。 【収録話】
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濱田浩輔氏による、高校バドミントンストーリー 「はねバド!」 第1巻。
「good!アフタヌーン」 13年#32〜13年#35掲載分を収録。発売日は2013年10月7日。
著者の濱田浩輔氏は、週刊少年ジャンプで 「パジャマな彼女。」 を連載してた方ですね。こちらの作品でも絵は好みだったの
ですが、ストーリーには色々と難があったというか、まぁその辺は 「パジャマな彼女。」 の感想で書いてますので省略します。
「はねバド!」 は、高校のバドミントン部が舞台の漫画です。バドミントン自体は競技として広く知られているものの、実際に
試合を見る機会が少ないという意味では、マイナーなスポーツに分類されるのかなぁ。まぁ特定のスポーツを除けば、ほとんど
そうなってしまうんでしょうけど。
自分はバドミントンのプレイ経験も、観戦 (テレビ含む) 経験もほとんどありません。選手名としては、オグシオ、スエマエ、
フジカキなどのコンビ名は知っていても、小椋、潮田以外はちゃんとした名字も知らなかったりします。
そんなルールもろくに知らない自分ですが、この漫画を読む上では特に問題になることはありませんでした。というより、
そんなこまい所にまで踏み込んだ作りにはなってませんし、大雑把に言えばシャトルを打ち合って、相手コートに落とせば
ポイントになるってことだけ知ってれば、全然大丈夫なんじゃないかと。一応、特殊な部分は欄外で解説も入ってますし。
舞台となる高校のバドミントン部は、部員数が不足して団体戦にも出場できないような弱小チーム。でも、個人ではインハイに
出場経験のある選手がいたりと、部員さえ揃えばという可能性も秘めている。そこで、高校のOBでもあるコーチが新入部員を
探していた所、偶然バドミントンに有利と言われる左利きで運動神経抜群の少女を発掘し、勧誘する所から物語が始まります。
登場人物は、1巻時点で20名以上と単行本の帯に書いてあります。正直多すぎるというか、途中で喋ってるキャラが誰だっけ?
となる事がありましたが、とりあえず主役の羽咲綾乃、コーチの立花健太郎、北小町高校バドミントン部の荒垣なぎさと泉理子、
綾乃の友達の藤沢エレナと、フレゼリシア女子のコニー・クリステンセン、志波姫唯華あたりまでが1巻で目立ったキャラかな。
しかし、男子部員は二人しか居ない上に、大した役割も持ってなさそうに見えますけど、登場させてる意味があるんですかね。
今後女子部員の誰かと、ラブコメに発展させる展開でも考えてるんでしょうか。
ちなみに、主人公の居る北小町高のキャラの名字は神奈川、フレゼリシア女子の方は宮城の地名から取ってるっぽいですが、
主人公の綾乃だけは違うっぽいです。それと、北小町という地名は千葉県の鴨川市にありましたが、別に舞台が千葉県という
わけでは無さそうです。たぶん。
主人公の綾乃は、とにかく子供。子供っぽいではなく子供です。親しい友達以外には人見知りして、嫌なことがあるとすぐ駄々を
こねて、自分の心地いい空間から外へ出ようとしなかったけど、コニーや理子との接触によって少しずつ変化が見えて来ます。
そういえば、綾乃ほどでは無いですけど 「パジャマな彼女。」 のヒロイン、音巻まくらも子供っぽいキャラでしたね。
綾乃は過去にバドミントンの指導を受けた環境にトラウマがあったようで、それがバドミントン嫌いの原因だったみたいですが、
精神的な成長が止まってたり、試合中に別人のようになるのもこの辺りが原因になるのか、今のところ謎を秘めたキャラです。
コーチの健太郎は、基本的には本気で選手の強化を考えているんですが、その手段が嫌がる綾乃の強引な勧誘だったり、
自分の夢を教え子に押し付けようとしてるように見える所が、まぁ話の展開上仕方ないとはいえ、少し暑苦しいキャラかなと。
1巻でコーチらしいことをしてるのは、綾乃・理子ペアとコニー・ヒナペアの試合のインターバルで、アドバイスしてる場面だけ
ですけど、一応ここでは的確なアドバイスをしてるっぽいです。これが無いと、単なる狂言回しにしかなりませんしねぇ。
ただ、最初は壁にぶつかってるなぎさの練習相手を探してた筈なのに、綾乃と出会ってからはなぎさに目もくれずに、綾乃に
ベッタリになってるのはどうなのかなぁ。いくら自分の夢を実現させる逸材を見つけたとはいえ、立場を忘れすぎに見えます。
デンマークユース代表という肩書きを持つ、天才プレイヤーのコニー。綾乃の前に立ちはだかる最初の壁になるかと思いきや、
逆に綾乃の異常さを引き立たせる “かませ犬” 的な役目を負わされてしまいました。まぁ、それでも当面はコニーか唯華辺りが
綾乃のライバルになっていくのかな、とは思いますが。
コニーは綾乃のことを 「お姉ちゃん」 と呼んでますが、コニーが飛び級してない限り、1年の綾乃に妹が居る筈はありませんし、
双子にも見えないので、綾乃の母親とは実の母娘ってことではないんでしょう。ただ、綾乃の名字が変わったのはつい最近の
事みたいなのに、コニーが子供の頃から綾乃の母親 (らしき人物) を 「ママ」 と呼んでるのは、何かありそうですね。
そして、弱小北小町にあって、唯一インハイ出場経験を持つなぎさですが、今後どういう扱いになるのかまだわかりません。
去年の秋の大会で、当時中学生だった綾乃と対戦してラブゲームで負けてしまったことで、現在伸び悩んでいるようですが、
当の綾乃はそれを微塵も覚えていないようですし、綾乃とチームメイトになってしまったことで、綾乃を倒して壁を乗り越える
という展開も難しくなってしまいました。まぁ、同じチームで切磋琢磨していく内に、成長していくってことも考えられますけど。
バドミントンのルールは良く知りませんが、北小町の場合は団体戦に出れるギリギリの人数みたいなので、シングルスと
ダブルスの選手を分けて考えることが出来そうもないですから、綾乃となぎさでペアを組むことになったりするのかもです。
シングルスで綾乃となぎさ、ダブルスで二人のペアが勝てば、一応3勝という計算は立ちますし。
ということで、ストーリー的には人数が揃って、インハイ出場という目標も出来て、いよいよこれからという感じです。
絵柄は 「パジャマ〜」 の頃とそれほど変わってないと思いますが、個人的には前作の雪姫を超えるキャラは居ないかなぁ。
前作はお色気シーンも結構ありましたけど、「はねバド!」 にはほとんどありませんので、そちらには期待しない方が良いかと。
まぁ、2巻以降はどうなるかわかりませんけどね。
―― はねバド! 第1巻 (了)
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