サマーウォーズ 【SUMMER WARS】


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2009年に公開された劇場用アニメ 「サマーウォーズ」 です。
劇場には見に行っていなかったので、今回が完全な初見になります。


※ネタバレ全開です。ご注意ください



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【小磯健二】


健二は結果的に夏希を惚れさせることに成功するわけですが、なんか唐突に惚れられた感が否めませんでした。


婆ちゃんが死ぬまでの夏希はとても健二に意識が向いてるようには見えませんでしたし、確かにヒロインが傷心の時に
慰めた男が役得するというのはありがちなパターンですが、それだけでは理由として少し弱い気がします。


ラブマシーンとの最終決戦を、健二と夏希の二人で力を合わせて乗り越えたというならまた違った印象を受けるかも
しれませんが、夏希に力を与えたのは世界中の人々でしたし、健二の暗号解読を助けたのはキングカズマでした。


まぁ、結局唐突感を受けたのは、健二が主人公としては基本性能が低いことにも起因してると思うので、
だからこそ普段の情けない姿とのギャップがあって、格好良く見えたって所なのかなぁと解釈しました。



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【篠原夏希】


夏希は夏希でヒロインと言うには少しキャラが弱いというか、影が薄いと感じました。


無理やり恋人のフリごっこに巻き込んでおいて、本当に好きな人(侘助)が現れたら健二はほったらかし。
健二が冤罪で翔太に連行される時も、健二の無実を訴えたりしてやる事も無く、ラブマシーンとの戦いには途中まで
不参加だったのに、最終決戦(花札)だけ登場して来て、美味しいところは全部持っていくみたいな(笑)。


そもそも健二との関係がよくわからなくて、なんで校内のアイドルで剣道部の夏希が、物理部でしかも後輩の冴えない
二人組にアルバイトを頼みに行ったのかなと。健二が婆ちゃんに挨拶する時、「物理部で一緒に…」 とか言ってましたけど、
夏希が物理部も掛け持ちしてる(?)って事だとしても、その割に健二が数学が得意とか全然知らなかったみたいですし…。


正直、今までただの知り合いだった健二を好きになるには、気持ちが変化するきっかけが弱い気がしちゃうんですよね…。
そのせいで、夏希がヒロインなら無理に恋愛要素を詰め込む必要は無いように感じてしまいました。


「世界を救って万々歳!」、「やっぱり家族が力を合わせる事は大切だよね!」 で終わっても良かったんじゃないかと。



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【池沢佳主馬】


途中まで本気で肌の黒い女の子だと思ってました(笑)。


これはキャストが女性なので普通に女の子の声に聞こえてしまったのが原因ですが、声優と違って女優は普段から
男の子役を演じる機会など無いと思うので、仕方ない部分もあると思います。演技が下手だったと言うことではありません。


佳主馬が女の子だったら間違いなくヒロインだと思いますし、むしろラブマシーンと最初からずっと戦い続けて来たのは
健二と佳主馬なので、この二人に愛情が芽生える展開の方がなんとなくしっくり来る気がします。



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【陣内栄】


電話攻勢で社会の混乱を収めてた時は、この後も婆ちゃんを中心に家族一丸となってラブマシーンを駆除するのかと
思ってたんですが、健二に夏希を託したら早々に退場してしまいました。まぁ最後まで婆ちゃんが仕切っちゃったら、
子供たち、孫たちがあそこまで成長し、団結する事も無いだろうから、導き手としての役目は果たしたと言うことでしょうか。


【その他】


侘助の声は登場した時に、この演技で大丈夫なのかなぁ?と心配になりました。
それと由美の声はちょっと無理があるかなぁ…と。外見はおばさんなのに声だけはやたら若く聞こえると言う感じで。
これは由美の第一声を聞いた時に、 「(時かけの)真琴の声か」 と思ってしまったのも原因かもしれません。


二人とも時間を追うごとに慣れて気にならなくはなりましたが、万助役の永井一郎さんの演技とかを聞いちゃうと、
やはり存在感とか、最初から最後まで演技がブレない辺りは違うなぁと感じました。。



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【OZ(オズ)】


名称が 「OZ」 となっているので、登場人物が 「オズの魔法つかい」 にひっかけてありそうかなぁと思って考えてみると、


健二(案山子)は 「頭脳」 を駆使して危機を乗り越え
佳主馬(ライオン)は 「勇気」 を持って強敵に立ち向かい
侘助(ブリキ人形)は婆ちゃんの死に涙を流して人の 「心」 を取り戻した


…と言う感じでしょうか。


これで夏希(ドロシー)のアバターにジョンから与えられたのが 「銀の靴」 だったりしたらそれっぽいんですけど、
全然見当違いのこと考えてるかなぁ…?



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【後記】


面白かったですけど、個人的には大絶賛と言う感じでも無く、どちらかと言えば 「時をかける少女」 の方が好きです。


ただ、上手くまとまっているとは思うので、どこが足りないかと言うとちょっと難しいです。主人公やヒロインを含めて
全体的にキャラクターが弱い気はしますし、恋愛部分が微妙に感じたのでその辺りかもしれません。


でも仮想と現実の見せ方の違いは面白かったですし、最後の大勝負が花札だとか、主人公の必殺技が暗号解読と
いう辺りは意外性がありました。一番盛り上がりを感じたのは、世界中の人たちが夏希にアバターを託す場面です。
声優関係では演技と言うよりキャスティングの方に若干疑問を感じる部分がありました。


とりあえず一回通して見ただけなので、勘違いしてる部分もあるかもしれませんが、第一印象としてはこんな所です。



―― サマーウォーズ (了)




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