AURA [アウラ] 魔竜院光牙最後の闘い 第1話 「青の魔女」



少年サンデーS 4月号の新連載。原作:田中ロミオ氏、原作イラスト:mebae氏、漫画:星野倖一郎氏の妄想系青春ストーリー。
「AURA [アウラ] 魔竜院光牙最後の闘い」 の第1話です。



どうやらライトノベルの原作があるらしいですが、そちらは未読です。



冒頭の闘いと、主人公の佐藤一郎が 「フツーに生きていく」 と宣言しているのを見て、最初は闘いに疲れた戦士が
日常に戻っていく姿を描いたりしてるのかと思いましたが、読み進めていくとどうやら違うみたいですね。


佐藤は元々、"中二病" と呼ばれるような妄想好きの少年であり、冒頭の 「魔竜院光牙」 と呼ばれる剣士も、
おそらく佐藤が "設定" した 「世界のために闘っている自分」 の姿なのかなと。


しかし高校入学を機に、そんな 「痛い自分」 とは決別し、「普通な自分」 としての高校デビューを計っているようです。
でも入学した高校には、佐藤と同じ中学だったヤツとか、元クラスメイトは一人も居ないってことになるんですかねぇ。



そしてよくわからないのが、佐藤には人の 「オーラ」 が見えているような節があるんですが、これも "設定" の名残として、
実際には見えていないものを、見えているように演じてしまっているんでしょうか。この漫画のタイトルにもなっているくらい
ですし、「AURA」 がかなり重要な要素であることは間違いないんでしょうけど。


それに、樋野が倒れた時に言った 「血」 や、 「エナジー」 という言葉なんかも、佐藤の過剰な反応でそう聞こえたのか、
それとも実際にこの世界では何らかの不可思議な現象が起きているということなのか。



登場人物にしても、何やらいわくありげな時計を売っていた露店の久米とか、1話のサブタイトルにもなっている 「青の魔女」
のリサとか、穿った見方をすると 「現実」 とは別の世界の住人にも見えなくもないですけど、久米は本当にただ路上で
アクセサリーを売ってるだけの一般人で、リサはコスプレ好きのちょっと痛い腹話術師に過ぎないのかもしれない。


この辺の 「虚構」 と 「現実」 の境界線を曖昧にする見せ方は、1話としては良いと思います。


今のところ、佐藤、リサ、お貴族様がどう絡んでいって、どんな物語になっていくのか全く想像も出来ないんですけど、
わからないところが逆に興味を惹いているので、今後の展開には期待が持てました。



―― 第1話 「青の魔女」 (了)




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