突然パジャマ姿のお化けになっちゃった!?幼馴染みのまくらが、自分にしか 【収録話】
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濱田浩輔氏の描く恋愛ファンタジー 「パジャマな彼女。」 の第1巻、「どーゆー事だよ!!!」 です。
「週刊少年ジャンプ」 H24年13号〜19号、少年ジャンプNEXT!H24年夏号掲載分を収録。発売日は2012年6月4日。
主人公の目覚計佑と幼馴染の音巻まくら。ずっと家族のように接してきたために、距離が近すぎてお互いに自分の本当の
気持ちに気づいていない二人が、ある事件をきっかけにして自分の気持ちを知ることになる…のかどうかはわかりませんが、
導入部分はかなり使い古された設定という感じです。
そして、二人の間に割り込んでくるのが、学園のアイドル的存在な先輩…というところもベタかな。基本的にこの三人による
三角関係で進行して行きそうですが、計佑のクラスのメガネ委員長も計佑に気がありそうな素振りを見せてるので、もう少し
人間関係が複雑になっていくのかもしれません。
「パジャマな彼女」 というタイトルの由来は、ある日突然 「眠り姫」 状態となって、目を覚まさなくなったまくらの幽体 (?) が、
なぜかパジャマ姿だったから、というもの。しかし、途中でまくらが水着を着たいと願ったらパジャマから水着に変化したように、
パジャマでいることは、まくら自身が望んでその姿になっている可能性が、高いということなのかなと。
たぶん、計佑と雪姫のキスシーン (に見えたんだと思う) を目撃したことと、計佑を怒らせてしまったことによるまくらの感情の
変化が、この状況を引き起こした原因かと思いますけど、“眠りにつく” というのは、認めたくない現実からの逃避か、それとも
目覚めさせてくれる王子様を待つという、受身な気持ちの表れなのか。
計佑にしか姿が見えないのは、計佑だけに自分の姿を見てほしいから…という気もしますけど、それでどうして “パジャマ”
になるのか…という所は、まだよくわかりません。
まくらはひまわり畑で寝てましたが、“ひまわり” というアイテム自体には特に意味も無さそうですし、計佑との思い出の場所
だからそこに居たかった、ってことでしょうか。ここで子供の頃にまくらが迷子になって、それを見つけたのが計佑だったという
ならわかり易いんですけど、回想を見ると迷子になってたのは計佑で、見つけたのがまくらでしたね。
だとすると、見失った計佑の心を見つけたいという感情が、ひまわり畑に表れてるってことなのかな。
あとは、病院で見た写真の “美月芳夏” という女性と、小指に刺さってたバラの棘、それと雪姫の爺さんが鍵を握ってるん
でしょうけど、都合よく海外に出かけてしまったので、真相がわかる直前まで帰って来ない可能性もありそうです。
主人公の目覚計佑は、ラブコメのテンプレ的主人公といった感じで、正直なところあまり個性は感じられません。雪姫は人を
特別扱いしないのが、計佑のいいところだと言ってましたが、計佑自身は何か特別な魅力を持ってるようにも見えない、ごく
普通の純情高校生。ただ、雪姫に遭遇する時は、少しだけラッキースケベが入る感じ。
ただ、雪姫が “美月芳夏” のことを知ってるかもしれないと聞いた時、雪姫の両腕を掴んで壁際に押し付けた場面で、雪姫が
『痛っ』 というのを聞いて 『ハッ!!』 と自分がしてることに気づいたにも関わらず、腕から手を離さないのは何でなんだよ、と。
むしろグイッと余計に力を込めて、腕を掴んでるように見えますし…。
「眠り姫」 なヒロイン、音巻まくら。かなり子供っぽくて、計佑と雪姫が接近すると目に見えて不機嫌になるわかり易い性格。
これだけわかり易く計佑好き好き光線を出してるのに、周りがそれに気づいていないのが不思議なくらいです。行動や仕草も
子供っぽくて、かなり無防備。でも、特に同性などからは、それをあざといと見られて嫌われることもありそうなタイプかな。
この漫画の中では、そんなドロドロしたことは無さそうですけど。
ただ、『計佑に見えてるんだったらいいよ』 というのが本心だとしても、自分では全く目覚めるための努力をしないってのは、
さすがにどうなのかなぁ…と思います。まくらが見えてることで、計佑が責任を感じて重荷になってるかもしれない、ということは
わかってる筈ですから、計佑の感情をまるっきり無視してることになりますからね。
いくら計佑と家族同然の付き合いをして来たと言っても、雪姫とのシーンを目撃した後で、計佑が自分と遊んでくれなくなるかも
しれない、なんてことを微塵も考えてないですし、遊んでくれるのが当然と考えて、 『自分は今のままで楽しいから別にいい』 と
投げちゃっているのは、いくらなんでも楽観的では済まないんじゃないかな、と。
「白雪姫」 な先輩、白井雪姫。まくらの言葉によると、 「物静かで清楚」 ってことでしたが、実際にはそんな感じでは無さそうで、
校門を乗り越えたり、エージェントになりきって計佑を脅してみたり、結構アクティブでお茶目な性格に見えます。
初対面の時から、胸や尻を触られたりして、視覚でエロさを見せるまくらに対して、身体でエロさを表現する雪姫という感じ?
でも、病院では計佑に胸を触られたままの状態なのに、両手を上げたまま抵抗しないとか、さすがにエロすぎでしょう。
一応、計佑に惹かれた理由は 「有名人の自分を特別扱いしなかったから」 とハッキリしてますけど、それに気づく前から計佑を
からかったりして、結構興味を持っていたように見えます。しかし、こういうラブコメを見るといつも思いますけど、白雪が二年以上
学校に通う中で、有名人として特別扱いしなかった男子生徒ってのは、一人も居なかったんですかねぇ。
キャラクターの名前は、“目覚まし” とか “枕” とか “白雪姫” とか、ギャグ混じりなのか、何らかの意図が込められてるのか、
どっちなんでしょう。“モブ” とか居るからギャグっぽいですけど、“硝子” はメガネ (ガラス) だからかな。でも、カリナには何か
意味があるのか、よくわかりませんが。
物語的には、計佑がまくらを 『守ってやりたい』 と、自分の気持ちに気づき始めたところで、雪姫がタイミングよく割り込んで
くるという、お約束展開で2巻に続くという感じでした。まぁ、「パジャマな彼女。」 というタイトルからしても、最終的には計佑と
まくらがくっ付きそうですが、少しは雪姫にも心が動くのか、ずっと一途なまま突っ走るのか、というところでしょうか。
絵的には、所々で背景の描き込みが凄くて綺麗ですし、女の子が可愛くて体つきが肉感的なエロさを感じます。ヒロインの二人
で言うと、自分の好みは雪姫です。でも、黒髪ロングの大人っぽいお姉さんと、金髪ボブの元気な子というのは、同じジャンプに
掲載されていた、「きまぐれオレンジ☆ロード」 を彷彿とさせますね。あちらは黒髪のお姉さんの方と結ばれましたけど。
そしてどうでもいいことですが、すぐにタイトルを 「まくらな彼女。」 と間違えます (笑)。
―― パジャマな彼女。 第1巻 (了)
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