2009年に公開された劇場用アニメ 「テイルズ オブ ヴェスペリア 〜The First Strike〜」 です。
劇場では見ていないので今回が初見になります。ちなみにゲームはXBOX360版をプレイ済み。
※ネタバレ全開です。ご注意ください
まず、ストーリーはゲーム本編以前の話ということで、ゲームでは仲間として活躍するようなキャラクターにもほとんど
出番がありません。騎士団入団直後のユーリとフレンに子犬のラピードがおまけに付いて、他にメインとして登場してくるのはほとんど劇場版用のキャラクターになってます。
まぁ、他のキャラクターはゲーム以前にはユーリと会っていないという設定なので仕方ない部分もあるとは思いますが、
一応魔導器関連での助言役となるリタはともかく、エステルやレイヴンは顔見せ程度での登場で、カロルやジュディスに
至っては出番すらありませんでした。
この辺はゲーム版からのファンにとってはどうなのかな?という気はします。この映画ではユーリとフレンが自分たちの
「正義」 を貫いていくきっかけとなる出来事を描いてますが、それよりもエステルやリタをはじめとしたおなじみのキャラが
スクリーンで活躍するストーリーが見たかったファンは結構居るんじゃないかと思います。
ただそれだと、ゲーム未プレイの観客を置いてけぼりにする可能性が高いので、それを避けるための措置だとは思いますが、
その辺から考えると、この映画のターゲットはTOVの熱狂的なファンでユーリとフレンの出発点を知りたかった人か、
ゲームをプレイする前にTOVの世界観に触れておきたい人向け…ってところでしょうか。
でも、冒頭の簡単な説明と劇中の描写だけで 「エアル」 や 「ブラスティア」 などが理解出来るのかわかりませんし、
ゲーム本編での内容に繋がって行くからこそ、ガリスタの行動など劇場版のストーリーが活きてくる筈だと思うので、
ゲーム未プレイ&プレイする予定の無い人が、劇場版だけを見た場合に面白いと思えるのかは正直わかりません。
それに、劇場版から入ったファンがゲーム版をプレイした時は、ヒスカやシャスティルがパーティーに参加しないことを
残念に思うかもしれません。まだPS3ならイベントに登場するらしいですが、XBOX360には存在すらしてませんしね…。
アクションシーンは主に活躍するのが新米騎士のユーリばかりというのが、主人公補正があるにしても先任騎士たちの
不甲斐なさを感じます。まぁ他の騎士は剣よりも魔導器を使った攻撃が多かったようなので、魔導器がうまく使えなかった
遺跡での戦いは不利だったのかもしれませんが。
キャラクター的にはユーリとフレンを除けば目だったのはナイレン隊長とメルゾムの親父衆でした。あとは双子のヒスカと
シャスティルくらい?ゲーム版キャラではエステルを取り巻く事情とか、レイヴンが何かを探ってたりとか、初見の人には
さっぱりわからなそうな気がしますが、この二人の登場はゲーム版ファンへのサービスみたいなものでしょうね。
全体的にはありがちな内容という感は否めませんけど、ユーリとフレンの背景を掘り下げる物語としては一応まとまってる
のではないかと思います。それで結局 「The First Strike(先制攻撃)」 というタイトルはどこから付いてるのかが
わからなかったんですけど、アレクセイの増援を待たずに現存戦力だけで攻撃を仕掛けたことを言ってるのかなぁ…?
それとも単純にゲームの 「先制攻撃」 をタイトルとして入れただけ?
―― テイルズ オブ ヴェスペリア 〜The First Strike〜 (了)
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