真じろう氏著のSFバトルアクション、「TABOO TATTOO」 の第3巻。
掲載誌は 「月刊コミックアライブ」。
【収録話】
#09 : 「否定」 | #11 : 「争奪戦」 | #13 : 「天才」 |
#10 : 「奪還」 | #12 : 「二人目」 | #14 : 「本物」 |
バトルが本格化して来たと同時に、かなり情報が錯綜して来ました。
まず、トーコが呪紋起動状態のイルを抑えられたことについて、『呪紋の効力がトーコに流れていると考えれば筋が通る』
…とトムが言ってます。そして 『セーギを守りたいという強い想いが本来の呪紋の所有者から力を奪っている』 とも。
これはトーコの呪紋がイルに憑依されて発現した物だからこそ出来る芸当なんでしょうね。ただ、トーコの呪紋については
確かそれ程深く語られてませんけど、イルの呪紋の劣化版コピーなのか、オリジナルと同等の力を持つ複製品なのか。
効力が流れている…ということは、トーコ自身が持つ呪紋が起動しているわけではなく、イルの呪紋が持つ力を借用する
くらいの性能しか無い、ってことかなぁ?そもそもトーコは 「トリガー」 を充填してませんし。
『呪紋は物理的な装置ではなく、形而上 (学?) 的なモノ』 であり、『呪紋はそれを求める者にこそ力を与える――』
…ということで、「トリガー」 はあくまでスイッチを入れるための物でしか無く、印者が必要としない限りは本来の能力は
発揮されないということでしょうか。だから、あれだけ血まみれになっていても起動しなかったセーギの 「理法喰らい」 が
『トーコを守るんだ』 と力を欲した時になって、やっと起動することになったのかなと。
そしてそれと関係するのが 「起源体(ソース)」 ということなんでしょう。高次元に存在する複雑な構造体。俗にいう 「魂」。
トムの言うように 『求める者に力を与える』 というのは、「起源体」 が印者の声を聞き届けて力を貸してくれる…とか?
ただ、トーコの呪紋がコピーだとするなら、カル副隊長の話では 『コピーに起源体は無い』 ということのようなので、
トーコの想いに応えたりはしそうも無い気がします。この辺は今有る情報ではちょっと整理しきれませんね。
次にアリヤバータ王女関係。王女も 「無鍵の呪紋」 の印者ということが判明して、呪紋というのはそれぞれに対して
単一のものではなく、複数存在しうることが確認されましたが、これは 「無鍵の呪紋」 に限ったことなのかな…?
「無鍵の呪紋」 自体は 「遺跡」 と同じ4つあることが明言され、何かしらの文字通り 「鍵」 だとも言われています。
ただ、王女自らが 「鍵」 の役目を果たすつもりなのかその辺はよくわかりません。
後の方で鍵の役目を果たすことは死ぬことと同義のような言われ方もしていますが…。
そんな小難しいことを考えていると、なぜかトーコの乳をかけての卓球勝負が開始(笑)。前巻でも思いましたけど、王国側
の印者はバトル時と日常での精神状態の差が激しいですね。王女などはクーデターのための親殺しまでしているので、
まともな理性など持ち合わせているとは思えませんでしたが、セーギと会話している王女は理知的にすら見えなくもない。
ただ、この作品に限らず 「争いのない世界」 を望む者は、自分では利他的な行動を取っているように語るものですが、
其の実利己的で狂信的な考えに囚われていることが多いように思います。果たして、アリヤバータ王女はどうでしょうか。
前巻でリサをさらったように、王国が印者の検体を集めていた理由が結局はっきりしませんでしたが、反呪紋システムの
研究には被験者が印者である必要は無さそうなので、これとは関係なさそうです。
そして今巻ではセーギの青臭い正義感に影響を与えそうなブラッド・ブラックストーン(BB)というキャラが登場しました。
イジーとも何か関係がありそうですが、今巻では明かされず。現時点ではアリヤバータ王女に対抗出来る唯一の実力者に
見えますが、『同化が進んでいる』 という言葉からも、途中でセーギに意思を引き継いで退場しそうな気がしますね…。
現在のところやはり米軍にも王国にもセーギの求める 「正義」 はありそうも無く、セーギはイジーという個人を信頼して
協力する形となっています。ただ、王国側が王女自らセーギと接触しているのに対して、米軍の上層部は前線に出て来る
気配がないので、今後米軍がセーギにとっての敵に回りそうな感じもします。
だからと言ってアリヤ王女と分かり合える…という展開になるとも思えませんが、これだけ王国側と主人公に馴れ合いを
させて、最終的にどう決着をつけるのか――…という点は気になりますね。
―― TABOO TATTOO 第3巻 (了)
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